彼女来来のレビュー・感想・評価
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モヤモヤが残るのにイヤじゃない
昔からSF映画やショートショートで扱われてきた、「目の前にいるその人は本当にその人か?」というテーマがある。その人だと思って接していた人が、エイリアンだったり、アンドロイドだったりするってのがありがちなやつ。そんなのを観たり読んだりしていると、本作の設定は少し身構えてしまう。
一緒に住んでいる彼女が失踪し、代わりに同じ名前の別人が部屋に住みつくという話。顔は全く違うし、昔の記憶がない女性だが、恋人しか知らないようなことを知っていたりする。まぁ、エイリアンでもアンドロイドでもなさそうってのはわかるが、奇妙な感じは残る。藤子・F・不二雄先生の少し不思議(SF)な漫画にありそうな設定。
彼女がなんでいなくなったんだろうなんて疑問を持ってしまうとまったく面白くないんじゃないか。むしろ、親が新しいマリと仲良くしているのを見て、彼女を受け入れ始めるのなんて普通の恋愛でもありそうな構造に思える。
最後は予想していた通り、あぁそういうことだったのねとスッキリすることはない。結局何だったんだよ!?と思うこと間違いなし。後輩の女の子の話や恋人のお姉さんの話やカフェのこととか、伏線っぽいやつも何の関連性もなかったりするし。でも、個人的には嫌じゃない。あぁ、まさにショートショートのようなモヤモヤ感!
恋人は移り変わる
キャスティングの会社で働くノリオは恋人のマリと同棲していた。ある日、ノリオが家に帰ると、そこにいるはずのマリの姿は無く、代わりに見知らぬ女がいた。困惑するノリオに、女は、ここに住むために来た、と訳の分からない事を言う。そして、その女は自分の事を「マリ」と名乗り・・・という話。
最初は先日観たファザーの様にノリオが病気なのかも、とか思って観てたが、どうも違う。
何が言いたいのかさっぱりわからないまま終わった。
上映終了後オンラインで監督とプロデューサーとのトーク会が有り、その中で監督が、彼女が変わる時の途中をすっ飛ばした様な作品が作りたかった、と話されてた。監督自身も訳わかんない作品を作って満足してる様な感じを受けた。
まぁ、そういう作品が有っても良いだろうけど、個人的には好きではない。
バイオリンの音とのコラボもテーマらしく、そこは良かった。
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