ボクたちはみんな大人になれなかったのレビュー・感想・評価
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感動ポルノならぬノスタルジーポルノ
見やすいし面白いです。観て損はしないし、良い映画だとは思う。
ただ、この映画は確かに感情は動かされるが、それは観た人各々が、これまで体験してきた過去を思い出して感傷的になっているだけだと思った。この映画を観たから得られた感情ではない。過去の恋愛とかをテーマにした良い歌を聞いた時に近いと思う。
最後まで観たところで映画として何か斬新なストーリーがあるわけでもないし、映画体験としてはどうなんだろう?
普通であるかどうかを判断基準にしたことがないので共感は出来なかった。自意識過剰というかなんというかモヤモヤした。
もっと若い時に観たら傑作だと思ったかもしれない。
役者の演技と初デートの時のファッションの雰囲気は素晴らしいと思った。
人生を振り返りるドラマ
1995年〜現在
大人の定義
46歳の冴えない男の25年
2020年、コロナ禍の中で46歳になった佐藤はテレビ業界でテロップ作りをしてた。その佐藤が1995年までを年代を逆に回想する話。
1995年に出会ったカオリに2000年に去られて、そのあとカラダを売ってたスーに恋するが、売春で摘発され行方不明に。2011年にも彼女が出来たが、2015年に別れ2020年に至る。
逆に観ていくのは頭の体操になるな、って思った。
森山未來が21歳から46歳までを演じてるが、その歳相応に見えるいい演技だった。
最初の彼女を伊藤沙莉が演じ、次がSUMIRE、最後が大島優子だが、SUMIREが1番綺麗だった。
伊藤沙莉がセックスシーンでトップレスのヌードを披露してるのは一皮剥けたのかな。良いと思った。
大人に…
テレビ番組のテロップや再現CGを製作する会社で働く46歳の男の恋愛や仕事や友人との今までの話。
2020年新宿から始まり、2015年から大凡高校を卒業したぐらいの1995年までの出来事をみせていく。
今の主人公があるのは、こんな過去の積み重ねがあったからという意味合いでみせる程のエピソードが、現在のパートにある訳でもなく、ただ、ある一人の男の想い出話を淡々と過去へ過去へとさかのぼって行く展開という感じ。
クウキカン自体はまったり気味なんだけど、長い期間をみせるのもあってか、テンポが良過ぎるんじゃないかと言うほどに、どんどん進んで行くし、間や演技力のおかげかつまらなくはないのだけれど、終わってみたらふ~ん…で、何なんだろう?46歳の男なんて多くはこの程度の「大人」でしょう…という印象ぐらいしか残らなかった。
恐らくコロナ禍の深夜なんだろうけど、車も人も殆どいない新宿通りがちょっと寂しい。
昔の恋をグチグチ考えるという男の特殊能力発動
原作は読了済。
昔読んだ「ハイ・フィデリティ」という小説(後に映画にもなった)が好きだ。昔の彼女たちに会いに行って、自分のどこがダメだったのか教えてもらうって、男のダメなところが凝縮された物語だと思う。そう、男って昔の彼女たちを思い出し、あのときああしてたらどうなっていたかなとか、なんでダメになったのかななんてことをグチグチ考える特殊能力を持っている(一部の男だけかもしれないけど)。
本作はまさにそんな話。原作では当時のサブカルの話題がてんこ盛りだったが、映像化するとサブカルの描写は控えめ。でも、時代感を表現することへのこだわりは感じる。当時を生きた人たちはそれを楽しむ方法もある。サブカルに馴染みがあればなおさら。
なぜフラレたのか今一つハッキリしない(あれで?との思いがある)からこそやたらと引きずってしまうのかね。いや、若いときの情熱って若くないと持てないものだから余計に眩しく見えてしまうのかも。
自分とダブるところもあれば、こんなにウジウジしないよ!と思うところもある。情けないやつだなと思いながらも、なんか嫌いにはなれない。ちゃんと恋は終わらせないとダメだよな。
森山未来さんの一人舞台
甘酸っぱくほろ苦い記憶〜キミがボクを好き‥?
テレビの美術制作会社で働く主人公佐藤誠を、森山未來さんが繊細でナチュラルな演技で魅せる。等身大の主人公の姿に、多くの人が何かしら共感を覚えるのでは…。
主人公の忘れられない恋人かおりを、伊藤沙莉さんが瑞々しく圧倒的な透明感で演じる。
主人公の友人の一人賢太を演じた東出昌大さん。こんな役柄も似合いますね。
恋のときめき、胸の鼓動がこちらにも伝わってくるような初々しい二人(伊藤沙莉さんキュートでした)、走馬灯のように浮かぶ眩しい程のあの頃の記憶、TOKYOの街並み…ノスタルジックな余韻が残る作品でした。
映画館での鑑賞
森山未來が圧巻です!
森山未來が、21歳くらいから46歳までを違和感なく演じている。改めて彼の演技力の高さに脱帽です。
女性なら化粧などで変化をつけられるけれど、彼は衣装(若い時の冴えない感じ、でもあの頃いたよな的な。それから徐々に垢抜けていき、最後は目黒に住むお洒落な中年に。衣装さんも頑張ってました)や髪型、何より演技(若い頃はお宅っぽく自信なさげ、中盤は業界に染まりイケイケで会社に不満だらけ、後半は後輩思いやる上司)で、25年間をナチュラルに演じきっていた。
世代的にも仕事的にもシンパシーを感じ、時代設定や登場人物のキャラクターにも凄くアルアル!
携帯がない頃の、なんか切ない公衆電話のチャリンとお金が落ちる音、郵便ポスト開けるときのワクワク感を久しぶりに思い出した。今じゃ考えられないほど残業して、屋台のラーメンにかぶりつくとか、夜中のタクシーからみる都会の夜景とか、あの頃の友人や恋人諸々…。
世代や都会暮らしをしてこなかった方には共感薄いかもしれないし、派手なストーリー展開もないので、見る人によっては感じ方が違うかも。
最近の映画で現在を表現するときに、マスクをつけていたり街のコロナ禍の場面が出てきたりしても、取ってつけたような違和感があったのだけど、本作はすんなり受け入れられた。
いま自分に起きている事はいつも初めて。
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