孤狼の血 LEVEL2のレビュー・感想・評価
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こってり東映定食
見ている自分の命が削られる
凄いものを見てしまった。『仁義なき戦い』
風のナレーション、インサートされるニュース風解説も完全なオマージュなんだけれども、この作品を見た後では、『仁義なき戦い』がお伽話にしか感じなくなる。
鈴木亮平演じる上林がやばすぎるでしょう。もみあげを刈り込んだその上に鎮座するエルフ耳の怖いこと。無慈悲で残虐な所業をスクリーンで見せつけられて、自分の命が削られたと思う。ここまで役作りした鈴木亮平のメンタルが心配になる。
前作では、青臭い新米刑事だった日岡が、見た目も振る舞いもしっかり大上の跡を継いでいる。パート2の主役が松坂桃李に務まるのかちょっと心配だったんだけど、完全に杞憂だったね。鈴木亮平との顔圧勝負は一歩も引いていなかった。
スケールアップしたマル暴デカ日岡の相棒になったのは、定年前でのんびりしたヒラ刑事の瀬島。この役を中村 梅雀が演じるだけど、いろんな意味で上手すぎる。しかも奥さん役は、宮崎美子。絶妙なバディ(相棒)が誕生して中盤が俄然盛り上がる。これ自体が伏線になっているなんて、ホント上手いよ。
村上虹郎も光ってたね。ヤクザ映画では、チンピラの運命は、儚いって相場が決まっているんだけど、必死に運命に抗う感じがすごく伝わってきて、泣いちゃったよ。
凄すぎて、2回目を見る勇気が湧かない。
久々に面白かった
孤狼二代目vs狂犬
役者陣には星4つ。制作サイドには星2つ。
圧倒的な迫力に怖さを感じる
待ち望んでいた「孤狼の血」続編。昭和から平成に変わる広島の架空都市を舞台に繰り広げる暴力団抗争。内容的には前作の方が面白かったのも事実ですが今回は何と言ってもモンスター役を演じた鈴木亮平に脱帽。圧倒的な迫力に怖さを感じるほど素晴らしい演技でした。
2021-114
前作知らなくても大丈夫
地場産業じゃけぇ。
イヤ、映画撮影地の話です。ヤクザが地場産業、って言ってるわけではありません。最近、広島での映画撮影が盛んです。るろ剣が江田島。ドライブマイカーも呉と広島らしいし、未だ見てないけど。虎狼の血は、ガンガンです。
え?海田ですやん、これ。五十子会総本部は、日野自動車さんの保養施設らしいんですが。どっから見ても「組長宅」にしか見えねー!って事で、ここらでは有名な建物です。中村梅雀さんが千鳥足で歩いてた、と言うか、西野七瀬さんが速足で歩き入った路地は、宇品5丁目の電停前だし。鈴木亮平が食ってた焼き肉屋さんから見上げる団地は、基町県営住宅。焼肉屋さんは基町のショッピングセンター、入った事ないけど。あと、県警は県庁東庁舎。ヤクザのフロント企業って事になってた高層ビルは折り鶴タワー。ビヤガーデンは、多分、呉の中通り界隈のビル。西野七瀬が住んでた公営住宅は、広中新開とのタレコミあり。この公営住宅付近の弁天橋で撮影部隊が目撃されてるらしいんで。海猿の舞台として知られる海上保安大学校も撮影場所になったとか。どのシーン?って思い出してるんですが、多分クライマックスの激突シーンですね。あれ、海保の敷地内の埠頭だと思います。
とにかく。
前作の成功から、何もかもを正当に引き継いだ拡大再生産のお手本のような映画。全キャストが「力、出し切りました!」感があって、役者さんの暑苦しさに圧倒されてしまいました。西野七瀬さんが、ちょっと微妙っちゃー微妙なシーンもあったけど。チンタの葬儀場面とか。でも、広島弁が一番シックリ来てたのは彼女でした。あと、なんと言っても可愛いw
ストリー的にも、潜入スパイのスリルありーの、どんでん返しありーの、一騎討ありーの、グロありーの、トラウマありーの、在日韓国人の悲哀ありーので、もう盛沢山。梅雀師匠には、「してヤラレター!」だったけど。と言うか、あそこで「そう来なくっちゃ!」とニヤケテしまったのは私です。だってですよ。公安に好々爺とか居なさそうじゃないですかw
エピローグの、あの場面で、狼の姿なんか見せなくても良いじゃん!ってのは思いました。けど、江口洋介っつー爆弾が網走から帰って来るんでしょうから、そのうち。3もやるよ!って事で。虎狼の血は吠え続けるんでぇ。なんでしょうかね?
面白かった。興奮したし、昭和の「ヤクザ映画」をたっぷりと堪能させて頂きました。
良かった。とっても。
最高。最高の映画。あと2回は観に行きたい。
広島弁聞にくいのぅ
前作から3年後、日岡が広島のヤクザたちを裏で仕切っているところに、出所してきた超凶悪サイコパス上林がその秩序を次々と壊していく話。
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昔風の東映に始まり、『仁義なき戦い』風のナレーションや映像のトーンでちゃんとヤクザ映画の要素を受け継ぎながらも、本作ヤクザ×猟奇的殺人鬼×アクション×刑事モノを組み合わせることで新しいヤクザエンタメになってる。
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特に最後上林組と尾谷組の抗争かと思いきや、上林と日岡のカーアクションが始まるのなんて、ちゃんとエンタメとして見応えある。邦画の伝統芸能ヤクザ映画を『ヤクザと家族』『すばらしき世界』とはまた違った形で現代に引き継いでいるのが良い。
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ヤクザの治安の悪さも健全だけど前作に比べたら比較的おとなしめ。吉田鋼太郎さん演じる渡船もちょっと間抜けそうだし、上林なんてヤクザだから怖いというより普通にサイコパスで怖い。なのでヤクザ映画に馴染みながなくても見やすいんじゃないかな。
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あと尾谷組がヤクザの風貌だけどとっても色気のあるヤクザでこれも私的に新鮮だった。髭モジャだけど斎藤工さんの声は色気ありまくりだし、早乙女太一さんも元々女形やってて色気のある方だと思うし。
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1番好きだったシーンは上林が子供の時に両親を殺したシーン。背景に原爆ドームが頭をのぞかせてることで、戦後の在日韓国人の苦しい立場が想像できて良い。
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ストーリーそんなに難しくないし、ナレーションで説明してくれるから問題ないんだけど、広島弁で4割何言ってるかわからなかった(笑)
秀作。観て損はない。但し、残虐場面多し。
基本、私はこの手の映画はめったに観ない。
殺人、大量流血、残虐場面が生理的受け付けないからだ。私が映画鑑賞の目安とする日経新聞金曜日夕刊の映画評で、ある学者が今年有数の映画と評価しているので鑑賞する気になった。
R15指定でそれなりに覚悟はしていたか、案の上スクリーンから目を背けたり、薄目にする場面が多々ある。嫌いな人は観ない方がいい。但し、観て損はなく、最後まで緊張感を持って運ばせてくれます。
主演の二人、松坂桃李と鈴木亮平は好演で褒めてあげたい。松坂は強い面と弱い面と演じて人間らしさを感じます。惜しむらくは、体格がちょっと細い。鈴木と対峙すると目劣りがする。鈴木はその体格を活かして怪物を好演しています。但し、脚本、監督に問題ありです。何故、こんな殺人鬼が生まれたか。そこが詳しく描かれていない。在日韓国人で父親から虐待を受けていただけでは、こんな人物は生まれない。説得力がないから只の殺人鬼で実在感がない。
その点、黒澤明監督は優れていました。だから、鈴木亮平が可哀想です。監督、脚本家の責任です。
細かい欠点がいくつかあります。まず、看守の妹が殺人鬼によって目を潰され殺されます。ところがあとで、殺人鬼によって犯され体内に性液があったと報じられます。すると、犯され、暴行を受け目をつぶされ殺される順序になります。
また、殺人鬼は刑務所でリンチに再三あっています。すると、歯の2、3本欠けていなければなりません。殺人鬼がシャブを打つのもおかしい。ヤクザがミイラ取りになってしまう。それと殺人鬼は、子分に警察のスパイがいると疑う。それほど頭の切れる人物なら、それらしきシーンを入れなければ説得力がない。その他にもありますが、全部監督の責任です。だから、星4つです。途中から県警上部が絡んでいると読んだら、その通りでした。ここも、ありきたりで点を一つ上げられない理由です。もし、殺人鬼或いは警察のスパイが、日本人の被差別部落出身者にしたら、どうでしょう。娯楽映画だから、無理か。良作には違いありません。
世界よ、これが日本のヤクザ映画じゃ!!
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