劇場公開日 2021年8月20日

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「全身に漲る緊張感とアドレナリン!」孤狼の血 LEVEL2 さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全身に漲る緊張感とアドレナリン!

2021年8月20日
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「何もかも、ぶっ壊れりゃえぇんじゃ!」
言葉通り、ぶっ壊れてるくらい狂気さと派手さが出ていて終盤はアドレナリン全開でした!

前作から映画ファンに衝撃を与えた柚月裕子原作の小説孤狼の血の続編。
前作の主人公大上を引き継いだ日岡が主人公となり、尾谷組と五十子会の抗争を丸く納めていた所、鈴木亮平演じる上林が出所したことによって巻き起こるストーリー。

前作が警察やヤクザの心理戦とヤクザ組織の恐ろしさを描いていたのに対し、今作はヤクザ組織というより一人の凶悪なヤクザによる緊張感とそれに立ち向かう日岡の攻防をド派手なシーンと役者陣の名演技で描ききった作品だと思います。

何と言っても、上林を演じた鈴木亮平。
観た皆さんほとんどが言っていますが、とにかくヤバいです!!
上林はとにかく行動が外道中の外道であり、終始緊張感が漂う狂気さと最後まで自分の信念を貫く純粋さを持った興味深いキャラクター性であり、その上林を演じた彼は間違いなく映画史に残る怪演でした!

鈴木亮平の名演技に隠れがちですが、松坂桃李も充分に良かったです。
大上を彷彿とさせるアウトローな格好や言動、捜査方法等で変貌してるかに思えて所々前作の日岡らしさを果敢みる場面もあります。
そのアウトローで狂暴な部分と時折青臭さの残る演技が違和感なく演じていたと思います。

ちなみに元乃木坂46の西野七瀬がスナックのママ役を演じていましたが、正直言うと観る前で一番心配な要素でした。
彼女の演技を観たことがなく、アイドルとしての姿しか観たことがなかったので大人な演技が出来るか不安でした。
ですが、想像してたよりもだいぶ良かったです。
ヤクザ達にもの応じない姿勢と芯の強さ、広島弁の台詞回しがわりと自然でした。
泣きの演技の時だけわざとらしさはありましたが、それさえ良くなれば今後女優としてかなり活躍出来る気がします。

そして、ラストのバトルシーンは本当に圧巻の一言です!!
狂暴でアウトローな鈴木亮平と松坂桃李とのバトルは近年の日本映画においてはなかなか観られないほど迫力満天でアドレナリンが全身からみなぎるほどテンションが上がりました!

あと前作もそうですが、個人的に銃声音が凄く好きです。
ドラマや他のアクション映画でありがちな安っぽい軽いショット音ではなくて銃弾を撃つ重みや怖さを感じる音なので、凄く良い意味で緊張感が増します。

ただ前作と比べてド派手な分、やはり組織の関係性が濃くなかったり、登場人物が辿る展開の雑さが出てしまっていたと思いますし、突っ込みどころも何個か目立ちました。

あとR15指定なのだからもう少し襲撃シーンに血みどろ加減を加えて良かったと思います。
特に、銃撃シーンは撃たれた人の方を映さなかったりしたのでそこを映すとショッキングに見せれたと思います。

今回は、前作で少し物足りなく感じたド派手なシーンが今回は一部に存分に演出していて爽快だったのに対し、前作のヤクザ同士の攻防や警察の駆け引きが少し薄れてしまい、突っ込みどころも増えたようにも感じます。
ただ、感想をまとめると全体的な満足度は前作と同じくらいでした。

ちなみに、アナウンサーの有働さんがラジオニュースの報道していたり、原作の柚月裕子氏がスナックのママで 役でカメオ出演してたのがビックリしました(笑)
しかも二人ともめっちゃ似合ってるし(笑)

さうすぽー。