劇場公開日 2021年8月20日

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「時代遅れの娯楽作品」孤狼の血 LEVEL2 takfさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代遅れの娯楽作品

2021年7月20日
iPhoneアプリから投稿

今時こんな何のひねりも無いコテコテのヤクザ映画がビッグバジェットで作られるなんて、日本がまだまだ平和な証拠である。
無駄にえげつない暴力描写により一般大衆受けを放棄している点も好感が持てる。

役者陣は前作に比べるとスケールダウンが否めないものの、鈴木亮平の外道ぶりはハマっているし、脇を固める面々も良い味を出している。
特に吉田鋼太郎、音尾琢真はシリアスに寄りすぎないように絶妙な緩衝材として機能していた。
数少ない女性キャラの方々もそれぞれ印象的で存在感があった。
(そういえば斎藤工はどこにいったのか、いつの間にか消えていたような、、見落としだろうか。)

もはやヤクザ弁とも言える微妙に関西弁が混ざる広島弁や、県民をニヤリとさせる広島小ネタなど、ツボを押さえているのでストーリーはバカで問題無い。
むしろ小賢しいプロットは雑音なだけである。
だからこそ、ラストの展開はいただけない。
やりたいことは分かるが冗長に感じるしキレが悪く全体のテンポとも合っていない。
前作は切れ味抜群の終わり方であっただけに唯一残念なところである。

本作のように、人にオススメしにくい正に孤狼のような映画がいつまで作り続けられるのか疑問だが、出来ればスケールを落とすことなく続編が制作されることを期待したい。
前作を楽しめた人であれば観て損は無いだろう。

MACD