劇場公開日 2021年9月17日

「職業意識の異なる異色バディ」マスカレード・ナイト みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0職業意識の異なる異色バディ

2022年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の醍醐味を十分に味わうことのできる見応えのある作品である。本格的サスペンスでありながら、エンタメの要素もたっぷり盛り込んでいるので、2時間強の長尺でも間延びしたところはない。メインキャストの木村拓哉と長澤まさみの丁々発止のやり取り、衝突を繰り返しながらも、協力して犯人に迫っていくプロセスの塩梅が絶妙である。バランスが非常に良い。二人は完全に役を掴み切っている。はまり役になっている。二人以外には考えられない役になっている。

本作の舞台はホテル・コルテシア東京。数日前に発生した殺人事件の犯人が大晦日にホテルで開催される500人規模のカウントダウン仮装パーティーに現れるという密告文が警視庁に届く。型破りな刑事・新田浩介(木村拓哉)はフロントクラークに扮してホテルに潜入し、優秀なホテルマン・山岸直美(長澤まさみ)と意見衝突しながらも協力して、仮装パーティーに紛れ込んだ犯人を暴き出していく・・・。

本作は殆どホテルが舞台であり、豪華ホテルで繰り広げられる物語は舞台劇を観ているような雰囲気がある。このホテルを訪れる登場人物達は夫々に訳ありで、怪しい。犯人としての雰囲気を醸し出している。登場人物達を演じる豪華俳優陣達の熟練の個性的な演技の競演が見どころになっている。

新田と山岸の異色バディが本作の売りである。犯人逮捕最優先の新田とお客様第一主義の山岸では職業意識が正反対で意見の食い違いが多い。本来なら二人のバディは成立しない。しかし、刑事は市民を守るために犯人を逮捕する。ホテルマンはお客様の快適安心安全のために最善を尽くす。人のためというのが二人の職業意識の唯一の共通点であり、二人が異色のバディを組めた理由になっている。

終盤、様々な謎は一気に究明されていく。急ぎ足になった感はあるが、脇を固める演者達の演技力が奏功して迫力がある。

本作は、映画は楽しむものであることを教えてくれる作品である。

みかずき
りあのさんのコメント
2022年5月18日

はじめまして、みかずきさん。
たくさんの共感とコメントありがとうございます。
映画レビューを10年近く続けられてるんですね。凄いことです。
私も映画は昔から好きで、ここのレビューなどを参考に観る作品を選んでたので、登録もせず眺めてた時期が長かったんです。
自分が観た作品の備忘録代わりに書いておこうかと思い出したのが2年くらい前だったかと思います。観賞日がわかるものだけアップしたので、にわかレビューアーです。引き続きよろしくお願いします。

りあの