「キャラものへシフト」マスカレード・ナイト コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
キャラものへシフト
構成・脚本が上手いと唸った前作よりも、良かったです。
新田(木村拓哉)と山岸(長澤まさみ)が、互いの仕事の姿勢に対して理解を深めて、リスペクトしあう関係性になっていたのが、物語の推進力になっていて観やすかった。
また、前作にあった「テレビスペシャル」っぽい安っぽさの問題点も、比較すればかなりクリアされていて。
特にホテルのCGが自然な感じに仕上がっていて、クオリティアップ。
前作同様にショートエピソードは多かったものの、メインの事件に集約していく爽快感もあるし、脇の豪華配役が主張しすぎず、かくし芸大会っぽさが抑えられていたのも評価アップ。
ミステリー映画の場合、犯人が誰かが「豪華な配役」で登場した瞬間にわかる欠点が普通はあるのだが、本作の場合は豪華配役がカモフラージュとして効果的に機能していました。
ただし、前作を観ていないとキャラの関係性を理解しにくいのが難。
それと、犯人の動機にいまひとつリアリティがないのだが、これは原作由来で仕方ないかと。
あとは、シリーズものにありがちな傾向ですが、かなりキャラものへシフトしたともいえるので、キムタクの演技への好み(特に拒絶感の有無)が、本作の好き嫌いに直結しやすそうとも思いました。
原作小説の二作目は、新田と山岸の個別の過去を紹介する短編集だったんで、映画になるのはこの三作目で納得ではありました。
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