映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021のレビュー・感想・評価
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ドラコルル長官が出色
本来、2021年に公開予定だったので、偶然にも世界情勢をリンクする部分が出てしまったが、内容そのものは1985年版や漫画原作と大きく変わっていない。内容が変わっていないにもかかわらず、37年たっても世界情勢と重なるのは、原作の先見性というより、世界の根本は変わっていないということの現れだろうか。
この作品は、独裁者との対決を描くが、悪役のドラコルル長官は非常に優秀なのが物語を面白くしている。ひみつ道具持ちのドラえもんを知略で上回り、完全勝利目前まで追い詰めている。しかも、部下の命も人質の命も無碍に扱わない人道的な配慮もできるキャラクターで、民主的な国では大変に優秀な人材として活躍するだろう。
1985年版と比べると、独裁者のギルモアは一層駄目な奴に、民衆は一層勇敢に描かれている。ドラえもんたちのような外部の力で国を取り戻すのではなく、あくまで民衆が立ち上がることが大切としているのも今の情勢と重なる。
それにしても、あんな豪華なミニチュアセットを作れるスネ夫たちはすごい。
1985年版を知るからこそ際立つ、メッセージの普遍性
劇場版「ドラえもん」41作目。何気なく書いているが、長編映画41作目という事実に驚きを禁じ得ない。作品は、1985年に劇場版6作目として公開された「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ)」をリメイクしたもの。今回、新キャラクターが加わったりもしているが、内容に大きな変更点はなく、作り手たちが子どもたちに伝えたいメッセージの普遍性にも驚かされる。大人が鑑賞しても十分に楽しめる作品といってよいだろう。
これまでの映画ドラえもん史上、かなり出来が良く、まさに「いま見ておきたい作品」でもある。
まず本作は1985年3月に公開された名作「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」のリメイク作品なのでベースの物語が良く出来ています。
しかも、作画も最高峰に凝っていて、冒頭の「ミニチュアによる特撮シーン」からセンスが良いです。出木杉君が行う爆発シーンの撮り方など、まさに特撮そのもので、いろんな発見があると思います。
ちなみに、この「ミニチュアによる特撮シーン」は「STAND BY ME ドラえもん」の白組とのコラボで実際にミニチュアを作っていて、それを2Dアニメーションに上手く合成させる手法を取っています。
物語自体も1985年版の「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」を進化させていますし、最後まで安定して面白く、良い作品になっていると感じました。
強いてダメ出しをすると、中盤に流れる曲が私には少しピンときませんでした。何かを流すのであれば1985年版の武田鉄矢の「少年期」を使っていたら、より良かったと思いました。
また、ゲスト声優の関係なのか、一人だけ声のトーンが違うようなシーンがあったりもしましたが、この辺りはご愛嬌という感じでそれほど気にはなりませんでした。
テーマ曲のOfficial髭男dism「Universe」も良かったですし、今年は全体的に出来の良い当たり作品でした。
本作はピリカ星という惑星での物語でしたが、現在の世相とも一致し、いま見ておきたい作品にもなっていると思います。
戦争と平和に対するメッセージが込められてるのか?
スターウォーズってタイトルだから仕方ないとは思うが、シリーズを経て秘密道具を使っての戦争ごっこ慣れしたのかジャイアンやスネ夫も秘密道具があれば、簡単にやっつけられると思っており、好戦的な様子に描かれる。
かといってホント戦争となると恐ろしくなるスネ夫も見られたりする。
でもスモールライト、取り返すの取り寄せバックでよくね?とか思ったり(笑)
ガリバートンネルで大きくなれないとか?
こんな事考える大人ってダメだね…
素直な心で楽しめる人が観るべきかな。
敵の長官ドラコルルさんが政治的、人道的に優れた人物でこっちがクーデター起こしたら勝つんじゃない?と思うほど優秀。
チートなドラえもんの道具を考察し、知略策略を持って捕らえようとする。
硬い戦車に電磁パルス攻撃を仕掛けるなど、賢い。
しかも「殺すな撃つな」と配下を制止したりもしている。
ギルモアに対する態度も落胆した様子を見せており、いづれは反旗を翻すか粛清されそうな…。
しかも敗けを認める潔さ、配下の助命を乞えるなど現場の指揮官としてはドラえもん映画屈指の人物である(笑)
対するギルモアは件の香川照之を声優に起用したけれど、香川照之である必要は全くないような存在感のなさだった。
あとパピが大統領なので大人の政治的な判断もある為に観ている児童(幼児)にも判りやすいよう説明的になりやすいシーンが多い
まぁこの位なら気にはならないだろう。
民衆も銃を構える兵士をものともせずに突っ込んでいくなど今の日本人じゃやりそうもない事をガンガンやるので、今の日本人ってこんなに怒れるかな?と心配にはなる
上記書いたが普通に観られるドラえもん映画であるとは思う。
あと個人的に考えた事で少子高齢化を謳うニュースを殆どの人が認識していると思うが、本来ドラえもんを観る対象である子どもが減っているこの状況は深刻。
【独白】
小学館が毎年新一年生を対象に保育園や幼稚園に働きかけて【入学おめでとう大会】みたいなのを地方でやっていた。参加者は新入学を控えた子どもとその親。仕事で何回も参加したが入場券と連動した番号で豪華な景品をくれていた。自分が参加し始めた20年前は図鑑を一揃いみたいな感じでくれていたのだが、次第に図鑑を一冊とかになっていた。
【入学おめでとう大会】の内容も交通安全教室は毎回付いてて、県警の交通安全指導の方々が面白おかしい寸劇で子どもに判りやすい説明をしていた。
後は年毎に変わるが、子どもの習い事(バレエ教室のお披露目ダンスとか)親がさせてみたい習い事の紹介があったりした。
小学館が作った小学校での物事をドラえもんが紹介する映像(当時はフィルム)で「小学校ってこんな所だよ」と見せるなどもしていたが、1月にやる行事だったため、春に公開するコナンくん、夏に公開するポケモンやクレヨンしんちゃんなどの予告編を見せるなど宣伝の側面が強くなっていった。
今はまだやっているのだろうか?
商業的な原理から言えば、子どもが少ないとなると金額を上げなければ、今後儲ける事はできないのでないかな…。
駆逐してやる
オリジナル版はどことなく嫌悪感さえ覚えてしまったけど、今リメイクはかなりオブラートに包んだようなユルさがあった。逆にそれが子供ウケもよさそうな雰囲気だったし、最後の自由同盟の市民達が立ち上がるところは見事。
ある意味、スネ夫の主張は正しい。怖じ気づいて弱気になっていると取るより、他国の戦争に関わりたくないことを静かにアジテートしていた。ギルモア軍の兵器が無人機だとわかるところや、人は傷つけないことも優しさの表れであり、嫌戦感もあった。これもスモールライト奪還や仲間を助けることにテーマが移行していたおかげだろうなぁ。
犬のロコロコの声優は『進撃の巨人』におけるエレン・イェーガーだけど、巨人が現われたときにギャグをかましてほしかったところ。
旧と比べるのは悪いとは思うけど…
面白かった。が
旧ではスネ夫が一貫して「戦争は怖い」という行動だったのが変わっていて、後のしずかちゃんを助けるシーンのメリハリというか緩急がなくスネ夫の折角の見せ場が半減…
道具やら、全体的にそれいる…?という説明があって笑ってしまった。
戦争を柔らかくしたのは教育の観点からなのか、
旧作はもう少し戦争、独裁者の恐ろしさが描かれていたので宇宙小戦争という名前がぴったりだと思うが、
新作は宇宙小戦争というにはあまりにも戦争に対して緩い気がした。
独裁者が支配する悲惨な戦争中(まして大都市)に某Mドナルドでバイトするか…?
ロコロコの鬱陶しいおしゃべりも大事な笑いシーンとキャラだったのに半減どころかほぼ消えてて悲しい。
特に良かった点
詳しくないがSFがカッコよかった。宇宙船での戦闘シーンは旧よりしっかりしていてカッコよかった。監督脚本さん両方その畑出身みたいなので力を入れたであろうシーンは詳しくなくともびっくりでした!
ただ背景や戦闘シーンが綺麗すぎてドラえもんたちの絵がチープなのが目立って気になりました
超個人的には
武田鉄矢の歌が恋しい…
子供騙し
久しぶりに
正当に進化したリメイク作品だけど、時代に翻弄された感もある一作。
本来ならば2021年3月公開予定だった本作。新型コロナウイルスの感染拡大状況を受けて公開を約一年延期、そしてようやく公開にこぎ着けたかと思ったらロシアによるウクライナ侵攻が発生してしまいました。非常に不幸な偶然により、「戦争」をタイトルに関した本作は、図らずしも時代を象徴する作品となってしまいました。
1985年版と本作では、物語の主筋は大きな変更はないものの、いくつかの要素が現代の価値観に合わせてアップデートされています。例えば映画版の定番とも言えるしずかちゃんの入浴シーンは、シーンとしては残ってはいるものの、単なる男性観客のためのサービスショットとして使うのではなく、状況に必然性を持たせるなど、映画版『ドラえもん』が引き継いできた要素をできるだけ残しつつ、価値観の刷新を図るという製作側の努力を垣間見ることができます。
本作でのび太達が救いの手を差延べるピリカ星の大統領、パピは、若いが聡明な統治者である点は旧作と共通しているものの、新たに彼の姉、ピイナが加わることで、パピの葛藤、弱さを過度に情緒的にならず描くことができています。こういった脚色の仕方は、長年『ドラえもん』を制作し続けてきた脚本陣が蓄積してきた知見のたまものでしょう。
悪役のギルモアはずいぶんオーバーアクトだなぁ、と思っていましたが、声優を知って納得。もっと顔芸が細かかったら最高!
心に残る良作です
3歳の子どもが、見たいと言っていたことから、付き合い程度で見ましたが、余韻がかなり残っており、思わずレビューを書いています
旧作は動画配信サービスで流していたのですが、やはり現代のアニメはすごいですね、とてもよく動くし、カットも素晴らしかった。そして、響く箇所もたくさん。
大人の私は、よその星の戦争に首を突っ込むのは問題じゃなかと思い、でももしも私が子どもだったら、友達のために少しでも何かをしてあげたいと思うのは当然なんじゃないか、勇気を持って立ち上がるそんな勇気のある子どもになりたかったはずです
スネ夫以外のみんなは(ドラえもんですら)、その思いが強くてどんどん前に進んでいきますが、スネ夫の戦争に行きたくないっていう、一人だけの置いてけぼりの気持ち当然なことで、それでもスネ夫は、仲間のため宇宙の彼方までついて行くという行動力は、とても勇気のあることだと思います
戦争なんてなければそれがいいに決まってます。でも所詮それは理想で、戦争っていつも大人が勝手にやり始めて、巻き込まれるのは子ども。決して目を逸らすことはできません。
戦うことは必要なことで、放棄するべきではない。二度と戦争を独裁を許さない、そんな強い思いこそが、戦争を無くし、もしものときに強い力を発揮するのではないでしょうか
家族で見に行って、感動したし、子どもに戦争を経験させてはいけないなと改めて感じる映画です
初めて観る人向け
1985版のダークなイメージは薄れ全体的に明るい進行なので、特に近年のドラ映画を見ている人には違和感なく入り込めるようになっている。
1985年版は市販のラジコンに乗り込んで戦うという点で夢のある設定だったが、現代ではラジコン人気も下火で史実的な戦車の登場にもハードルがあったのか、かなりSFっぽいデザインに落ち着いている。主題歌の内容も含め割と大人向けだった1985年版からするときちんと現代の子供に合わせたつくりともいえる。
逆に少しドライとも思えるほど隙のない天才という感じだったパピは、強さや勇敢さと同じくらい危うさと弱さがより丁寧に描写されており、彼ののび太たちへの深い感謝と信頼がよく伝わってくる。
また、1985年版から変わらず敵のドラコルルが異常に有能なので「小人の星」というハンデにもかかわらずかなりスリリングな内容。純粋に初見の子供たちこそ楽しめる作品だと思う。
原作レイプ
引っ越し先の家はインフラがダミーだった
よその惑星から地球に逃れてきた少年パピの要請のもと、
のび太たちがその星の民を助け、権力の座につこうとする悪人を倒そうとする話。
なお、こども向けの作品なので、機体がいくつ撃墜されようとも死傷者数は0である。
この数字はロシアウクライナ問題などが、心の平和型濾過装置を通過した際の近似値であるとも言える。
良い点
・パピの声
・実力次第で学位を取れる制度
・ドラえもんの所々の悪態
・ロコのテンション
・敵もなかなか頭がよい
・出木杉に自慢
・ED曲は良さげか
悪い点
・一部の露骨な棒キャストのせいでシーンや作品が台無しになっている。(防衛軍のキャラ)
それを許す監督側も愚かなのであるが…キャストが知られていない100年後でも演出として価値があるのか考えると良い。
・パピの姉の声もギリギリ
・勢力の設定などがやや重荷
・道具のスペアを用意しておかないせい
・タイムマシンは使えないのか
・道具をやたら小出し
・何がどう「へんぴ」なのだろうか
・ロコが犬型設定であるべき理由。
・パピとロコと名前が逆のほうが雰囲気に合うかもしれない。
・景色スポットが単に高い所
・敵に「つけられた」わけではない
・EDの映像が単なるリプレイ
長くない?
(途中ネタバレ含みます)
ドラえもんの劇場作品は、第1作目の「のび太の恐竜」以来。
40年ぶりにドラムービーに参戦した。
1986年の「リトル・スターウォーズ」も観ていないので、比較できないのは申し訳ないが、前作もこういうお話で好評だったということでしょうか。
ビリカ星の人々が、比較的民主的に解決を模索しているのに、ドラえもんチームは必要異常に好戦的。
「戦いなんかに参加したくない」と膝を抱えるスネ夫を、「女の子のしずかちゃんが戦っているのに…」という性的な逆差別と同調圧力で戦場へ駆り出していく。
最後もドラえもんたちが「デカくなっちまえばこっちのもの」って感じで敵を蹴散らして収束していくのは、圧倒的な力の前では無力という、本来この話の問題そのものに見えるし。
敵も現代の作品としてはものすごくステレオタイプな典型的悪役で、魅力に欠ける。
まあその辺り、ファミリームービーに対しては嫌味な見方だとは思うので置いておくとしても、やはり物語がすごく平坦で、驚きも裏切りもほとんどないのに、全部で約2時間ってのは…。
座っているのが正直辛かった。
あと、しずかちゃんとお姉さんが似てるっていうのは、なんか物語上の意味があったのかな。
確かにパピはしずかちゃんに惹かれてる感じがあったけど、それがお姉さんに似てるからっていうのは、「だから何よ?」って感じ。
最後までうまく飲み込めない(飲み込もうとするとどこかで引っ掛かる)作品でした。
前作が50周年記念でかなり気合の入ったものだったので今年はどうかな...
まあまあかな
いつものドラえもん
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