「いいんです、これで」映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ snazupさんの映画レビュー(感想・評価)
いいんです、これで
ちびっ子たちに混じり鑑賞してまいりました。
前作の心抉られるような展開に涙が止まらなかったという記憶もあったので、少し覚悟していました。
結果、今作はそれほどでもなくほっとするようなどこか物足りなさも感じるような。
ですがいいんです、これで。
むしろ今作の方がすみっコぐらしの世界観をより実感できるような気がしました。
すみっコぐらしといえばキャラクターそれぞれが控えめで不器用で健気な夢を持っているところに魅力があります。
そして今作はそのすみっコたちの夢がテーマ。
皆それぞれお母さんと暮らしたいとか暖かいところで暮らしたいとか食べられたいとか、なんともいじらしくて一途な夢を抱いて生きている。いざその夢が叶うかもしれないという展開になったら、ファンとしては是非とも叶えてやってくれと言いたくなる一方、我々が愛してやまないすみっコたちのアイデンティティが失われてしまう。
結局、不器用ながらも一生懸命生きるすみっコたちだから彼らが大好きなのです。太っているとか自信がないとか通常欠点になってしまうところすら無いと物足りないと思わせるあたり、今作がいかにすみッコイズムを大切にしているか。切なさもありながらすごく暖かい気持ちになりました。
最後エンドロールを見て、大森監督始め夏目友人帳のスタッフの方がちらほら見受けられなんとなく納得でした。あの原作をどこまでも尊重しながら優しいちょっと切ない世界観を出す感じ、夏目が好きな方にももしかしたら刺さるかもしれません。
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