劇場公開日 2021年8月20日

  • 予告編を見る

「傷ついた人ほど心が動かされる映画」ドライブ・マイ・カー hiroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5傷ついた人ほど心が動かされる映画

2022年10月26日
iPhoneアプリから投稿

悲しみが積み重なる、雪がしんしん積もっていくような、大人の映画。

不倫されたショックと、それを隠して普段通りの生活を進めようとする主人公。

妻が亡くなってから、自分の気持ちに正直であれば良かったと後悔する。

自分のせいで死んでしまった、殺してしまったという気持ち。

それは自分だけではない。

大切な自分の車を代わりに運転してくれる若い女性のドライバー。

彼女の運転技術は、悲しい環境が与えてくれたもの。

母親の虐待を受けつつも、母の弱い優しい別人格に支えられて生きてきた。

全ての母親の言動ひっくるめて、彼女は母親として認識していた。

そんな母親を土砂災害で見殺しにした。

彼女は主人公にそれを伝える。

もっと妻に正直であれば良かったと後悔する。

身近な人を亡くされた方は、深く心に突き刺さるのだろう。

傷ついた人が、傷ついた分、感情が動かされる映画なのかもしれない。

hiro