ザ・プロムのレビュー・感想・評価
全13件を表示
言うまでもないが、恋愛は、社会的に自立した両性の合意が絶対に必要♥
二年位前に吉祥寺で見た。流石にミュージカルなので、眠くならなかったが、メリル・ストリープの化粧の濃さに閉口した事を思い出した。従って、初見はあまり良い印象無く外した。しかし、ストーリーの流れは忘れる事無く、心に残った様だ。当時はレビューをしていなかったが、キレキレダンスに高評価をつけている。しかし、カットが多用されていると寸評も入れている。
今回は二回目の鑑賞になるが、そう言った偏見は払拭出来たと思う。
失礼ながら、メ●ル・ス●リープさんは凄いと今更思う。それと
キレキレダンスのセンターをつとめる人がそのダンスの印象を左右するが、日本の様にセンターは美人と言った概念が無いようだ。明らかにダンスのうまい者がセンターを努めている。
さて、お話の主題であるジェンダーの件だが、ジェンダーに限らず、他人の人権を侵す事は最低の行為である。
それを踏まえた上で
僕はストレートなので何も言わない。一言だけ言うとすれば、女性の権利もままらない社会が、性別を超えたジェンダーの問題を解決は出来る時代は未だ無理だと思う。今後社会は、性別、人種、宗教、階級を総合的に考えて、全てを払拭出来る社会を作る事を真剣に考えて行くべきだと思う。
因みに僕はプロムなど最初から行く気にはならない。
『ママの時とは違う』と言うが、変わっていないと僕は感じるし、社会から価値観を強要される同調圧力が、昔よりもひどくなっていると感じる。言わずもがな、分かったつもりが一番偏見を産む。
一言で終わらせるつもりが申し訳無い。
(昔)LGBT (今)LGBTQIA+
いやいや、そのうち、LGBTQIA+ZXDPIOKIN//// とかとかになったりする悪寒w
またまたNetflixの劇場公開バージョンです。とにかく、久しぶりのMusical って事で、初っ端からウキウキしてしまってですね。普通にセリフをしゃべってたのに、いきなり歌い出す事に違和感を覚えない、ワタクシ。やっぱり、楽しい。途中、多少ダレるけど、楽しかった!
ですが、苦言を言います。
メリル・ストリープ、ジェームス・コーデン、ニコール・キッドマン、アンドリュー・ラネルズの4人が揃ってのSing&Danceシーン。不揃いが気になります。特にキッドマン。準備不足はアリアリですかねぇ。彼女、大物すぎ、忙しすぎやないですか?
脚本勝負のHuman Dramaやアイデア勝負のサスペンスやスリラーは得意のNetflixですが、真向勝負が求められるMusicalは、ちっと荷が重いかも知れません。
それと、これが一番気になったんですが、「ブチ切れまくりのカメラワーク」。1/2小節(要するに2拍)、1小節、2小節でガンガンとカメラが切り替わります。この細切れ感、と言うか、誤魔化してる感はいただけません。
歌と踊りの新興国はインド。ボリウッド作品は、凄まじいクオリティですが、唯一の難点が「小間切れになるカメラ」。逆に言えば、ハリウッドやイギリスのMusicalのアドバンテージは、そこにある訳で。スタート直後のバーラウンジと、終盤に入る前のモール。8小節を超えるワンカットは、この2か所しかなかったんじゃないでしょうか。それくらい、短いカット割り。
その昔、ブロードウェイのレジェンド達が銀幕に登場する映画では、下手すりゃ1曲まるごとワンカットだったのに。フレッド・アステア御大とか、踊りの前の芝居から、ステージから消えて行くまでがワン・カット。ここが、ちょっと物足りませんでした。
良かったのは、楽曲そのもの。と、何と言っても、ジョー・エレン・ぺルマンの透明感はありながらも太い声質、上まで引っ掛かりなく、餅の様に伸びる伸びる伸びる声にございます。そもそも、この子の芝居も良いし。期待の新人ですねぇ。と思ったら。2020年の、ハリウッド批評家協会の新人賞を貰ってるんですね。納得です。
ジョー・エレン・ぺルマン演じるエマの登場シーンと歌が、いちいち切ないのと、物語としても、結局のところ、彼女が自分自身の力で未来を切り開いていくと言うオチがすがすがしかった。
良かった。とっても。
Musical好きの方。見ても損は無いと思います。と言うか、今、見れる時に見といた方が良いと思います。劇場で。やっぱりMusicalは、劇場の音響設備で楽しみたいですもんねw
そう言えば。
Godspell の扱いがw
Day by Dayとかいい曲なのに、ちゃんとハモって下さいよw
ーーーーーーーー
1/27 追記
この映画が上映されている「八丁座」さんには大小2つのシアターあり。1回目を観た時は「小」だったのに、今日は「大」に格上げされてました。
「感動も興奮もシアターの大きさに比例する」の俺的法則通り、2回目の方が感動も大きかったw
アリッサの"I love you Ema, at all"(多分)=「どうしようもなく愛してる」の場面で、ブワッと来てしまいました。と、やっぱり、ペルマンの歌は最高だった!
--------
1/28 追記
「ゲイはなぜトラックなのか?」
アメリカ人の感覚で「男のゲイ」のイメージは「マッチョでキラキラにオシャレしている」。これが、マッチョなピックアップトラックに、派手なホイール履かせたり、キラキラに加飾を付けたりした姿を連想させると言う事なんです。
ド派手キラキラなトラックは「ゲイっぽい」。代表格が、FordのF-150、250あたりの限定車。エマが乗っていたのは、スカイブルーの2toneカラーのF-150。でも彼女は生物学的には「女」のゲイなので、「トラックだからゲイって思わないで」w
明るいエネルギーが爆発!「隣人を愛せ」!
個人的には2021年1発目の劇場映画。明るくてエネルギーに満ちていて、最高だった。
華やかなミュージカルの中で、ストレートに訴えられる
「隣人を愛せ」というメッセージがとても心に響いた。現代において「マイノリティを大切に」というメッセージは確かに正しい。だけど「正しい」だけではなかなか人は動けないのも事実。だけど、誰だってどこか「普通と違うところ」「既存のルールと外れているところ」はあるから、それを厳しく制限し合うよりも許容し合う。その方が楽しい!ってこの物語は教えてくれる。
だから主人公たちが、最終的に裁判で闘うとか、テレビで主張するとか、公に訴えて「正しい」と認めてもらおうとするんじゃなくて、共感や対話でつながろうとしたところにすごく感動した。もし公に訴えていたら、白黒はっきりするけど、負けた側はまた責められて苦しむかもしれない。それよりは、各地の仲間とメッセージソングでつながり、パワーに代える。SNS時代らしく、優しくかっこいい答えだったなあ。
ミュージカルは楽しい!
メリルストリーブ、ニコールキッドマン共演。
落ち目のブロードウェイ俳優たちが、1人の女子高生がLGBTをカミングアウトしてプロムが中止になったことを利用して起死回生を図ったが!
ミュージカルは、浮世離れしているが楽しいよね。
やはりミュージカルは劇場で観たいね!
ブロードウェイの人気俳優ディーディー・アレン(メリル・ストリープ)。
新作ミュージカルは、フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領の妻「エレノア」を主役にしたもの。
しかし、公開初日の批評が散々で、プロデューサーから打ち切りが通告される。
起死回生の手を打たなければ・・・と思ったところ、万年コーラスラインのアンジー(ニコール・キッドマン)がSNSでとある記事を発見する。
その記事とは・・・
インディアナ州の田舎町の女子高生のエマ(ジョー・エレン・ペルマン)が同性愛をカミングアウトしたことで高校生活最後の一大イベント「プロム」から締め出しを食らった、というもの。
エマを支援して、ふたたび注目を浴びようと、売名行為であることを隠して、一同はインディアナ州くんだりまで繰り出した・・・
といったところからはじまる物語で、Netflixオリジナル・ミュージカルとの謳いだが、クレジットでは「ブロードウェイミュージカルに基づく旨」の表記のあるミュージカル映画。
やはり、ミュージカルは劇場で観なければ楽しくない!ということで、音響効果が抜群なので、豊富なミュージカルシーンを楽しむことができました。
物語の深みとしてはいまひとつかもしれませんが、「事件・問題に積極的に参加はするものの、その実、売名行為」という米国人のいやらしさや、「米国では同性愛は結構認知されているのかと思いきや、その実、偏見てんこ盛り」という旧態依然の体質などが巧みに盛り込まれており、テーマ性も充分。
ただし、「ここぞというときの心の変化のきっかけがキリスト教的」というのは鼻白む気もしましたが、これも旧態依然の米国の田舎を皮肉っているとしたら、それはそれで面白いです。
映画的な観点では、「ちょっとしたドラマのあとにミュージカルシーン」、「ちょっとしたドラマのあとにミュージカルシーン」というのが延々と続くので、全体的に一本調子な感がするのと同時に、同じ構成ばかりで疲れてしまいます(ミュージカルナンバーに緩急はあるものの)。
お気に入りのナンバーは、ニコール・キッドマンがボブ・フォッシーのことを歌う「ザズ」。
フォッシー的な妖艶なナンバーで、ニコール・キッドマンのスレンダーな肢体が妖しい輝きを帯びます。
フォッシーの映画『オール・ザット・ジャズ』の「ジャズ」は、心の底から沸き起こる、この「ザズ」のことだったんですね。
舞台「エレノア」でフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領役を演じる役者バリー・グリックマン役は、『ワンチャンス』でポール・ポッツを演じたジェームズ・コーデン。
歌って踊れるおデブちゃん、というなかなか得難い役者ですね。
「glee グリー」好きなら絶対!
大コケのレビューで初日で上演終了となってしまったミュージカルの主演二人が、インディアナの高校で同性カップルでのプロム参加は認められないからPTAによって中止されたという記事を読み、ジュリアード卒なのにリアリティーショーの人気司会者に甘んじている俳優と万年コーラスガールの女優の4人で高校に乗り込んで高校生たちを救ってイメージ挽回という売名行為を思いつく。中止の張本人となった女子高生(ドリュー・バリモアそっくり)は「お前のせいでプロムがなくなった」と周囲からイジメられるが、相手は実はPTA会長の娘。また味方である校長先生はミュージカル鑑賞が生きがいで、名女優の登場に感激し4人に感謝するが、売名行為だったと知り…。
メリル・ストリープの歌唱力は有名だが、今回は脇役のニコール・キッドマンも「ムーラン・ルージュ」に出ていたし、ミュージカルもできる人だった。ダンスもできるしスタイル良いし声もかわいい。俳優それぞれに見せ場があり、その辺も「glee」っぽい。
集団でのバッチリきまったダンスの爽快感、俳優たちの多才ぶりにオープニングからエンディングまでワクワクしっぱなし。ミュージカル好きの校長を入れることでミュージカルへの敬愛や、スター街道を歩いている俳優にも悲しい過去があることも描かれていて、エンターテイメントとして十分。
高クオリティのミュージカル
メリル・ストリープとニコール・キッドマンの出るミュージカルだと思って観に行ったんだけど、実はストーリーの中心は彼ら「大人世代」ではなく、若者たちだった。
いや、だから良くないって話ではなく、いい意味で予想を裏切られたんだけど。
ブロードウェイ・ミュージカルの初日が終わったばかりのベテラン女優のディーディー・アレン(メリル・ストリープ)と、相手役俳優のバリー。
ところが、2人の演技は批評家にこき下ろされてしまう。
名誉回復と注目を集めることを目的に、その「ネタ」を探していた2人が目をつけたのが、インディアナ州のある高校で、同性愛者の女の子がプロムから排除される、または、プロムそのものを中止にしようとしている、という騒動。
そこに、ミュージカル「シカゴ」の端役を演じているアンジー(ニコール・キッドマン)、売れないコメディアンのトレントが加わり、インディアナに乗り込むことになる。
歌率高し。
しかも総じて高クオリティ。ほとんど名前を知らない役者たちの歌とダンスが超絶上手くて、ビビる。
いつも思うんだけど、アメリカのショービジネスの底辺の巨大さは恐ろしいよね。
特に、準主役で、レズビアンの女の子エマを演じたジョー・エレン・ペルマンはソロも多くて魅せる。
全編を通じ、歌のシーンの強さは特筆モノ。元がNetflix作品なんだけど、チャンスがあれば大画面、音がいい映画館での視聴がオススメ。
特に男女混成の楽曲が素晴らしかった。
ミュージカル特有のご都合主義が気にならないわけではない。
特に校長先生とPTA会長の変心は「そんなにカンタンかよ!?」と突っ込みたくなる。
とはいえ、全編を覆う「性的マイノリティや世代をめぐる分断や差別、不寛容と相互理解、多様性」というテーマの説得力は、まずまずあり、脚本が極端に雑なわけではない。
エマや彼女の恋人の親子問題には、バリーの母のエピソードが重なるなど、複層的にストーリーを重ねる脚本の工夫もある。
大人たちが寄ってたかって若者に手を差し伸べるのがいい。
その動機には「大人の事情」があったのかも知れないが、やがて、大人たち自身も救済されていくのもいいね。
画面の色彩設計も見どころ。
全体としては、画面にLGBTの象徴であるレインボーカラーを作ろうとしていたと思う。
その上で、各場面の歌唱シーンに加わる役者が、今度は何色の服を着るのか?と、予想しながら観るのも楽しい。
バリーの母親役が、80年代に活躍したシンガーのトレイシー・ウルマンで驚いた。
アメリカ映画は、差別表現にうるさいイメージがあるけど、特定の地方(特に田舎)や出身地を笑い物にすることは意外と多い。本作でも、インディアナ州を盛んに田舎呼ばわりしてるんだけど、こういうのが問題にならないのか不思議だ。
今のアメリカの諸問題を明るく描くミュージカル
ネットフリックスが制作した映画で、ネトフリ配信前に劇場で公開するという新しいタイプの映画ですね。しかし、ミュージカル映画は自宅のテレビじゃなくて大画面大音量の映画館で観た方が絶対良いので、今回は映画館で鑑賞いたしました。
私は恥ずかしながら「プロム」というものの存在を知らなかったので、物語の序盤で「プロム」なるパーティーをやるやらないの悶着をしているのを観ててもイマイチピンと来なかったです。ストーリーが進むに連れて、「プロム」というのが高校生活の一大イベントということが何となく理解できたので、問題なく観ることができました。
一応説明しておきますと、「プロム」というのはアメリカの高校で卒業を控えた生徒たちが集まって行なわれるダンスパーティのことだそうです。綺麗に着飾ったカップルが残りわずかな高校生活の最後を締めくくるかのように歌って踊って盛り上がります。この日のためにおめかししたり気になっている子に告白したり、日本でいえば修学旅行と文化祭が合体したような一大行事なんです。この「プロム」についての知識は無くてももちろん楽しめますが、一応知っておいたほうがスムーズに映画に没入できて良い気がします。
最初に結論を言います。この作品は「些細な部分に目を瞑れば、最高のミュージカル映画」だったと思います。正直手放しに「最高!」と褒めることはできませんが、歌唱やダンスは観ていて胸躍る素晴らしいものでしたし、同じ歌をアレンジを変えて4回も歌うことで、キャラクターの心情の違いを描いた演出も思わず鳥肌が立つほどに素晴らしいものでした。後半の展開に若干ご都合主義的な部分があったり、「あの問題はどうなったの?」と、ある問題が放置されている感じがあったので、そこが正直引っ掛かりや違和感を感じてしまいました。
・・・・・・・・・・・
LGBTQに対する偏見が未だに残っているアメリカ・インディアナ州の高校生であるレズビアンのエマ(ジョー・エレン・ペルマン)は、カミングアウトによって両親から勘当され、そして高校最後のイベントであるプロムにも参加できなくなってしまった。これが人権問題としてPTAと対立し、ネットでも話題になる大論争へと発展することになる。
時を同じくして、ニューヨークでの新作ミュージカルに出演するも大酷評を受けて窮地に立たされた俳優のディーディー(メリル・ストリープ)とバリー(ジェームズ・コーデン)は、たまたまSNSでエマのニュースを見つけ、、自分たちの売名とイメージ回復のためにエマの応援をすることを決め、インディアナ州へと向かうのであった。
・・・・・・・・・・・
最初は自分たちのイメージ回復のためにエマの活動に協力していたディーディーとバリー。自分勝手な行動や高飛車な発言も多く、エマの抗議活動の邪魔にしかなっていませんでした。しかし、レズビアンのエマが周囲から受ける仕打ちがあまりにも残酷で、それを間近で見ていた彼らもその様子に心を痛め、いつしか本気でエマの活動を応援するようになります。
登場人物のほぼ全員が、自分に何かしらのコンプレックスやトラウマを抱えており、エマの活動を通じてそれらと向き合って解決していく。胸を打たれるような素晴らしい作品でした。
先にも書きましたが、この作品の前半、プロムに向けて準備を進める各登場人物が「人生はリハーサルじゃない」と歌を歌うシーンでは、同じ曲が4回連続で歌われます。基本的なメロディは一緒なのですが、歌詞やアレンジが異なり、各キャラクターのその時の心情を見事に表した演出でした。ここは本当に凄かったです。
【※※以下 ネタバレ注意※※】
ただ、ストーリーの面で気になった部分があります。
この作品の中心人物であるレズビアンの女子高生であるエマは、そのカミングアウトによって両親から勘当されてしまったという悲しい過去がありますが、この問題は全く解決しないまま終わります。劇中では、ミュージカル俳優のバリーとエマの恋人であるアリッサが抱える母親との確執とその和解については描かれていますが、序盤から語られていたエマの両親については登場すらしません。この問題が残ったまま「めでたしめでたし」とばかりに皆で仲良く踊って大団円、というのは違和感がありました。
また、「いがみ合ってた人たちが簡単に仲良くなる」という問題もありましたね。
これはミュージカル映画あるあるかもしれないんですが、めちゃくちゃ険悪な関係の二人がミュージカルシーンを一回挟んだだけで簡単に仲直りしてしまうのが違和感あります。例えば、ディーディーの自己中心的な面を見たことで、ディーディーと校長先生の関係が険悪になります。しかし、この険悪な関係も、ディーディーが校長室に乗り込んでミュージカル1発決めたら仲直り。レズビアンのアリッサと教育ママである母親との確執も、ミュージカル1発で解決。ミュージカルシーンの中で、お互いの主張を激しくぶつけ合うような描写もなかったので、何だか不完全燃焼な感じが否めませんでした。
また、インディアナ州への差別問題もありました。
これだけ「ゲイ(LGBTQ)への差別はやめよう」みたいなテーマを提示しておきながら、インディアナ州への悪口は劇中で一貫して描かれています。これはインディアナ州がLGBTQ差別に繋がる州法を可決させたということからそのような描写がなされているのだと思いますが、正直日本人にはそんなローカルネタ分かりませんし、「LGBT差別はダメだけど、地方差別はやります」という自分勝手な二枚舌にしか見えませんでした。インディアナの批判をしたいがために、「差別ダメゼッタイ」という作品のテーマが完全にブレてしまっていて、これが個人的に一番酷いと思ったポイントでした。
難しいこと考えないで観るミュージカル映画としては非常に素晴らしいものでした。
ただ、細かいところまで観てしまうと色んな穴とか矛盾とか制作陣のエゴとかが見えてくる映画だったと思います。
エンターテイメントの魅力に溢れた作品
主人公エマを演じたジョー・エレン・ペルマンの伸びやかで力強い歌声に感動。想いを込めた歌詞が涙を誘う。
情感豊かに演じるメリル・ストリープ、美しくスレンダーなニコール・キッドマン、メインキャストの皆さんの抜群の歌唱力、そしてエネルギッシュなダンスと楽曲。パワーが貰えます。
様々なメッセージか込められた作品。
映画館で鑑賞出来た事に感謝しています。
何度でも観たくなる作品。
「 人生はリハーサルじゃない 」
「 隣人を愛せ 」
映画館での鑑賞
2020年マイベストムービー
物語はLGBTの女子高生のエマがプロムの参加を学校全体の意見として参考を認められず彼女の存在を否定されるところから始まる。
M.ストリープ演じるディーディーとJ.コーデン演じるバリーの二人のスター俳優達は素行や各々の言動等々から世間から良いイメージを持たれておらずメディアにも批評されている事に悩まされている。
そんな時にTwitterでエマの存在を知り、彼女を支援することで各々の社会的評価、イメージを覆そうと行動にでる。いわゆる昨今ハリウッドで目立つLGBT作品である。
ただこの作品の好きな所はミュージカル映画という事もあってLGBT問題を非常にポップに描かれている。
ただポップなだけではなく音楽の魅力で、そしてその歌詞、俳優陣の歌声でハートが射止められる非常に素敵な作品である。
歌詞なんかも非常にストレートで分かりやすいのがまた良い。
LGBTに悩まされるエマだけではなくこの作品の登場人物は各々悩みを抱えている。その悩みの殆どが本当の自分を否定される事に怯え苦しんでいる。
そしてこの作品内では否定し相手を傷つけてしまってる側の人物ももちろん描かれているが、彼らもまた社会の「普通」という概念に従っているだけであり、その「普通」から逸脱し自分が否定される事を恐れているわけだ。
この作品の良い所はそういうストレートな所がとても良い。誰しもが偏見は少なからず持っているかもしれない。その偏見を振り返った時意外と深い理由はなかったり、その偏見を理解する事で自分が否定される事を恐れてるケースは多いのかも知れない。
このように振り返ると差別偏見は考え方次第では無くす事は決して難しくないのかもしれない。
この作品内で特に好きな所は後半の「隣人を愛そう」というミュージカルシーン。
これなんかも非常にストレートである。近くの人を愛し理解する事で偏見や差別はなくなる。人は決して一人で生きているわけではないから、こうしてみんなが近くの人を愛し、理解し合えばあっという間に輪となり、理解は進むであろう。このシーンは特に好きであった。
この隣人を愛そう以外のミュージカルシーンでも非常に自分の好みの曲調歌詞が多く終始ワクワクしながら鑑賞することができた。
最後はもちろんエマは認められ恋人と結ばれる。バリーらも幸せな形で終わる。ディーディーが最後にうまくいくって素敵だというシーンがあったがこの時は観てるこちらも全く同じ気持ちになり非常に心打たれる良いシーンだった。
ミュージカル映画が元々好きという事もあるが、個人的には今年見た作品の中で1番好きな作品であった。
同じようにミュージカル映画が好きな人には強く勧めたくなる作品であり、また比較的若い層や映画があまり見ることのない人にでも楽しくそして温かい気持ちになれるポピュラーな作品にも思える。
また今回はイオンシネマ海老名のTHXで鑑賞することができた。Netflix作品という事もあって劇場公開が少ない、THXで鑑賞出来たことにイオンシネマには非常に感謝の気持ちでいっぱいだ。とても作品とマッチしていた。
Netflixでこの後見ることはできるが、ミュージカル映画が好きな人、この作品が気になる人は是非劇場で観ることを強く勧めたくなる最高の作品であった。
【”不寛容で、古臭い保守的思想を歌とダンスで吹き飛ばせ!” 高校最後のダンスパーティは、本当に好きな人と踊りたいよね!】
■今作の感想
1.ディーディー・アレン(メリル・ストリープ)とバリー(ジェームズ・コーデン)は”少し、落ち目の”ミュージカルスター。コーラスを務めるアンジー(ニコール・キッドマン)も今一つ、パッとしない”代役”を務める日々・・。彼らが共演した舞台は、批評家から酷評されてしまい・・
-メリル・ストリープとジェームズ・コーデンとくれば、一流の歌唱力を誇っている事は周知の事実。実際、素晴らしい歌が聴ける。が、ニコール・キッドマン等、他の共演者も負けていない。-
2.エマは”プロム”で、好きな女の子アリッサと踊りたいが、保守的な風土の、インディアナ州にある”マディソン高校”では、ミュージカル好きで、寛容な思想の校長先生は支持するが、PTA会長のアリッサのお母さん、グリーン(ケリー・ワシントン)はそれを認めない・・。
-アリッサも、エマが好きだとカミングアウト出来ない・・。二人は”プロム”で一緒に踊ろうと約束するのだが・・。土地柄もあるのだが、辛いね。エマは過去、レズビアンであると公言したため、辛い思いをしている・・。
又、PTA会長のアリッサのお母さんのグリーン(離婚している)も、娘の事を思っての事だという事も分かるのだが・・。ー
3.ディーディー達は、マネージャーから、エマの話を聞き、”自分たちの”名誉挽回の意味も込めて、マディソン高校にやって来る・・。
だが、エマと彼らが”プロム”の会場に行くと誰も居らず・・。保守的思想を持つ人々により、会場が直前に変更されており、アリッサはそれを知りつつ、エマに連絡できず・・。深く傷つく、エマ。
- 彼らが、宿泊するホテルで繰り広げるドタバタ騒ぎが、彼らがやや下衆な思いを持っている事を明示している・・。トニー賞のトロフィーを2個カウンタ―に出し、”良い部屋を・・”とホテルマンに迫るディーディーの姿・・。
そして、エマの哀し気な姿。アリッサも・・。ー
4.ディーディーのファンである、校長先生は彼女と楽しい時を過ごすが、ある事から彼女たちが来た狙いを知ってしまい・・。
- ここら辺から物語はさらに良くなる。
それは、ディーディーは別れた夫がTVで活躍する姿と自らの境遇を重ね、複雑で寂しさを抱えているし、バリーは16歳の時、”プロム”で好きな男の子と踊りたかったのだが、願いが敵わず、更に両親から”ゲイ”であることを認められなかった哀しき過去を持っている事が徐々に明らかになって来るからである。
そして、彼らが、エマとアリッサのために、本気で彼女たちのために”プロム”を開こうとする過程。
バリーの母が過去の過ちを息子に詫びるシーンや、ディーディーが”かなり強引に”校長先生に正直に自分の想いを伝えるシーンなど。
”アメックスのブラックカードを渋々出す、ディーディーの姿など、笑える・・。”
<不寛容で、古臭い保守的思想を、コミカル要素を絡めて、ダンスと歌で吹き飛ばしていくミュージカル。それにしても、ハリウッド俳優さんたちは、歌も上手であるのだなあ・・。多幸感溢れる作品です。>
gleeですね・・・
gleeが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。
物語として特筆すべき部分はあまりなくて、いくつかの対立と和解とミュージカル。
そもそもブロードウェイのミュージカルなのですから当然なのですが、ハイライトはミュージカルシーン。お話は付け足しのようなものです。
印象としては、メリル・ストリープさんは物の怪レベルに入りつつあります。美輪明宏のような怪しさ爆発ですね。どこまでがダブルなのかはわからないのですが、歌って踊っています。
ニコール・キッドマンさんは失礼ながら蛇足。ムーランルージュで魅せたようなパフォーマンスはもう・・・老害というと失礼なのでしょうが。
そうはいうものの、やはりこの作品は主人公のエマとアリッサを如何に魅力的にみせるのかというもの。両名ともに明るく輝いていて、多幸感にあふれるミュージカルシーンになっています。それだけで十分、というのが本音。
netflixでここまでのクオリティになるのだから恐ろしいというところでしょうか。ただ、現在のミュージカル映画としてみたとき、旧来のミュージカル的な曲が多くて少しがっかりしてしまいました。マッシュアップやアレンジでもっといろんなジャンルの曲があれば。
メリル・ストリープの化け物じみた歌唱必見!
2018年のブロードウェイスマッシュヒット
シカゴにリトルマーメイドやウィキッドから、プリデューサーズ?まで数々のミュージカルのオマージュを抱えた近年スマッシュヒットのミュージカルだから見る価値あり!
しかも、それを豪華キャストにして、メリルの序盤の楽曲「it’s not about me(あたしは主役じゃないけどね)」などは迫力として、ブロードウェイオリジナルキャスト超え!見なきゃでしょ!
んで、ストーリー
落ち目の女優たちが自分たちが注目される為のネタを探してたところ、エマとアリッサは女の子同士のカップルとしてプロム参加する事を願うけどそれはなりませんでしたって言う事件に落ち目女優たちが介入するから…もうしっちゃかめっちゃかだよね。
ヘアスプレーとかウィキッドとかのミュージカルが好きなら面白い事間違いなし!
んで、見て欲しいってところは
このミュージカルに込められた…人生にリハーサルはない!ってメッセージが背中を押してくれる事と、楽曲dance with youやit’s time to danceに込められたエマとアリッサの変われない自分を責めてしまう想いは日本にもある事に色んな人の心が開かれてくれると良いなぁ〜と思いました。
このミュージカル映画化の興行が上手く行ったら、ディア エヴァン・ハンセンとかも映画化してほしい!
全13件を表示