「市民ケーン」Mank マンク オクやんさんの映画レビュー(感想・評価)
市民ケーン
「市民ケーン」の脚本家としてオスカーを獲得したマンクことハーマン・J・マンキーウィッツの波乱万丈の人生を描きながら、1930年代のハリウッド・メジャースタジオの内幕も垣間見せたバックステージもの。一度はクレジット表記を辞退した主人公が翻意したのは、自分の脚本に自身があったからだけではなく責任を持ちたいという独特の映画愛ゆえだと思う。
マンクの精神の根底には権力に迎合しない反骨心が脈打っていた。おそらくオーソン・ウェルズはそのことを見抜いていたのだろう。だからRKOの社運を賭けた作品に協力を頼んだに違いない。
タイクーンという別称で呼ばれていた大物プロデューサーたちがわが物顔でスタジオを闊歩していた時代に俺流を貫いたマンクの功績はもっと称賛されていいと思う。
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