「【”もし私が総理になったら、不都合はある?”とニッコリ笑って彼女は言った。”コメディ要素を絡めながらも、男性社会の日本で頑張る全ての女性に「未来をあきらめない」というエールを贈る映画です。】」総理の夫 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”もし私が総理になったら、不都合はある?”とニッコリ笑って彼女は言った。”コメディ要素を絡めながらも、男性社会の日本で頑張る全ての女性に「未来をあきらめない」というエールを贈る映画です。】
ー 前半は、予告編でも頻繁に流れていたコミカルシーンを主に物語は展開していく。
それにしても、今作は絶妙のタイミングで公開されたなあ・・。ー
◆感想
1.大きな家に住んでいる夫婦だなあ、と思っていたら、鳥類研究所に勤めるヒヨリ君(田中圭)は相馬グローバルの御曹司だった!
ー 彼が、楽しそうに出張に行った場所。それは北海道の電波も届かない僻地だった。そりゃ、奥さんの凛子さん(中谷美紀)が総理大臣に就任しても気が付かないよね!
作品設定が、とてもユニークである。
そして、相馬グローバルを仕切るヒヨリ君のオーラが半端ない母上(余貴美子:どんな役も、バッチリ決めます。)とヒヨリ君の”カメラの前では”笑顔の野心滾る兄(片岡愛之助:無茶苦茶作り笑いがお上手。オカシイ。)ー
2.で、呑気に帰ってきたら、イキナリのマスコミ取材。それを遮るドSのシングルマザーの内閣広報官(貫地谷しほり:ツンツンした感じが、とても良い)。
ー 前半は、ヒヨリ君のオロオロする姿が、オカシイ。相馬グローバルの人々も相当に可笑しい。ー
3.凛子さんが直進党を立ち上げた理由を語るシーンはジワリと沁みて、連立政権を組んだ、民心党のドン、ハラクロー(岸部一徳:目の下の涙袋が凄い。ついでに、ハラクロ―って、そのまんまジャン!と思っていたら・・。)が、ヒヨリ君の昔から苦労してきた伊藤さん(松井愛莉)を使ってハニートラップを仕掛けようとしたり、結局増税に関し、合わず決裂する2党。
凛子さんは、選挙で国民の信を問うことに・・。
ー なんか、どこぞの国でよく聞く”国民の信を問う!” 揶揄かな?ー
4.オロオロヒヨリ君、”夫”と言うタスキを掛けて、慣れない選挙カーに乗るも、凛子さん、マサカのご懐妊。
皆、オロオロ・・。
ー ニュージーランドの女性首相は、子供を産んで、産休もキチンと取っているんだよ!日本は民意が低いなあ・・、全く。総理と言っても、ハタラク人なの!人権があるの!ー
□白眉シーン
・ヒヨリ君が、総理を辞める決意をした凛子さんの演説会場に必死に向かい、凛子さんに述べた言葉。最初は笑っていたら、いつの間にか、目頭が・・。
(ついでにパパラッチ男も、凛子さんの言葉が切っ掛けで、改心している。)
凛子さんが、ヒヨリ君をパートナーに選んだ理由が良く分かるシーンである。
田中圭さん、長台詞をバッチリ決める。良い役者さんだなあ・・。
ついでに、ハラクロー、イチオウいい奴じゃん!
5.ええっ、で辞めちゃうの?と思ったら、
”もし私が又、総理になったら、不都合はある?”と言いながら、可愛い女の子を産んだ凛子さんは、ヒヨリ君に言った・・。
<前半は、コミカルトーンで描き、後半は男尊女卑思想が未だに蔓延る日本で頑張る、全ての女性に大きな大きなエールを贈る作品。
クスクス笑っていたら、いつの間にか、目頭(涙袋ではない!)に涙が滲んでいた作品。
現実は、もっと厳しい事は知っているつもりだけれど、制作陣の心意気を嬉しく思った作品でもある。>
コメントありがとうございました!
面白かったですね。
凛とした美しさが、さすがの中谷美紀さんに、頼りない男を演じたらピカイチの田中圭さんも素晴らしかったです。
(田中圭さんの忙しさは私も心配です)
北海道の僻地で電波が届かなくでも飛行機に乗る前に、色々解るだろう…と思ったりもしましたが、最後は少し涙がでました。上手くまとめられたらレビューでした。楽しく読ませて頂きました。
出産もそれに伴う(一時的な)辞任=産休・育休も前向きに羽ばたくための一時的な骨休め(羽休め⁈)。
このこと自体がすべての女性へのエールになっていました。
また会社で管理職に復帰するけど(社長目指すけど)不都合ある?
家庭を優先するのも選択肢だし、キャリアを積んだ女性の多くの選択肢の一つとして普通にこんな会話があちこちで聞けるような社会になるといいですね。