劇場公開日 2021年2月26日

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「流行りに乗ってばかりじゃ本質を見失うし、本物と普通の差は数ミリだし・・・」MISS ミス・フランスになりたい! フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

流行りに乗ってばかりじゃ本質を見失うし、本物と普通の差は数ミリだし・・・

2021年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

夢に男も女も関係ない事を証明する話

思わぬ掘り出し物、とってもいい映画でした。

主人公俳優さんの顔がとっても綺麗でミス・フランスになれそうなリアリティがありました。
男性と女性では骨格や肉付がどうしても違うので、撮影は難しいかったと思う。
でも、体のラインを衣装や角度で工夫してあまり気にならなかった。逆に荒さがしと言うか、体の男性らしい部分を頑張って探してしまうほど綺麗でしたね。

この俳優さんだからできた映画だったのかもしれない。
主人公を取り巻く仲間達(同居人)も個性的で面白い。
楽しくやっているけれど「どん底」の生活。
無職、移民、娼婦、人種も立場も違うのに和気あいあいとしているのはフランスのお国柄なのかな?
アメリカ映画だっともっとギスギスしてたり、互いに憎み合ってたりする場合が多いけれども、本作は国も人種も性別も人間の一部であり個性の一つであると訴えかけているようだ。

性別の壁がメインテーマだとは思うけれど、家族愛が一番私の心に染みた。
両親の愛
同じアパートに住む仲間の愛
そしてずっと歪だと思っていた自分自身への愛

フィクションだけれど力強いメッセージを放っていた。、
なにかと承認欲求が増している世の中ですが、本当に大事なのはありのままを受け入れてくれる人、身近な仲間なのだ。

私は性別と肉体が同じに生まれてきたけれど、そうでない人の苦悩や立場を少なからず理解し考えを深めることができたと思う。
悩みを解決するほどの力はないけれど、話を聞くこと位はできそうかな。

テーマは重いけれど作品全体的は明るく軽い印象でした。
人種や性別なんて重く考える事自体が時代遅れなのかも知れませんね。
まだそんな事でいがみ合ってんの?って平気で言える世の中がそろそろ来るかも。

恋していた幼馴染と特訓するシーンよかったです。
勝つための気持ち、勝つための考え方を学ぶには好きな人との特訓が一番!
BGMや編集の小気味よさで気分が高揚しましたね~。

ミス・フランスの予選やツアーもよかった。
明るい面も暗い面もそりゃあるよね、慈善活動とかやりたくないし、ライバルは潰したい。
これからこういったコンテストの番組など見る機会があったらその笑顔の裏側を想像してみるのもいいかもしれない。
画面に映っているには一部に過ぎないのだから。

主人公は勇気を出してコンテストに出て人生を変えた。
帰る場所は相変わらず「どん底」かも知れないけれど、気持ちは以前と違うし支えてくれる友人もいる。
希望の明日は待ってるだけじゃ来てくれない、怖いけれど自分から迎えに行かないとダメなんだと教えてくれる作品です。

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劇中セリフより

「自分の価値を人に決めさせるな、時間は思ってるより早い」

挫折も後悔もしたっていいから行動を起こせ。
チャンスを掴む機会を逃すな。人生は短い。

フリント