「女心(と書いてメンヘラ)を知る作品」そこにいた男 うましかさんの映画レビュー(感想・評価)
女心(と書いてメンヘラ)を知る作品
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これは男性が観るか女性が観るかで評価が分かれる作品だと思った。
この作品は女心に溢れているからです。
判決シーンは紗希の幸せだけが描かれています。
彼のしたことは上着をかけたことだけです。もしかするとあの後ドリンクの1本くらい渡すのかもしれません。自分の飲みかけを分けるだけかもしれません。でももう好きというフィルターがかかっているとたったそれだけのことが好きの増加装置にしかなりません。止まらなかったのでしょう。そんな幸せを永遠にしたい、それが独占欲の始まりです。
最期に何も言えずに亡くなれば永遠に奪うことができたのに、伴侶の名前を呼ばれたことで永遠に彼を手に入れられなくなってしまった。ように見えます。
夫は失ったけれど多額のお金と子供を得た彼女は、「お礼」と言っていますがどうでしょう。生きていくためにはお金が必要です。素行の悪い男です、制裁も与えたかったはずです。本心もあるでしょう。でも刑務所って、出産を終えて間もなく赤子を抱いて行くような場所でしょうか?絶対に違います。「お前が得られなかったものをわたしは抱いているぞ」。勝利宣言に熨斗つけて「お前の禁錮でわたしは幸せ」と劣等感を煽り、残された幸せを見せつけに行ってますよね。付き合わされた子供がかわいそう。
そこで最期の言葉が伝えられる。
これは紗希のマウントです。「わたしは彼の最期を知っている、お前より彼を知っている」。彼の名前すら知らなかった女は、彼の最期を知っている。最期のときを過ごした。一生これを抱いて生きていく。「お前が得られなかったものをわたしは抱いているぞ」。
女はこわい··········
※事件の元ネタは知らない人間が観た感想です
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