川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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生きていてそれが何なのどうなんの?
オリジナルの脚本が一旦頓挫し小説に書き直してからの映画化だそうで時間をかけたが故に成しえたシーケンスの積み重ねがツボにはまる映画ですごく面白かった。ヤギを筆頭に役者がことごとく良い。チラシの最初に江口のりこと記され冒頭の主要な舞台であるイカの塩辛工場で主人公の横に彼女が登場したらこれで何かしらのエピソードが作られるであろうと想像するのだが100%肩すかしをくらう。炊きたてのご飯の逆光で食らうキュウリの風呂上がりの冷たい牛乳の美味そうなことよ食が生きている証を与え命の恵みが自ら生きることに何の意味があるのかを真っ向から描いておりこれはこれまで世の中に無かった傑作映画である
適材適所
観る人によって、気持ち悪い話にもハートウォーミングにもなり得る面白いストーリーでした。
私は泣くまでは行きませんが、ちょっと共感します。
ところどころ、面白い撮影方法の映像が入ったり、とても映画らしい映画です。
ほんわか温かいストーリーかも思っていたら、結構重い内容。
また、松山ケンイチ、ムロツヨシ、満島ひかりと、ハマり役っぽい。
監督も、自分で小説書いて、自分で映画にできるのはとても幸せですね。
ちょっとマナーの悪いおじさんがいて、スナック菓子やビニール袋がうるさくて集中出来ず。
お父さんはどっち向いていたんですかね、、、聴き逃しました。
(T_T)
刹那とムコリッタ
〝幸せ〟には持続性はありません。
基本、瞬間的、或いは一定時間に限られたものです。
愛の告白が実った瞬間。
試合に勝った瞬間。
何かの記録を達成した瞬間。
喜ばしいことのピークが幸せな瞬間なのであり、決してピークの状態は持続してくれません。
仏教用語では、瞬間=刹那。
人生の長い時間の中での思い出としてなら、学生時代の数年間とか、子や孫に恵まれた晩年、という年数単位での〝幸せな時間〟は存在しますが、限定的なものです。ムコリッタが、1/30日(48分)…転じてささやかな幸せ、という意味であるならば、そのような時間のことを指すのかもしれません。
あなたの人生は幸せですか(幸せでしたか)?
と聞かれたら、おそらく大半の人は、直近の記憶の印象から回答すると思います。
政治家や企業経営者としてトップに君臨した人が晩年は寝たきりの闘病生活だったり、妻や子どもたちのことで、不運な状態に置かれていたら、たぶん〝幸せな人生だった〟と即答できない。
反対に人生の大半を辛い環境で生きてきた人が、人生最後の何ヶ月かを愛する家族に囲まれて毎日の食卓が満たされたものであったなら、〝幸せな人生だった〟と迷わずに答えるのではないでしょうか。
だからこそ、人生のどんなタイミングであれ、幸せを感じる〝ムコリッタ〟を経験できたなら、それを忘れてはいけないし、永続性がないからこそ、刹那もムコリッタも大切に感じなければならない。
そのことを知っていれば、幸せな瞬間や幸せな時間への感謝の気持ちは今よりも深まるし、そうでない時間に対しても少しは寛容になれるかもしれない。
そんなことをつらつらと考えてしまう(悟りとは程遠いけれど)なかなか珍しい、そして体温に近い温もりのような感覚を味わえる不思議な映画です。
普通に「刹那の哀切・・生きること、生まれたものは必ず死に向かっている」感じる叙情作。
食とか富山の素朴な叙情と静かな時間がテーマと思ったら
基本「死生観」「一期一会」的な主題。
もっとも、事前に無料のリーフレットと小新聞みたいの観ていったから
内容察しがついたけど
貧乏、前科、朴訥
それが故に見えてくる刹那の積み重ねの重要さ。
誰でもわかる。誰でもある程度共感できる。
🥒🍅野菜や塩辛、味噌汁だけの粗末な膳が故、かえって美味そう。
東京ではなく、富山だからこそ表現できた、静かな叙情。
金持ちも、極悪政治家も 名を残さない人も、死は平等
そんなことを深く感じ入る作品。
設定はフィクションの賜物だけども気にはならない。
こういう人たちのアパートがあっても良いよね・・という感じ
小さな小さな幸せでもイイじゃないか、そういう作品。
1億9千万円かけなくても、心のこもった「送り出し」はできるよなぁ・・という作品
命の重さは皆平等。孤独死した人も、いろいろあったはず・・
ダレないので時間は短く感じる、ただし印象は「薄い」カモしれないねぇ。
作中は富山のイカ墨塩辛だけども、塩辛シンプルに飯に乗せて食べたくなった。
納豆と違って毎日は要らないけど、時折、無性に食いたくなるよねぇ。
配信で倍速では意味のない作品。ぜひ劇場で、せめて配信なら「通常速度で最初から最後まで」
観るべき作品。
脇役 柄本佑が何気に好演。
薬師丸ひろ子どこ出てた?と思ったら
「いのちの電話📞の相談員の声」ね。
富山オールロケ、なんか富山での作品、令和に入って多いねぇ。
安心してください、死なない人はいません。
この映画
なんていうことのない日常を切り取っただけなのに、観ている人にささやかな幸福感を与えてくれます。(合掌)
人は良い別れ方が出来なければ、いい出会いもないのかな〜ぁと思ったりします。
だから父親と、いや、自分の引摺っている過去といい別れ方をしているラストはこれからのいい人との出会い、触れ合いを暗示してるのかな・・
長い長い長ーい、夏。
雑な画、昭和脚本、そこはかと芳るプロレタリアに、いきなりのぶっ飛びエピソードで見る人を振り落とす展開。市井の人々の、小さくて塩っぱくて温かい物語りを、言葉少なに描写して行くところは好きですが。
朝日新聞がらみでは、まくこやツユクサに比べれば全然良いんですが。
なんか。やっぱり。素人がやってるのか?なセンスですよ。画にせよ、ロケーションにせよ、音楽にせよ。プロが本気出した感が無いってのが。
出番少な目ですが、キャストは豪華。薬師丸ひろ子は声だけ出演。流石に役者さんで見せると言う要素や、地味な長回しには感服です。
大好きな作品、増えた
約一年公開延期になりようやく観れたムコリッタ。登場人物も雰囲気もストーリーもストーリー展開も音楽も全て良い◎。これまたほんと良い意味で非の打ち所がない作品だった。今年のベスト10もしくはベスト5には確実に入りますね。
主人公の山田演じる松山ケンイチ始めとして、山田が住み始めるハイツムコリッタの大家さんも隣人も皆何かしら過去がある人達、まあ過去が無い人間なんていないのだけど、簡単に言えばナーバスになるような過去を持ってる人たちで、詳細が事細かに描かれる事は劇中では無いんだけど、それぞれの暮らしぶりや人柄、癖などを見てると何となく伝わってくるものがある。そこがこの映画の凄いところのひとつだった。心の傷や暗闇を、涙を敢えて誘う演出やシーンをねじこまず、別のアクションや方法で観客に伝えてきて、そこがこの映画のもつ雰囲気を保っていた気がしました…。素晴らしい。
「すばらしき世界」同様、前科をもっている人間がその後どう日常生活を送るのか、どんな人間関係を築いていくのか、って、ドラマにして楽しむものではないけど、やっぱグッときてしまうんだよなあ…些細な事や些細な幸せを感じるシーンで。それはもはやもう些細じゃないんだよね。終盤は顔がぐしゃぐしゃになった、涙がどんどん流れた。割と8割型幸せなあったかい涙出たよ。
ハイツに住む人達の出会いから、不器用ながら徐々に距離が縮むところから、ラストシーンまで、何か分からないけど目が離せなかったのは、多分みんながみんな愛おしい、愛すべき人達だったから。かな。心あったまったな。
あと「かもめ食堂」の荻上直子なので、観に行った人ら全員期待してたであろう、最高に美味しそうなご飯シーン。今回もばっちりだった…。私も山田の炊いたご飯が食べたいよ…。あんなに美味しそうな白飯久々に見た気がする。白飯って人類の幸せアイテムのひとつだね。
これまた人生の宝物映画にラインナップだ。
潔癖にはムリダッタ
2022年劇場鑑賞210本目。
出所して塩辛工場に就職し、そこで紹介されたアパートでの交流(大体ムロツヨシ)をゆったりと描いた作品。
お金がないので仕事をしているとき以外はずっとのんびりしているのですが、そこにムロツヨシがやってきて風呂貸せだの部屋にあがって人のビール飲むだの人の塩辛箸突っ込むだのでちょっと自分はムリだなと思いました。そこさえ目をつぶれば見た目美人なのに結構ヤベェ大家さんとか、顔のまったく出てこない江口のりことか、どこに出ていたか分からなかった薬師丸ひろ子や田中美佐子などキャストは超豪華でした。独特ですが楽しめました。
はいっ!伏線回収!の連続
松ケンとムロツヨシの化学反応がすごい!
くすくす笑いが止まりません。
隣の席のおばちゃん2人はムロツヨシが出てくる度に手を叩いて喜んでいました。
そして、白いご飯に塩辛にマヨネーズつけて採れたて野菜を丸かじり、お漬物、てっさ(ふぐ刺し)、すき焼きなど、美味しそうな食べ物の数々にお腹が鳴りそうでした。
前半笑って観ていた時に出てきた食べ物や子どもの遊びなどが後半で次々伏線回収されていくのも上手くできています。
なぜ服役後の仕事がイカの塩辛作りなのか。
なぜミニマリストが野菜を作っているのか。
なぜ子どもたちがピアニカを吹いたり宇宙人を呼ぶ遊びをしているのか。
なるほど!
全部繋がってスッキリ!
隣人たちとの食事シーンは全てほのぼのして温かく、自分の昔を振り返って、同じ釜の飯を食った仲間を思い出しました。
そして、衝撃的だったのは、満島ひかりの遺骨の愛撫がエロティックなところ。
遺骨に関する法規制も知れてよかったです。
現実的な心の苦しみ、やるせなさと、ファンタジックな部分が溶け合ってまろやかにクリーミーに仕上がっている感じ。
崖っぷちではなく、川っペリで明るく強く生きていく人達を観て、どんな時も人と関わって、きちんと食べていれば、生命は繋がっていくのだなと感じました。
日常の幸せってそこらへんに転がっている
萩上監督が原作・脚本の徹頭徹尾彼女の作品という主張がいい。
へんにCMイズムされない潔さ、しかし人生に大切なことは、すべて描かれている。
出演者は地味で豪華です。
初めてムロツヨシさんという役者はうまいなあと思ったかも・・
反対に松山ケンイチさんは、前半抑え気味で人物がぼやけてるなーって感じたん
ですが、後半解き明かされることで、なかなかの人物造形でした。
満島さん「川の底から・・」より数段よかったですよ!吉岡くんも親父の満男になって・・
ムコリッタの定義に関して、他の記事にいっぱい書いてあるので、言及はしませんが
懐かしいATG作品のような道を練り歩く葬儀(ちょっとうらやましいなぁ)
お父さんあの世で喜んだでしょうね~?
不思議と生きることに前向きになれる
コメディーでもファンタジーでもない不思議な映画だが、観終わった後に、生きることに前向きになっている自分に気付く。
それは、過去の過ちのせいで心を閉ざしていた主人公が、ずうずうしい隣人のおかげで「幸せになってもいい」と気付く様子や、それを補強するかのような美味しそうな食事のシーン、そして、死者の弔いは、生きる者のためにこそ行われるべきであるというメッセージから、自然に沸き上がってくる感覚なのだろう。
人は一人では生きられないし、生者であれ、死者であれ、他人と関わることによってしか生きていけないものなのである。
欲を言えば、隣人たちの過去に何があったのかを、もっと詳しく知りたかったし、主人公と、ミニマリストの隣人だけだなく、大家さんの母子やお墓のセールスマンの父子とのカラミも、もっと観たかったと思う。
ただ、あまりエピソードを詰め込むと、タイトルにもなっている独特のゆったりとした時間の流れが阻害されることにもなりかねないので、これはこれで良かったのかもしれないが・・・
白飯の匂いが伝わってくる
炊きたての白飯の美味さがスクリーンから直に伝わってきて、空腹がとても刺激される。松山ケンイチとムロツヨシの食べっぷりも見ていて気持ちよく、おいしく食べることが食べ物への最大の感謝。そんなことを考えてしまう。
コミカルなテイストで軽快に物語が始まり、徐々に登場人物の過去が明かされていく。
序盤は気にならなかったのだが、中盤あたりからキャラを作りすぎというか、奇をてらいすぎというか、感情移入を妨げるような演出がノイズになって、単なる変な人たちを見せられているようにも感じる。
すき焼きのあたりは、ちょうどいいバランスだったのに、ファンタジーにいったり、エロスを醸し出したりして人間ドラマとしては浅くなってしまっている。
食欲はそそられましたが、物語しては今ひとつ。そんな作品でございました。
帰る場所を無くした人達が帰る場所をつくる話
本当は2021年公開だったんですよね。いろいろ葛藤はあったかと思います。何せこの映画、みんなで同じ釜の飯を食うシーンが結構あるので、延期に至った厳密な理由は存じ上げませんが、撮影とか世情とかいろいろなことを考えなきゃいけなかったんじゃないかなと。
ただ、この場面が省かれてなくて良かったです。話の内容からして、この場面は最重要。そして肉にキュウリ、イカの塩辛にコメ…出てくる食材それぞれに意味がある。
予告編とキャスト、製作陣の面々から絶対ハズレは無いだろうと思っていましたが、期待以上でした。
社会からいろんな理由で弾かれたが故に、帰る場所を無くした人達が、自分達の帰る場所を作っていく物語。
結構いろんな場面で映画館内にクスクス笑いが起きてました。大体はムロツヨシ氏が出てくる場面でしたが。
個人的に好きなのは、主人公がある人との別れを思い起こし、ポツリと一言だけ呟いた某場面。
観た方には『柄本佑』『アパート』の単語だけで簡単に連想頂けるかと思いますが。あの場面でかなり本気で泣きました。
また観に行きたいです。地味ですが、観れば観るほど旨味が深まるような作品。
誰かを亡くした人たちに訪れる ささやかな幸せ
ぼく、お金ありません!久しぶりに日本人でよかったな〜と思える作品に出会えた…本当にいい映画だったな。仏教的思想が感じられる。最初に気づいたのは主人公・山田が風呂上がりに窓際で牛乳を飲むカットだけど、それ以降も(他の人と同じカットに収まるときは別)常に構図として前が詰まっていて後ろに空間を背負う形になっていて、山田の過去やそれに対する後ろめたさを象徴的に示唆していた。あと、包み込むように暖かな光が差し込んでいるのが印象的だった。炊きたてふっくらご飯みたいな映画でした!
ご飯炊く才能ある"山ちゃん"、松ケンの自然体な魅力。"社会性のない"土足で強引にズカズカと上がり込むピュアなムロツヨシの魅力。二人の食事シーンの長回しが毎回すごく良くて、本当に美味しそうだったし、会話劇としても良かった。助演男優賞など獲ってもおかしくない。満島さんも安定に素晴らしい。山田の働く水産会社の社長の少し暑苦しいくも、同時に真剣に向き合う人としてのあったかさみたいなものがあって素敵だった。
ありがちな表現になってしまうかもしれないけど、ぼくたち現代人が忙しなく過ごす中で忘れがちなものを思い出させてくれるような優しい空気が流れていた。その中で、悪く言えば作品から"浮く"ような、異彩を放つカットやシーンがいくつかあったけど、それが作品通して見たときに決して悪目立ちするわけではなく、むしろ却って登場人物たちをより身近に感じる大切なタイミングとして効果的に生きていた。その他、ワンシーンくらいしか出てこないキャストも名前のあるしっかりとした役者陣だったり、総じて魅力的。大切な人や身近な人を喪ったときの向き合い方、弔い方も人それぞれ。この出会いを大切にしたい。
☆満島ひかり出演。彼女の「女」を感じる描写を初めて観たような、、松...
☆満島ひかり出演。彼女の「女」を感じる描写を初めて観たような、、松山ケンイチ主演、ムロツヨシの共演で、孤独な青年がアパートの住人との交流を通して社会との接点を見つけていく姿を描く。
主人公・山田役を松山、島田役をムロがそれぞれ演じる。タイトルの「ムコリッタ(牟呼栗多)」は仏教の時間の単位のひとつ(1/30日=48分)を表す仏教用語で、ささやかな幸せなどを意味する。
「友達って呼べる人が数人いるけど最近会ってないな~」 ってヒトが見に行くといい映画です。
学生の時ってさ、友達関連が頭の中のほぼ9割を占めていた。
うまくいってる時は最高に楽しいけれど、気をつかったり、悩んだり、落ち込んだり。
「あの子にこんなこと言われた…うぅ…」、「ああーーーどうしてあんなこと言ってしまったんだろうーーー」そんなことばっか考えた。
友達関係が上手くいくことイコール学生生活が上手くいくことだった。
けれど、この映画は
友達にならなくても、
一緒にご飯食べたり同じ作業をしたり(畑とか防災とか)の時間って、
楽しいもんなんだよ。
って伝えてくれる映画です。
友達関係が世界の100パーセントを占めてた
昔の私がこの映画を見たら、
「はっ」と気づくことが出来ただろうか?
それとも、
この映画のメッセージに全く気が付かずボヘエ~綺麗なエイゾーって
思っただろうか。
この映画のムコリッタ(仏教用語で60分にちょっと足りない48分のこと)とは、
通常にちょっと足りないってことだな。
普通の人より、ちょっとお金が足りない
普通の家族より、ちょっと誰かが居ない
普通の人より、ちょっと生きる意欲が少ない
死を通して生きることを描いている映画ですので、
ほのぼのした映像なのに、
幸せな気持ち100パーセント!!!になる映画ではありません。
んー、どんなヒトが見に行ったらいい映画かな。
人生いけいけドンドンなヒトは見に行っても面白く思わないんじゃないかな。
だからといって崖っぷちなヒトが行くのもちょっと違うな。
んー。
「友達って呼べる人が数人いるけど最近会ってないな~」
ってヒトが見に行くといい映画です。
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