劇場公開日 2022年9月16日

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「不思議と生きることに前向きになれる」川っぺりムコリッタ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0不思議と生きることに前向きになれる

2022年9月17日
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コメディーでもファンタジーでもない不思議な映画だが、観終わった後に、生きることに前向きになっている自分に気付く。
それは、過去の過ちのせいで心を閉ざしていた主人公が、ずうずうしい隣人のおかげで「幸せになってもいい」と気付く様子や、それを補強するかのような美味しそうな食事のシーン、そして、死者の弔いは、生きる者のためにこそ行われるべきであるというメッセージから、自然に沸き上がってくる感覚なのだろう。
人は一人では生きられないし、生者であれ、死者であれ、他人と関わることによってしか生きていけないものなのである。
欲を言えば、隣人たちの過去に何があったのかを、もっと詳しく知りたかったし、主人公と、ミニマリストの隣人だけだなく、大家さんの母子やお墓のセールスマンの父子とのカラミも、もっと観たかったと思う。
ただ、あまりエピソードを詰め込むと、タイトルにもなっている独特のゆったりとした時間の流れが阻害されることにもなりかねないので、これはこれで良かったのかもしれないが・・・

tomato