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2020年11月29日
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映画レビュー
コメディエンヌな新境地グイ・ルンメイ氏
2020年台湾制作映画。チャン・ヤオシェン監督初作品。
フライヤーで、監督さんが、昨年のTIFFで観た『ひとつの太陽』の脚本を担当した人という紹介文を見て、良い映画だったので、今回も期待をしていました。
そして何より、みんな大好きグイ・ルンメイが主演ですよ!!
大画面にも堪えうるほどの美しい容姿。また一段と綺麗になってたね〜 ヽ(;▽;)
敗血症で亡くなった夫(トニー・ヤン)の切断した足を探して、グイ・ルンメイ演じる妻の奮闘話。ちょっとコメディーもあるドラマ。たまにクスッと笑って、最後はちょっとホロッとさせられて、グイ・ルンメイの綺麗なダンスシーンも時々織り交ぜて、気持ちを掴む素敵な内容です。
病院で夫が手術を受けるというシーンから始まり、後は妻の回想と現在の行ったり来たりな展開。社交ダンスをしていて、パートナーであり、夫婦でもあり…って、何だか情熱から入った愛って感じで、冷めるのが早そうな気がしたけど、グイ・ルンメイ様(の役)は違います。一途なんですよ。反して、トニー・ヤン(の役)は、良かれと思ってやる事が全て裏目。今をときめく台湾俳優四天王のイケメンが、こういうダメ役ってのも絵になってイイなぁw。
どんな人でも毎日、沢山の選択をして生きている。朝は何時に起きるか、服は何を着るか、そんな日常から、人生を左右する選択まで様々。無意識に最良の選択をしているつもりなのに、それが良い結果をもたらすとは限らない。
人は何故、選択をし続けるのか?それは幸せになりたいからであろう。
何かの目標を持つ人にとっては、上昇志向って必要なことなんだろうけど、何かを得ることは同時に何かを失うことでもある。なかなか一挙両得ということは少ない。
夫は妻の幸せのために、ダンサーとして1番大切な足を失ってしまった。無くしたものは二度と手に入らない。失って、どれだけ大事なものかを後悔させられるのが定番だけど、この作品は、それをねじ曲げようと奮闘するところが面白いところ。失ったものって、取り返しのつくことと、つかないことがあるよねぇ。妻はどうして、夫の足を取り戻したいと思っているのか?取捨選択にまつわるヒューマンドラマ。観る価値のある面白い作品です。