「悪魔の所業」息子の面影 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔の所業
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アリゾナに働きに行くと言い行方不明になった息子を探しに出る母親の話ですが、
ラスト30分は衝撃でした。
息子の足跡を追って、メキシコの田舎まで行き、
息子と同じバスに乗っていたというお爺さんを見つけ話を聞くものの
息子はもう亡くなっていそうだ・・・という決定的な話で確信していたものと思います。
そこで、夜中にギャング(なのでしょうか?よい表現がみあたらず)襲われ&探されるシーンにおいて、
自分と対峙したのが行方不明の息子だったという、衝撃のラスト。
バスの乗客はほぼほぼ殺されているわけですが、息子は友人を殺すことで生き延びたわけで、
また、仲間になったわけですね。
ここが人から逸脱して悪魔になったという、そういうメタファー的な炎の中にうかびあがる悪魔のビジュアルで
示唆されていたと思います。
最終的にはお母さんは息子は亡くなったと割り切り、遺体引き取りの書類にサインをして締めているのですが、
このメキシコが抱える闇、耐えない犯罪、人の命を軽んじるのがまた人であることに恐怖を覚えますし、
こんな世界であるがゆえに、各地の戦争・紛争もなくならないのだろうと感じました。
ラスト30分に至るまでの母の心情がロードムービー的に丁寧に描かれていますが、
最後の落とし方が凄すぎる衝撃作でした。
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