劇場公開日 2022年5月27日

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「悪魔は国境の向こう側にいるか?それとも……」息子の面影 BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5悪魔は国境の向こう側にいるか?それとも……

2022年5月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

あまりこの辺の知識はありませんが、多分リアルなメキシコの国情を入れ込んだ作品だと思います
ざっくりとした要素↓

①仕事を見つけるために北米に渡ろうとするメキシコ困窮世帯の若者
②メキシコから北米に行くのは大変、だが帰る(強制送還)のはあまりに簡単な回転扉形式の国境ゲート
③完全にメキシコ移民を見下してる感ある北米側の警備員
④メキシコ内部の移動だけでも、ところどころで銃を持った人間にエンカウントする
⑤メキシコ内部についてその他の事情:でっかい河も手漕ぎで渡るし、なんなら向こう岸にも銃持ったおっさんが立ってる

なお、消息不明の息子を探すために、身元不明のご遺体と対面する場面があります。
このご遺体が入っているのが、黒いゴミ袋みたいなやつなんですよね。それが学校の備品みたいに棚の上に置かれている。
実際もこんな感じなのかはわかりませんが、親子判定のための血液検査から遺体との対面場面まで、非常に事務的な感じで居た堪れなくなりました。

決め手はラストの場面ですね。
間違いなく、今年入って日本で公開された映画のうち、3本の指に入るレベルの胸糞悪さです。

脚本は秀逸ですが、全体的に起伏がなくたんたんと進行するので、中盤で気疲れしそうになります。
ただ、ラストまで観る価値はあります。
フィクションより、どちらかと言えばドキュメンタリーが好きな方に合いそうな作品かと。

BONNA