「静かなエンドロール」息子の面影 Sakikoさんの映画レビュー(感想・評価)
静かなエンドロール
これがメキシコ国境で起こっている現実なのか。
目の前にいる人が、敵なのか、味方なのか、分からず、常に生命の危険を感じる緊張した状況。
消息不明になった息子を探しに国境へ使うは母親と、そこでの出会いを静かに紡ぐロードムービー。
とにかく映像が美しい。昼と夜とで違う姿を見せるメキシコの雄大な自然。木々、雨粒、星空、湖の水面、月、太陽。ロウソクの光、テールランプの光、それから炎。
音もいい。自然の音、鳥のさえずり、虫の声。ミゲルが歩いて米国からメキシコの国境を越えるシーンは、映像も、どこか不穏な音楽も、すごく良かった。
ラストは息を飲んだ。静かなエンドロールを見ながら、大きくため息をついた。
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