「多様性の集大成」エターナルズ デッカー丼さんの映画レビュー(感想・評価)
多様性の集大成
ざっくり言うと神話や歴史が実はエターナルズやディビアンツによって成り立っていたと言う話。
クロエジャオ監督はノマドランドでフロンティア時代の遊牧民のような生活を俯瞰してドライに撮り、ドキュメンタリーの様にリアルでありながら人と人の繋がりの温かさを映した力量を活かし、今回もフラットな視点で人類史を描いていた。
■感じられたオマージュ
2001年宇宙の旅
巨大な直角の有機体が太古の人間の前に現れ、道具を与えその瞬間現代になる描写は完全に2001年宇宙の旅。
自分たちが作られた存在であるという事実を知るシーン、ドームのデザインは未来世紀ブラジルの拷問部屋、自分はオリジンの一個人ではないという描写はクラウドアトラスやブレードランナー。
人命か任務遂行かを天秤にかけるという葛藤や
人は新たな生命のために命を捧げるか?という哲学的な問いが全体を占めるため消費される映画としてはあまり面白く無いものの、世界が一つの島だったら?みたいな凝縮した世界観でエターナルズを観れるので、社会問題をシンプルに考えやすいと思う。
そして存分に多様性を盛り込んでいたり(人種だけでなく鬱病なども)、セックスシーンを初めて導入したところなど、マーベルのご都合主義を少し覆してくれたのは大きな挑戦だったと思う。
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