「人間同士の化学反応が生み出すもの」パリの調香師 しあわせの香りを探して みにこさんの映画レビュー(感想・評価)
人間同士の化学反応が生み出すもの
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自らの才能に気づき頂点を極めた女と自らの才能に気づかず埋もれていた男が織り成す物語。
調香師という職業ゆえに香りの殻に閉じ籠り、そこに人間臭さを失ってしまったアンヌ。
また彼女を取り巻く周囲の人間もビジネス至上主義で彼女の才能はお金を生み出す手段でしかない。
偏屈で頑固で変り者のイヤな女だと思ったけど本音は苦しくてしんどかったんだろうな。
調香師という職業の過酷さも垣間見た気がした。
「匂いだけが人間じゃない」、核心を衝く言葉に自分の殻を一寸だけ破ってみようとするアンヌが意地らしかった。
互いに余り多くを語らないが、二人の化学反応により、互いの人生が再生されていく、味わい深い話だった。
香水は人間を幸せにする香りなのだから、人間をしっかり見なきゃね、っていうメッセージはしっかり受け取れた。
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