パリの調香師 しあわせの香りを探してのレビュー・感想・評価
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キャラの調合もお見事
香水作りの一線から退いて畑違いの匂い対策で糧を得ている調香師のアンヌと、家庭問題を抱えるハイヤー運転手のギヨームとの出会いと心の融和、再起への道程を描いた人間ドラマ。
香水作りも芸術的分野、嗅覚障害なんてベートーベンの苦悩を彷彿とさせますね。
それにしても、しっくりくる納得の邦題は久々の脱帽です。
香水なんておじさんには縁遠いが、遺跡の匂いの再現、ハンドバッグのなめし皮の匂い消しや、工場の排煙対策など事例のユニークさもあって興味をそそられる。ディオールやエルメスの実際の調香師さんが監修したとあって説得力も流石です。
調合の妙と言えばキャラ設定もしかり、ただの善良なオヤジでなく必然性のない自販機やスーパーでのちょろまかしシーン、高圧的で冷淡な主人公が次第に懐柔する様は北風と太陽のお伽噺にも似た流れ、特に華々しい内容も無く淡々とした日常を描いた映画ですが魅了されました。
足して広がる可能性
1+1が如何様にも変化するのは、
香りだけじゃなく、
人間同士でも同じ。
協力し合えば無限の可能性。
まったく違う人生の二人が出会い…影響され合っていく物語
一度挫折を味わった調香師と不器用に生きている運転手。
その二人の出会いが、お互いに良い影響を与え合っていく。
静かだけど良い映画観たなぁ~って感じ。
フランス映画の良さがある。
やさしすぎる運転手
愛想のない女性の調香師
イヤと断れない優しい運転手
まあ
出来ないと言っても最後は
やるはめになるけど
そういうやり取りがオモシロイ
彼女は人と話すのは得意じゃないから
彼に本音をぶつける
彼の思いやりとやさしさに
拍手~
ラスト15分で完結
エマニュエルドゥボス扮する鼻が効かなくなった調合師とグレゴリーモンテル扮する運転手ギョームファーブルが助け合う物語。
そりゃあ香りを仕事にしているのに鼻が効かなくなったら一大事でどうなる?と言う事だが、乱暴に運転手を扱っていたから最初はケンカ別れだったのが何故か馬が合うふたり。せっかく麗しい展開だったのにラスト15分で完結してしまうのは趣に欠ける気がしたな。
香りも人もマリアージュマジック
変なタイトルつけたけど、「結婚」というより「別の2つのものが調和して予想外の効果をもたらす」という意味でマリアージュマジックな映画でした。
フランス映画は淡々としていて眠くなるんだけど、ほっこりな気持ちになる。
運転手の男性と、有名調香師の女性。
最初は相性の悪い組み合わせだったけど、段々と心を開いて頼れる仕事のパートナーになる。
運転手から無職になり、調香師になるなんて、人生ってわからないもの。
この映画で調香師の仕事がどんなものか知れて面白かった。
華やかな世界に見えるけど、地味でやりたくない仕事ももちろんある。スランプもある。
でも、香りが本当に好きだからできるんだなと思った。
懐かしい黄色い石鹸の香り、芝生を刈ったときの香り、
目で見た物や景色だけでなく、香りも記憶として残る。
そんな繊細な思い出を呼び起こせるって幸せ。
最後の学校のシーンはじんわりきた。
良いお話。 日常の中で、視覚、聴覚、味覚は、日本ではそこそこ市民権...
良いお話。
日常の中で、視覚、聴覚、味覚は、日本ではそこそこ市民権を得ているが、嗅覚は、まだまだかも・・・。香りは、無意識の内に、人に大きな影響を与えてるんだよね。
クボタだ
冒頭の親子のシーンで、この父親どうやっても好きになれそうに無い!から始まりやはり段々と応援してしまうのです。洞窟からなかなか鼻が利きそうだど思う所から調香師に、煙草をパコパコ吸いながら。まぁ可愛い10歳の娘の為ならえんやこらで良かったんじゃないでしょうか。予定調和ながらもいい気分で終われました。
誰かと何かを分かち合うこと
『パリの〜』『しあわせの〜』という邦題ダメダメ要素が二つも入っているタイトル、生れながらに嗅覚の鋭さは持っていたにせよまったく素養なしの人間が“匂い”を仕事に出来るだろうかという疑問はあるにせよ、この作品を評価したいのは、この二人の出会いを安易に恋愛に持って行かなかったことにある。
運転手としての能力にも疑いのある(嵩む減点、料金所でのスマートさに欠けるetc.)ギョームではあるが、娘と過ごす時間を大事にしているという一点に関しては間違いないし、どこか人好きのする人柄は、人付き合いが苦手で親しい友人もいないアンナの心を開いていく。
アンナの助言はギョームに自信をもたらし、ギョームの素直な心はアンナに誰かと何かを分かち合うことの心強さ、充実感をもたらす。
男女が(二人の人間が)出会ったからといって、必ずしも恋愛に至るわけでもなし、そうでなくとも充実した人間関係を作ることが出来る、今作はそういうことを改めて教えてくれた。
“香り”、“匂い”に関する仕事がこれほど多岐にわたるというのも興味深かった。
天才的な嗅覚を持った女性調香師とかなりいい加減な性格のドライバーが...
天才的な嗅覚を持った女性調香師とかなりいい加減な性格のドライバーが織りなす人間模様がいい。
女性調香師は鼻は効くが、人付き合いが苦手でぶっきらぼう。
それが男性ドライバーのいい加減な性格で次第に緩和されていく。
男性と10歳の娘との関係も段々良くなっていくのもよかった。
どんな分野でも究めるとすごいよね
この香りを嗅ぐとあの頃を思い出す。
香りって大事なんだと気付かされる。
どんな仕事や分野にも『世界』があるんだよね。
その世界を深く掘り下げていく。人と比べることじゃない。そんなことを教えてくれた映画でした!
フランス映画、最高!ブラボー!
健康でいること
最高の香りを作るためには心の健康、最高の仕事をするためにも心の健康が必要。
最高のパートナーを見つけられて良かった。
年齢のせいで仕事を失うのはつらい。
いつまでも頑張ってほしい。
フランス語の響きから香りが漂ってくる
マスクをしての鑑賞だったが、ちょっと鼻がすうっと抜けた気がする。
怒った声も独特の声で和らぐ。
終わり方もフランス式でイイね〜。
J'ADORE ジャドール=大好き。
塩尻市の東座。
久しぶりに近所の小屋へ行きました。
「男」とか「女」だとか言うのはあまり好きじゃないけれど、素敵な女支配人が切り盛りしている、とても小さな映画館です。
彼女がいる日は当たり。
いない日は・・ハズレです。
(おじさんご免なさい)。
雨の夜です、今夜はお目当ての彼女はいるでしょうか?
・・笑笑・・《😉♪》 でした
雨の夜にバイクで行った甲斐があったというものです。
本日の出し物は「パリの調香師」。
受付でその美しい彼女がチケットにディオールの「ジャドール」を吹いてくれます。
そして細い手をスッと伸ばして、白く長いムエット(紙片)にもう一種類の香りを、僕に手渡しながら
「映画の最後にこの香りの答えがわかりますよ」とニッコリ。
たった4人の観客ですが、明かりの落ちた館内には ほのかにジャドールが漂います。
🎵
で、
映画が終わりまして、(えっ!もう終わりかよ)
出口の受付前で、くだんのヴィーナスが微笑みながらお客をひとりひとり見送ってくれます。
とうとう今夜も渡せませんでしたよ、ポケットの中の小さなDiorのイヤリング。
たいして何も語れずじまい。 ― 僕のお気に入りはパルファムDior Hommeだってことも。
もしおしゃべりが弾めば昼間の愛車でのドライブはGUCCIのENVYの香りだってことも ― 。
この映画館は、
町内のレストランとコラボして「映画に登場したお料理を鑑賞後に食べにいける♪」なんていう粋な企画もやるんですよね、
映画って、そうなんですよ、“五感”で楽しみたいし、今回の“香り”ももちろんそう。
映画館の前に立ったときからきょうの物語は始まっています。切符売り場から映画は始まっているんです。
・・・・・・・・・・・・
抱きたる汝が細き手を夏ツバメ
ほどき飛びたちジャドールと叫び
・・・・・・・・・・・・
追記:
おっと!
映画の中身には何も触れていませんでしたねー(笑)
嗅覚を失って入院してからのアンヌの眼差しが、ホント穏やかで良かったなぁ。失意の度合いに反比例して、人間の匂いに目を覚ましていくあたりです。
新型コロナウイルスが収まりません。「嗅覚の危機」です。
僕がワイン工場を辞めたのも、薬石効なく、花粉症のせいでした。年間3ヶ月は鼻がバカになります。それではどうにも仕事にならないのです。
本作品の主人公=香水の調香師や、ワイン、ウイスキーの醸造家たち、そして料理人やソムリエ等。彼ら「鼻」が生命線である練達者にとっては、コロナ・ウイルスはまったく恐怖そのものだと思います。
エール大学の教授がラジオでレポートしていました ―
「味覚や嗅覚の低下、そして引き起こる体のだるさ。これらコロナの典型的な症状を研究して判ったことは、定説に反してこのウイルスは首から上、つまり脳の内部にまで侵入して神経系をおかしている」
と。
・
夏草の香り
刈り取ったばかりの青草を渡る風
降り始めた夕立の気配
泣きながら顔を埋めたぬいぐるみ
乳臭い生まれたばかりの弟
おばあちゃんの家の夏休みの匂い
中学校の図書館
あと何分で炊き上がる~御飯釜
お線香、蚊取り線香、網戸を抜けてくる夜風
やわらかい晩秋の腐葉土
カビてゆく根雪
そしてもちろんあれね、
お母さんがお布団干しをしてくれた日の幸せ
etc. etc. etc.
「嗅覚を失うこと」がどれほど僕らにとって残念なことか気づけば、コロナの恐ろしさは、それはそれは気を失なうほどです。
人間同士の化学反応が生み出すもの
自らの才能に気づき頂点を極めた女と自らの才能に気づかず埋もれていた男が織り成す物語。
調香師という職業ゆえに香りの殻に閉じ籠り、そこに人間臭さを失ってしまったアンヌ。
また彼女を取り巻く周囲の人間もビジネス至上主義で彼女の才能はお金を生み出す手段でしかない。
偏屈で頑固で変り者のイヤな女だと思ったけど本音は苦しくてしんどかったんだろうな。
調香師という職業の過酷さも垣間見た気がした。
「匂いだけが人間じゃない」、核心を衝く言葉に自分の殻を一寸だけ破ってみようとするアンヌが意地らしかった。
互いに余り多くを語らないが、二人の化学反応により、互いの人生が再生されていく、味わい深い話だった。
香水は人間を幸せにする香りなのだから、人間をしっかり見なきゃね、っていうメッセージはしっかり受け取れた。
がんばれギヨーム
ハイヤー運転手のギヨームは親権も仕事も失う寸前のギリギリおじさん。そんな彼がある日お仕事で乗せたアンはコミュ症で思いやりにかける女性だが、お互いに欠けた部分を補うことができ。人には思いがけない才能がある場合もあり、向き不向きもあると気づかせてくれるドラマ。
アンのが全面に出ててアンの話かと思ったらむしろギヨームの話だった。悪い奴ではないがそんなに同情もできないながら、100分の中できっちり成長を遂げる。
副題はダサすぎる。
【”香りの世界”に閉じこもっている調香師と、ハイヤーの運転手。心に傷を負った二人の関係性の微妙な変化を繊細に描いた作品。】
■感想<Caution! 内容に触れています。>
・アンヌ(エマニュエル・ドゥボス)は、且つては一流ブランド”DIOR”の香水の調香を任されていた天才調香師。だが、現在は一度、嗅覚に異常を来した事が理由で、革製品の悪臭緩和などの仕事に甘んじている。
そして、彼女は香の世界に長年閉じこもっているためか、他者とのコミュニケーションが上手く取れず、それが高慢に取られることも屡々だ・・。
ー 嗅覚の繊細を維持するために、アンヌがハイヤー運転手のギヨーム(グレゴリー・モンテル)の煙草を箱ごと、窓から捨てるシーン。彼女の性格も一発で分かる・・。ー
・ハイヤー運転手のギヨームも妻と別れ、愛娘レアと時折会う事が生き甲斐のようだ・・。だが、仕事は不安定で、過去に交通違反を何度か犯した事で、職の維持も危うい・・。そんなギヨームがアンヌのハイヤー運転手として雇われ・・。
ー 二人の関係性は、序盤は宜しくない。ギヨームは”アンタは荷物を運べと命令するだけで、礼の一つも言わない!”と吐き捨て、アンヌの元を去るが、再びアンヌから指名を受ける・・。アンヌはギヨームの嗅覚の鋭さに、少し気付いていたのではないかな?ー
・アンヌが仕事や人間関係のストレスで睡眠薬を過剰に摂取してしまい、ギヨームは救急病院へアンナを届けるが、スピード違反で職を失い・・。
ー アンヌとギヨームの関係性が、大きく変わった出来事である。そして、アンナは懸案の工場から排出される煙の臭い対策を考えるため、ギヨームの嗅覚を頼る・・。ー
<アンヌとギヨームの人物造形が独特であるが、二人とも相手が”傷を抱えた”似た者であることを、気づいて行く過程が、面白い。そして、アンヌとギヨームの関係性が、徐々に変化していく・・。小粋な作品である。>
<2021年3月28日 刈谷日劇にて鑑賞>
タバコのニオイが気になりますか?ニオイの問題ではない。
工場の煙のニオイが気になりますか?だからニオイの問題ではない。
フランスの映画。
偏屈な調香師と娘思いパパ運転手の取り合わせがよい。幸せを探す彼らは真剣。
クスっとした笑い所を自然にいれており、無駄なシーンの少ない手堅い作品。
強いパンチこそ無いが見る価値あり。
良い点
・題材
・ED曲
悪い点
・カメラワークが撮ってる感が所々
感じのいいフランス映画
エージェント物語に出てる彼はとてもいい味を出していて、この主人公とのコンビが見ていて微笑ましいです。こういう良質なフランス映画はもっと観たいです。素直に楽しめました。
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