ブニュエル ソロモン王の秘宝
2001年製作/105分/スペイン・メキシコ・ドイツ合作
原題または英題:Buuuel y la mesa del rey Salomon
2001年製作/105分/スペイン・メキシコ・ドイツ合作
原題または英題:Buuuel y la mesa del rey Salomon
カルロス・サウラ監督特集開催 「ブニュエル ソロモン王の秘宝」を劇場初公開
2020年11月15日スペインの巨匠カルロス・サウラの創作の秘密を紐解くドキュメンタリー映画公開
2020年9月25日もう一度見よう♥
ブラームスの4番
ワグナーのトリスタンとイゾルデ
鏡の作り出す光はモーゼの『出エジプト』海が割れる。
3人はユダヤ、キリスト、イスラムを意味するんじゃないかなぁ?
シュールレアリスムは
ソロモンの秘宝、
過去現在未来を全て写す鏡であるテーブル
ブニュエルと映画を作る、自尊心と好奇心のあいだで話を作り思い出しまた作る、
友はロルカとダリ、ロルカは純粋にしてそのままに銃弾に、 斃れる。
現状と夢を往来し、その間にあいた奈落に落ちる。
鏡が映すものは醜い戦争、妬み、憎しみ、途方にくれる女たちの涙。全ては二面性、両面鏡のようだ。
ランプの光、蝋燭の光、紙片や本を燃やして灯す灯り、街灯稲妻の光
全ては闇の中に、奈落へ。私たちは罪深くどこにも行けないだろ
老ブニュエルが 若い頃の自分と友人を主役にした映画の構想を練り始める
それは映画の構想を練る3人が
ユダヤ人の陰謀により(←仕事依頼のプロデューサーがモデル)
〈ソロモンの秘宝〉探しに誘導されてゆく… というものだった、が…
ベッドメイキングに来たメイドに魅了された彼は
さっそく構想に登場させ静かに股間に手をのばす…
構想とは妄想か?
タベラ枢機卿の墓でイメージを膨らませ
震えるダリとロルカをよそに
金髪案内人の尻をそっと触るブニュエル
三方向に分かれ各々の闇を訪ねる処でも
彼だけは女性の後を追っていってしまう…
ダリとロルカのデリケートさに比べ、やや図太いブニュエル
どうしても女性に引き寄せられていってしまうブニュエル
この図太さと好奇心と本能が
「ビリディアナ」という問題作を作ることが出来た一因のような気がした
真摯にカトリックも探究する彼がテラス席で司教と議論を交わす
ロルカが同時に詩を朗読しちゃうのが可笑しい
さすがフラメンコ3部作を作ったサウラ監督らしく
ロルカの闇(彼にはない)の場面での歌と踊りには魅了された
「ビリディアナ」は宗教界にとって〈悪夢〉?
彼等はその探究心を利用され〈秘宝〉をエサに
ドリームキャッチャーのような迷路に〈秘宝〉と共に〈宗教界の悪夢なので〉閉じ込められてしまう… という構想になってしまった!
自由連想法の活用みたいなものによる自身の抑圧のあぶり出しにも呆然とするブニュエル
サウラ監督の幾重にも織りなされたファンタジー映画(?)みたいだった
ペーソスみたいなものも感じさせる
小ネタも満載で面白かった
(宗教ネタはついていけなかった… )
ロルカに捧げられた歌はカンテ・ボンド(深い歌)というものだろうか
暗殺後、彼も作品も長い間封印されてしまった
〈現在-過去-未來を映し出す鏡〉は映画のようでもあり 映画と映画人の未来をサウラと劇中のブニュエルは危惧していたようにも見えた