天外者(てんがらもん)のレビュー・感想・評価
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惜しいなあ、と感じた作品
先ず、本作で主演をお務めになった三浦春馬さんのご逝去を心よりお悔やみ申し上げます。
私はあまり邦画やドラマなどを観ないタイプの人間ですので、お名前を耳にした事がある程度でしたが、今回この映画で演技を拝見して素晴らしい俳優さんだと思いました。
さて、本作ですが五代友厚の波瀾万丈な人生を描いた内容となっております。
五代友厚という名前を聞いても、具体的に何をした人なのかピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
幕末・明治と激動の時代を生き、日本の産業の発展に多大なる貢献をした存在でありながら、作品の主役として取り上げられる事が殆ど無い。
そんな彼にスポットライトを当てて、映画という作品に仕上げた事は十分評価に値すると思います。
そんな作品に何故☆2の評価を付けているかと申しますと、想像以上に内容が希薄であったからです。
脚本家がこの作品で表現したかった事は何なのか。
彼の成した偉業なのか、それとも彼と志を同じくする者たちとの友情なのか、はたまた彼を取り巻く女性との恋愛模様なのか。
一体何を物語の主軸に置いているのか、最後まで見えてきませんでした。
惜しいなあと思ったのは、映画という2時間未満の作品に仕上げてしまったこと。
これが十二分な時間を確保できる大河ドラマであれば、それぞれのエピソードを掘り下げていく事が出来たでしょう。
何かもかもを描こうとして、結果としてどれもこれも中途半端になってしまった。
それが私の率直な感想です。
ともあれ、三浦春馬さんの演技に関しては、皆様が絶賛する通り素晴らしい物があります。
彼のファンであれば、鑑賞する価値は十二分にあるでしょう。
五代友厚を演じている「三浦春馬さん」を観たい人にはお勧め出来る作品です。
一方で、三浦春馬さんが演じている「五代友厚」を観たい人にはあまりお勧め出来ません。
観たい存在がどちらなのか。それによって評価が分かれる作品であると思いました。
三浦春馬主演の大河ドラマで天外者を観たかった。
駆け足でエピソードを散りばめてあり五代のどこに焦点をあてたかったのかがよくわからない。外国人俳優さん達の技量も足りなかった。大手広告代理店も大きな企業スポンサーもなく五代友厚を正しく残したいという人々の熱だけでできているような映画で予算もなく大変だったのだろうと想像できる。三浦春馬さんの遺作となったからこれ程話題になったと思うと結果としてまさに命がけで作られたものとなった。
彼主演で一年をかけてじっくり味わう大河ドラマ五代友厚だったらどれ程良かっただろう。彼の抜きん出た表現者としての実力は存分に発揮されていた。返す返すも残念としか言いようがない。
作品に恵まれて大きく羽ばたく姿を見せてほしかった。
殖産興業に尽力した五代友厚の熱い思いを演じた三浦春馬の最後の名演
江戸末期に生を受けた薩摩藩士の五代友厚が、近現代の日本経済の礎である殖産興業に尽力した波乱の半生を、当時の歴史的な偉人との交流を加味して、独自の創作で描いた青春群像劇の熱い作品。尊王攘夷から明治新政府に関わる富国強兵が歴史の表舞台とすると、30代前半に下野し政治の世界から商業の分野で活躍する五代の物語は題材としては珍しく、新鮮な気持ちで鑑賞出来た。ただ、生麦事件が引き起こした薩英戦争で捕虜になるエピソードなどの前半の面白さと比べて、後半の大阪商工会議所で初代会頭演説が批判を浴びせられる意味不明さが表す興ざめが作品全体の熱量を削いでいる。髷を自ら落としても侍の矜持とその精神をもって、日本社会のあるべき産業構造を構築した五代の思いは、主演三浦春馬の名演で十分伝わるだけに惜しいとしか言いようがない。アメリカ映画「フィールド・オブ・ドリーム」を彷彿とさせるラストシーンの、夜の帳が下りる道を提灯の明かりが覆う美しさが、もっと深い感動の心境に導き至らせるべきだった。
脚本、演出の描写力が弱い最大の理由は、制作費の少なさと言ってしまうと後がないが、例えば母親のフラッシュバックで描写される友厚少年の天外者振りを表す、世界地図から地球儀を作るカットは是非入れて欲しかった。この場面のように、過程が無く結果だけの描写では映画とは言えないと思う。映画らしい場面として良かったのは、実家の庭で髷を切る場面と、女将と対峙する料亭の場面ぐらいしか挙げられない。
しかし、映画の言わんとする、地位や名誉やお金のためではなく志のある目的に向かって取り組む五代の生き方は、今この時代の日本の政治家や実業家の皆さんの模範になるのではないかと思った。コロナ禍の或る意味鎖国状態での国体の維持や殖産興業の確保を再構築する時が来ていると思われる。
追悼
今年の個人的な最大の衝撃は、若くして才能を開花させた三浦春馬氏の突然の訃報でした。6年前の映画「永遠の0」とテレビドラマ「僕のいた時間」で初めて拝見した俳優さんでしたが、特に後者の演技には深い感銘を受けました。洋画に比べて邦画をあまり観ない立場で発言する無知を許してもらえば、それまでのお気に入りの日本の男優は、香川照之氏と加瀬亮氏の二人だけでした。漸く若い人でいい演技をする俳優さんに巡り会えた喜びと、「エデンの東」のジェームズ・ディーンのような繊細な表現が俳優としての真摯な姿勢を窺わせる驚きとで、暫くテレビドラマで追い掛けて彼の演技を鑑賞していました。特に真面目な題材の誠実な役柄に、人格的にも演技的にもその才能を生かし、素晴らしい演技を魅せてくれたと感謝を込めて称賛したい気持ちです。本当に残念でなりません。三浦春馬氏は、夭折の資格に生きた素晴らしい俳優でした。彼の熱い思いが込められたこの映画の演技は、いつまでも心に残ると思います。
三浦春馬さん、もっともっとこれからも観たかったな。
はっきり言って微妙。
三浦春馬さんはほんとにほんとに勿体無い!
何でなんで、ほんとに悔しいったらない!と思うばかりで
これからもっともっと箔のある役をやれる人だったのになと
歌も踊りもすごかったし、ほんとに…
ただ、この映画については
エンドロール前に、ネタバレになるけど
地位か名誉か金か
いや、大切なのは目的だ 五代友厚
とあるんですけど
この映画はそれを一番言いたかったってことなんだろうなと思いつつ
いまいち胸に刺さらなかったのは
そういう目的が何か足りなかったんじゃないのかなと思えました。
圧倒的に伝えようという熱量がない気がした。
三浦春馬さんの演技のせいではないと思う。
ほんとにどこか精悍な繊細さを持っていて
唯一無二の存在感のひとだったのに。
どこか悲しみを背負った感じは確かにあったけど。それもまた役者としては良い個性だった。
亡くなってすぐ映画公開しなきゃ!と急いだからですかね?
ところどころに感じる今ひとつな感じが残念。
でも、W三浦は堪能できたし、すごい時代だったなと
よくイギリスとかに行くよなあとか
今みたいに飛行機乗ればひとっ飛びの時代からしたら
差別もされるだろうし勇気あり過ぎとかって思う。
五代友厚さんがいたから今の日本があるということが
歴史上よくわかったし
あの時代そういう立ち上がった人たちがいたから
今の日本があることにつくづく感謝です。
果たして今そういう輩がいるのかな、
という感じですものね。
三浦春馬の目力を感じられた作品 残念でたまらない
五代友厚という偉人の話しだった。
三浦春馬が演じた。ストーリーは青年時代の恋や龍馬、結核を絡ませて、映画としてはいい感じだった(本当は結核ではなく、糖尿だったらしいけど、それじゃカッコ悪いよな)。三浦春馬の目力に、最近の日本の役者には見られなくなった、日本人を感じた。たとえは適切ではないかもしれないが、子供の時に感じた緒形拳の目力を思い出した。でも、遅かった。非常に残念だ。
あの時代に世界情勢を機敏に感じとり、日本を欧米の植民地にさせてなるかと粉骨砕身、努力した天才がもうひとりいたことを学ばせていただいた。
天外者(てんがらもん)はただの変わり者ではなく、天才を意味するらしい。エゲレスの艦隊の大将を相手にした大立ち振舞いには大いにスッキリした。みずからが捕虜になっても、藩と日本を守った。そして、あの子が助けてくれた。いいね。
新しい技術を見通す目も素晴らしい。
大阪の商人を代表する協会の代表になり、演説する場面は、消臭力のTMレボリューションのあの方の堂々たる演技と腹の底から発せられる活きのいいセリフが三浦春馬に勝っていた感じだったが。え?ヤタロウ?弥太郎?えっ、岩崎弥太郎だったの?と驚いた。大物がちっちゃい脇役で固められていたのがちと残念だった。しかし、消臭力のおじさんは度胸があるというか、舞台(コンサート)でつちかった場数を踏んだだけの味があるなぁと感心してしまった。それじゃ、駄目じゃん。三浦春馬頑張れ!と応援したくても、本人がいないのでは、やるかたないとしか言いようがない。かえすがえすも残念。
最後に、昔の偉人や政治家は自分の財産をなげうってでも、なすべきことをした。今は違う。人のお金を黙って自分の懐にいかに合法的に入れることだけを考えておる。昔の人は偉かったで、済ましてはいかん。
日本映画界は三浦春馬という偉大な俳優を失った
最後の遺作という贔屓目なしでも魂のこもった素晴らしい演技だった。
心よりご冥福をお祈りいたします。
良くも悪くもそれに尽きる映画という印象。作品の高評価は多少そのバイアスがあると思う。
敢えて忌憚なきレビューをさせてもらうと、ストーリーとしてはひとりの歴史上の偉人の生涯を描ききるには2時間では足りなかったか。
タイトルにもつながる、異端児であった苦悩からの夢を持ち信念を貫き通した物語をもっと中心に持ってきてほしかったし、仲間たちとの友情なのか、遊女との恋愛なのか、もう少しどこかにフォーカスした方が良かった気がした。
こういう作品を観ると、つくづく恵まれた時代に生きていられることが尊く感じ、先人の努力に感謝の念が募る。
三浦春馬さんの代表作と言えるほど素晴らしい演技でした。
三浦春馬さんの代表作に
熱い思いが込められた歴史青春群像劇
幕末から明治にかけて100年先の日本の未来を見据えて志と熱い思いを持ち時代を切り開いていった五代友厚の物語です。今の混沌とした時代だからこそ見るべき映画だと思います。五代友厚演じる三浦春馬さんの凛とした美しい殺陣シーン、スピード感のある動き、優しい繊細な表情、泣くシーン、緊迫した表情、熱量のこもった演技いろいろな顔を見せてくれています。三浦さんの懇親の演技が素晴らしかったです!そして、友厚をとりまく俳優さんたちの演技もとても新鮮で素敵でした。胸が熱くなるシーン涙があふれるシーンからこの時代に生きた人達に思いを寄せながら何回でも観たくなる映画でした。美しい志のある日本人の映画としてづっと心に残る映画です。
あまり知られていない偉人の物語
五代友厚製作委員会の皆さまの愛
最後が良かったです
途中までは特に胸を打つところがなかったのですが
最後、大勢の参列者が来てくれていたところで目頭が熱くなり
最後の文で、ごだいさんが自分の資産を増やすのではなく
莫大の借金を抱えてまで日本の未来のために紛争していたとの文に
涙が止まらなくなりました。
最後の最後で胸が熱くなりました。
ありがとうございます。
少しでもご遺族の慰めになれば
ワープ
最初に逃げてるシーンで「うっ」となったが、とにかく動いている春馬くんをきちんと見ようと思った。
朝ドラ「あさが来た」でディーン・フジオカが演じたことで、実物・俳優ともに脚光を浴びた五代友厚。でも、正直あまり知らない。坂本龍馬や岩崎弥太郎、伊藤博文と交流があったとは。流暢な英語でイギリスと交渉までしちゃうし。なんかすごい人だったのね。
しかし、遊女はるとの出会いと別れ、仲間との友情の描き方はよいが、なぜ殺されそうになる程嫌われるのか、また、より良き世の中を作りたい動機もわからない。大阪との縁も不明。何がきっかけで大阪商人をまとめることになったのか、触れてたっけ? 妻なんて出会いのシーンのすぐ後には結婚何年!? ワープ? 私がボーっとしてたんだろうか。
ちょっと伝記映画なのか、青春群像劇なのか、焦点がはっきりしてないので、俳優を無駄遣いしてると思う。英語ができて体もキレて、顔が整っていて演技も達者。三浦春馬という役者のおかげで、かろうじて成立した映画ではないだろうか。惜しいなぁ。本当にもったいない。損失が大きすぎる。
もし三浦春馬さんが生きていたら、きっと、五代友厚の言葉や生き方に共...
日本を変えた男 五代友厚
激動の時代、五代友厚という熱い男がいたからこそこの国の繁栄があるのだと思いました。
ここまで国を想い、周りの人を想い偉人が今まで陽が当たらず埋もれていたとは驚きでした。この映画をきっかけに知ることができてよかったです!
その五代友厚を俳優三浦春馬が熱く演じています。映画の中では周りに誤解され失うことも多く、それでも信念を貫く生涯が描かれています
ヒロインとのシーンは優しく囁くように語りかける声
友とのシーンは揚々と弾けるように演じ
聴衆を説得するシーンは眼光鋭く本当に熱く演じられていて圧巻です。三浦春馬さんは目の動き、指先、背中、全てで演じられて素晴らしい俳優だと思いました
本当に今観るべき映画だと思います
一度だけでなく何度でも観たくなる映画です
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