「メロドラマ風」天外者(てんがらもん) odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
メロドラマ風
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天外者とは鹿児島の民話、天狗と河童ガラッパの間に産まれた英才でその呼び名にちなんで優れた才能のやんちゃ者を称するようです。五代友厚さんは近代日本の礎を築いた明治維新の功労者であることに異論はないが、あまりにも脚色していますね。
先ず地球儀製作は嘘、地図の模写としても当時5才の才助には不可能、薩英戦争で英艦隊が退却したのは五代の功績とは盛りすぎ、英雄の色好みの例に漏れず五代もかなりの遊び人で10人もの婚外子を設けている。劇中で妻豊子を両替商の娘風に描いたのはNHKの大河での白岡あさを被せたのでしょう、まるで遊女だったはるの結核がうつって死んだようだが死因は糖尿病・・・と挙げれば切が無い。
幕末の志士たちとの青春群像劇としても単なる飲み友達にしか見えないし、遊女はるとのなれ初めや別れなど、こちらがメインのメロドラマかと思われる作風は評価の別れるところでしょう。
もっとも史実とされていることでも真実は所詮時の彼方、後の研究で翻り、教科書ですら改められるご時世ですし、製作陣は堂々とオリジナル・ストーリーと謳っているので批判には当たりませんね。
硬派な歴史ドラマより若者向けの青春映画、爽やかな好青年三浦春馬さんに寄せて盛り上げたかったのでしょう。
偉人の半生より、惜しい役者さんを失ったことの方が心に刺さる話題作でした。
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