劇場公開日 2020年12月11日

「これはお世辞にも…」天外者(てんがらもん) ゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これはお世辞にも…

2020年12月17日
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鑑賞方法:映画館

単純

知的

良作とは言えない。春馬くんの主演遺作と言える作品を家族全員で観に行ったが、終わったあと皆で黙ったまま。

少しずつこぼれる言葉は作品自体の駄作さ。ありきたりな脚本、雑なカメラワーク、外国人のチープな演技、展開の都合良さ、ちょいちょいギャグ?とも言えるような演出。終始真面目な春馬くんの演技はやはり感動を煽るものはあったが、煽りきれず、肝心のラストシーンも声が通りにくく、ヤジとの兼ね合いも音声バランスをどうにか出来ないものか?とストレスを溜めた。

これは実力不足だ。強いて言えば監督の、、。自己満足の作り手側の意図がちらほら突出されて困惑させられた。俳優人はそれに巻き込まれた感が否めない。もう少し丁寧に作れなかっただろうか。まさか遺作になるとは思わなかったのだけど遺作でなければ、ここまでの評価になったとは到底思えない。色んな意味で残念。

春馬くんは昔、舞台で観たまんま、やはり線が細かった。あれから身体を鍛えて、向上をやめず努力をし続けた彼を尊敬するけどやはり根底の線の細さは変わらなかった気がする。でもその真っ直ぐさが好きだった。繊細なところも大好きだった。力を抜けない真面目さが彼を追い詰めたかと思うと、真摯な演技を観ていて苦しくなる。本当に本当に惜しい人。これからの成長もずっと応援したかった。

迫真の演技とは言えども、今回は彼の魅力を引き出せず作品そのものに恵まれなかったと言いたい。

五代友厚という人の学びにはなったので、なおさらもっと丁寧に観たかった。

やはり遺作という点で自分も判定しているのかもしれない。こうじゃないでしょ!と叫びたいのかもしれない。あからさまな高評価と低評価がレビューで大きく揺れているのは、ここら辺りが大きいのではないかな。それほど三浦春馬という役者に込められた期待と喪失感がレビューでぶつかり合っているのだと思う。自分もその一人なので。

評価は正直な気持ちで低くしたけれど…どうか色んな意味で皆さまに観てほしい。

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ゆうき