「春馬の熱量はすごいが、映画はスカ」天外者(てんがらもん) はなもさんの映画レビュー(感想・評価)
春馬の熱量はすごいが、映画はスカ
冒頭、三浦春馬演ずる五代は、何かに追われて町中を走っている。
走っている彼と同じ様に、映画は、五代の人生プロットを走っていただけの、はっきり言って安直なスカである。
五代の人生なりを知らないと、訳が分からない映画である。一番言いたい事は何なのか⁈が、きちんと伝えてられていない。
映画としては、イマイチであるが、亡くなった三浦春馬の熱演は買う。力が入りすぎていたぐらいの熱量だった。
とてもカッコイイ五代、カッコイイ春馬。
カッコ良すぎる。そして、亡くなってしまっただけに、役と本人と、台詞がダブってしまって、皆、割り引いて鑑賞している気もする。
大阪商工会議所を作る時の オレについてきてくれの大演説で、映画をまとめようとしていたのは分かるが、それ以前の五代の歩みをじっくり描いていない為、せっかくの場面なのに伝わって来なかった。
他の役者では、三浦翔平は思ったより良かった。
そして最後、五代の葬儀の時、大勢が五代を忍んでの提灯行列を見た時の、蓮佛美沙子の歪んだ泣き顔は、とても良かった。ただ、喪服なのに、襟足を抜き過ぎだったなぁ。そして、母親役の筒井真理子、「よこがお」でとても印象的、凛とした母は、五代同様カッコ良かった。
生きる為に、何を売る⁈」と問われた劇中、同じ様に彼、三浦春馬に問いたい。生きて行くために、売るものが無かったのか⁈
売るものがなくたって、ただ居てくれただけでよかったのに‥三浦春馬はホントは、カッコイイ役だけじゃなく出来た筈なのに、そこしか見られない役どころであった。そこが本当に残念。
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