「「きまじめ」と「ぼんやり」の違いは?」きまじめ楽隊のぼんやり戦争 Maamiifuuさんの映画レビュー(感想・評価)
「きまじめ」と「ぼんやり」の違いは?
川を挟んだ2つの村が何十年にもわたって戦争を続けている。主人公も毎朝出勤札を裏返して更衣室で着替え、9時から戦闘開始、お昼はいつもの定食屋に行き、5時には戦闘終了。また着替えて帰宅する。会社勤務と同じだが、戦闘しているので怪我もする、戦死することもある。しかし、村人達はなぜ戦争を続けているのかを考えたり、疑問に思うことはない。村人の脳は石灰化していて、考えることを放棄しているし、すぐに忘却する。そして、女性差別や官僚主義が跋扈している。今と同じ空気感、、、。登場人物の台詞は平坦で感情がなく、だからこそ浮かび上がってくるものは? もう少し考えたい。
主人公は、夕暮れ時に川向こうの女性とトランペット合奏。ヨハン・シュトラウスの美しく青きドナウが本当に美しく響く。しかし、村では新兵器(核兵器?)を開発して、阿修羅の如くのテーマ曲(ジェッディン・デデン)に乗せて川向こうに発射し、その女性も被害に。それを知った主人公の哀しい独奏。そのうち、自分の村にも同じような爆弾が投下される。戦争の無意味さ。時間が経ってからじわじわくる映画。
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