GET OVER JAM Project THE MOVIEのレビュー・感想・評価
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コロナ禍でミュージシャンがどう苦悩し乗り越えようとしているか
アニソン界の重鎮、JAM Projectの20周年を記念した密着ドキュメンタリーなのだが、本来は20周年の2020年に華々しいライブツアーを開催して、それが作品のフィナーレになったのだろうと思う。しかし、新型コロナウイルスの影響は20周年ツアーは中止に。しかし、このままでは追われないと無観客ライブを開催。20年の節目だが、「このままでは追われない」と気持ちを新たに前を向くという形でまとめられている。
「GET OVER」というタイトルは「乗り越える」という意味だが、多重の解釈が可能になっている。これまでのメンバーの様々な苦難を乗り越えてきたことを象徴するし、コロナで20周年ツアーが潰されたことの苦難を乗り越える決意とも取れる。
コロナがあったことによって、この時期にミュージシャンがどんなことに苦しんで、何を考えていたのかの記録にもなっており、JAMのドキュメンタリーとしても貴重だが、コロナ禍のミュージシャンを映したものとしても貴重なものになっている作品だ。
JAM Projectのすごさが分かります
「アニソンをたくさん歌ってる人たち」という程度の認識しかなかったのですが…
JAM Projectこそが、「アニソン」というジャンルを作って、牽引してきた人たちだったということがよく分かりました。
また、コロナ禍の中で、アニソンに限らず、ミュージシャンがどんな状況に置かれているのか、一つの切り口を見せてくれる映画でもありました。
曲がダイジェストのみなので、もっと聴きたくなって、プレイリストが半分ほどJAMで埋まってしまいました…
JAM Projectの今を描く映画
JAM Project結成20周年を記念して初のドキュメンタリー映画。
JAM Projectの歴史を語ってくれるのかと思っていたが、結成20周年記念アルバムの作成、海外ツアーやメンバーの想いを中心に構成されている。
映画内で流れる曲もメジャーな曲中心ではなく、20周年記念アルバムの曲が多い。
そういう意味で期待した内容ではなかった。
しかし、本映画はJAM Projectの歴史ではなく今を伝えたいのだ。
チケットの売上が減り解散の検討も始まった中、最後のツアーになるかもと臨もうとした結成20周年記念ライブツアーをコロナで中断された無念の思い。
今もコロナで活動が制限されている中でも、このままでは終われないという逆境の中での意地と覚悟と闘志が伝わってきた。
彼らはこのまま終わらない。
ファン歴19年です。
メンバーの凄さは十分に熟知しているが、改めて彼らは偉大な存在なんだと再確認できる作品。
映画館の素晴らしい音響でJAMの歌が聞けるだけでも一見の価値あり。
初期メンバーやヒカルドについてはあまり触れないのでその辺りを期待するとがっかりするかもしれない。
また20周年記念アルバム「The Age of Dragon Knights」を事前に聴いておくとより楽しめるかと。
抗うレジェンド達の姿。
奥井雅美さんのファン、それだけで観に行きました。レコーディング、ライブシーンも歌詞カード要らずの滑舌クイーン(勝手にそう呼んでる)ぶりは圧巻です。
しかしながらアニソン歌手の現状はかなり厳しい。
バンドリ、ラブライブ以降、主演声優さんが主題歌を担当することが主流になりつつある今。アニソン歌手自体の存在が危うい。やなぎなぎさん、亜咲花さん、Aimerさん位が生き残っている。他にも新鋭バンドを採用するパターンもある。つまりJAM PRO メンバーがソロで仕事をもらえる機会は厳しく、JAM PRO という集合体だから活動出来ている。それは彼等自身が一番わかっている。
コロナの影響が無く、アニバーサリーツアーが成功していたら、このプロジェクトは解散していたのではないか?と思う。本当にコロナが様々なものを引っくり返してしまっているのだ。
このドキュメンタリームービーはアニバーサリーツアーの代わりでは決してなく、ケジメなハズ。ファンと向き合うまで、直接感謝を伝えるまで、JAM PRO は続くと確信している。それがいつになるかわからなくとも、彼等は年齢に抗い、コロナに抗い、その時を楽しみにしているのだ。
プレイヤーにはピークがある。それはミュージシャンにしても、スポーツ選手にしても同じ。
ヴォーカルというパートは年齢の影響を受けやすい。楽器の演奏とは違い、生身の身体だけで勝負を強いられる。自分もプレイヤーのハシクレ、それ位はわかる。
年齢的に、現状キープだけでも難しい中、彼等は努力し、成長し続けようとする。このドキュメンタリームービーにはそんな場面と、彼等の想いが詰められた作品だ。
21世紀のトップベースボールプレイヤー、イチローさんは50歳現役を目標にしていたが、それは叶わなかった。あの、イチローさんでさえ。
JAM PRO のメンバーはそういう意味ではイチローさんを越えている。
そんな事を思いながら鑑賞していたら涙が止まらなかった。
※評価はマニア向、特別鑑賞料金を考慮したものです。
今苦しい状況にいる人達へのヒーロームービー
六本木の先行上映会にて鑑賞しました。
元々JAMのファンで、彼らの活動は10年以上応援してきました。
この度の映画もファン向けの記念作品のようなもので、ツアーDVDのオマケ的なものかと想像しながら公開を待っていましたが
蓋を開けてみたらまるで違っていました。
もちろんファンとして嬉しいシーンもたっぷりありましたがそれ以上に、
「レジェンド」「スーパーユニット」なんて形容されるアーティストの余りにも生々しい姿の連続でした。
決して華々しく頂点に君臨している人たちではありまそん。
その悩める姿や、途方のない苦労は恐らくJAMファンという狭い括りではなく、
音楽をはじめとした芸能に生きる人や仕事が立ち行かず苦しむ人、
その背中を応援する人にとって、現状を乗り越える精神的なアシストになることでしょう。
アニソンという、多くの人が一度は触れたことのある音楽ジャンルと共に歩み続けてきた彼らの思いを
真正面から感じ取れる内容でした。
それから、ライブ映像を劇場の音響で堪能というかなり贅沢な体験ができたと思います。
ライブに行く機会が乏しい現状ですのでそちらも魅力的ではないでしょうか。
是非幅広い層に観て欲しい作品です。
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