劇場公開日 2020年9月19日

「正直甘く見てました。 Vtuber知らなくても引き込まれます」白爪草 totteさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0正直甘く見てました。 Vtuber知らなくても引き込まれます

2020年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編を見るまでは出演者ありきで作られた映画だろうと勘ぐっていた。
テレビで深夜にザッピングしてるとよくアイドルグループ全員集合モノを見かけるが、そういった番組は出演者が先で(誰も悪者にしない)脚本が作られてるからか、ファン以外が見ても大して面白くなく終わる印象がある。 本作もこのような一部のファンだけを狙った内輪向け映画だと思っていた。 予告を見るまでは。 ところが予告を見ると 「待っているのは結局地獄だよ」 とあり、けして無難で終わらせるつもりはない作品だとわかる。 コロナ禍で県外まで出向くのは正直悩んでいたが2日目に見に行くことにした。

見に行った感想としては、とにかく人に薦めたい、もう一度見たいというのが直後の想いだった。 演出や演技で終始作品に引き込まれた。 具体的には隣の席の人はポップコーンを買っていたが、ずっと手が止まっていて終わったときにもほぼそのままだった。 それぐらい映画館の空間全体が引き込まれていた。 ネタバレになるので書けないが、脚本が素晴らしい。 けして出演者ありきの安牌路線の脚本ではなく、良い意味で予想を裏切られた。 私は主演からこの映画を知ったのだが、Vtuberを全く知らない人にも安心して薦められる。 一方で、Vtuberならではの、アニメでもない、実写でもないことを活かした新しい取り組みも色々行われていた。 例えば予告編にもあるように一人が双子の二人を演じていたり。

この作品は、Vtuber好きだけではなく、演劇や舞台に興味があるサブカル好きな人にこそ見て欲しい。 けして派手なアクションや豪華なCGがあるわけではないし、エンドロールを見たら気付くようにかなりの少数精鋭で作られている。 低予算だろう。 しかし一昨年、カメラを止めるな!が低予算ながら大ヒットしたように、本作も予算に関係なく情熱に溢れた映画だった。

totte