「フィンランドの元映画を引き合いにちょっと批判する気持ちも分からなく...」100日間のシンプルライフ taniPPPさんの映画レビュー(感想・評価)
フィンランドの元映画を引き合いにちょっと批判する気持ちも分からなく...
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フィンランドの元映画を引き合いにちょっと批判する気持ちも分からなくもないが、この映画はコンセプトがはっきりしていると感じたので、自分としては好印象だった。そう思ったポイントは3つある。まず、第一にドイツ映画であることで、第一世界大戦時の貧しい状態、ナチ政権とその後の時代。そして現代の3つの時代背景で冒頭に物の数と祖父、父、そして自分の世代の対比が紹介される。ここでもポイントは、物の数と幸せは等価ではないのではないかという問題提起。2つ目に、依存症の問題。スマホ依存と、拝金の今の世代を代表とする主人公達の振る舞いの滑稽さである。それぞれが当たり前と思っているシーンは、ともすれば自分も陥っている状態を指摘されたかのようにずきっと効いた。そして最後に、何が幸せだったのかという答え合わせである。ここで勘違いしそうになるのは、主人公がモノに固執しなければ幸せになる、という単純な結論ではないということ。主人公の一人が物を手放したのだから、恋を得たという解釈は安直である。私の解釈は、人の幸福は人の数だけバリエーションがある。この映画はたまたま、物を整理することをきっかけにその幸福の糸口を探し出せたのが良かった。ということではないだろうか。
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