「宇津帆=赤星栄介?」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
宇津帆=赤星栄介?
ワンデーフリーパスポート最後は本作です。
前作はかなり面白かったので今作も期待して...といきたい所だけど、「ザ・ファブル」は漫画原作の実写映画だし、前作は成功しても2作品目が成功することなんて稀。なので、少々期待は抑え気味に。
え?めっちゃ面白かった笑
帰ってきたファブル!って感じで、直ぐにファブルの世界観に魅了されて引き込まれる。こりゃいいわ
どんな相手でも6秒以内に殺す伝説の殺し屋・ファブル(岡田准一)。そんな彼はボスからの命令でヨウコ(木村文乃)と兄妹のフリをして、バイトをしながら普通の暮らしをしていた。
なんといっても1番の見所はアクション。
前作から超パワーアップ。初っ端からカーアクションが繰り広げられ、団地でのアクションも中々の緊張感に目が離せず岡田准一の相変わらずの身体能力に驚かされる。キレと熱量が凄く、大興奮。
今回は前作では見られなかった木村文乃のアクションも見られ、彼女の強さに気付かされる。彼女もまたキレがすごいのよ。
そして、意外なところでもアクションが。ネタバレになるのであまり言えないが、あれは良かった。ファブルの瞬発力が垣間見えたシーンでもあった。
その上、笑いもパワーアップ。
木村文乃と岡田准一の掛け合いには何度も笑わされたし、佐藤二朗なんかもう異次元笑笑笑 数多くある彼の出演作の中でもこのファブルのタコ社長が1番好きなんだよなぁ。NPO法人の言い方好きすぎる笑笑 はるヲうるひとからのギャップがすごい。
他にもジャッカル富岡もより一層面白くなっており、雑魚キャラポジションのパンクブーブー黒瀬演じる井崎もいい味出していて笑える。
この作品ですごいのが、緊迫したアクションシーンの中でも笑いを取り入れてくる。特に今回は細かいところまでこだわっており、「普通の暮らし」というのが身に付いたんだなというのも笑いを通して分かる。
そのアクションとコメディさが前作を超えている理由は、今作の悪役である宇津帆(堤真一)が重要視している「計画」があるからだと思う。ただ計画を立てて詰めが甘く、直ぐに破られると言うのではなく、かなり濃密に計画立てられており先が読めない。相手も只者ではなく、そう簡単にやられないのが面白い。そんな中でも普通を貫くファブルに見とれてしまう。
前作と変わらず役者全員凄くいい。
主演の岡田准一のアクションは言わずもがなだが、妹を偽る木村文乃、今回の敵である安藤政信もめちゃくちゃカッコイイ。
今回スポットが当たっている堤真一は珍しく悪役だが、善人から悪役への振り幅が大きくて狂気に満ちた宇津帆をとてもよく演じている。ひとつ思ったのが、これってコンフィデンスマンJPの江口洋介が演じた赤星と立ち位置同じですよね?笑 子供は国の宝ですみたいなこと言ってたよね?笑
そしてそして、今作ヒロインの元欅坂46のセンター・平手友梨奈はまたもや今作にて女優としての名を馳せた。声の出し方、表情、涙等、アイドル出身とは思えない演技力で、他のアイドル出身女優とは比べ物にならない。本当にすごい。これからも彼女に期待です。
ただ、ラストが気に食わなかった。
そんな終わり方なの?とお涙頂戴的な感じだったので腑に落ちなかった。そんなしんみりとした雰囲気ではなく、もっと明るい感じが良かったな。少々蛇足感もあるし。
まぁ、でも大満足でした。
最近の邦画は凄いなぁ。上半期のTOPが非常に迷うところ。6月は特に「賭ケグルイ」「キャラクター」「ザ・ファブル」と良作ばかり。これだから邦画は止められない!
※エンドロール後もあります
追記
朝レビューを書いて上半期の映画ランキングはどうしよっかなと考え、面白かった映画に100点満点で点数を付けていっていたのですが、この作品ってもしかして凄いんじゃないか?と今更ながら思ってきました。
さりげない伏線と回収、普通になろうと必死に猫舌を克服しようとするファブル、一瞬だけ映るストップウォッチ、欠かさないジャッカル富岡愛、宇津帆の子どもに対する思いなどなど、見どころがぎっしり詰まっている。
シンプルなストーリーだった前作と比べて、今回は緻密なストーリーで笑いもアクションもシリアスさも忘れない、極上のエンタテインメント作品に仕上がっている。
ここまで漫画原作で世界観を壊さず、キャラ設定も完璧で配役も見事な実写化というのはかなり珍しい。漫画は全然読んだことがないが、ここまで映画が面白いと気になってくる。買ってみようかな...。
今後もシリーズ作品として展開していくことを願いたい。という訳で、★4.0から★4.5に変更しました。