「異常アクションをその目に焼き付けろ」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
異常アクションをその目に焼き付けろ
前作、岡田准一の「プロ」なアクションで我々の度肝を抜いたファブルがさらにパワーアップして帰ってきた。いや、パワーアップだけでは表現しきれない。今作のアクションから伝わってくるのは純粋な狂気。ヤバイ映画を作ってやろうという心意気。
狂気は突然、冒頭から始まる。岡田准一、あるいはそのスタントマンをみんなで殺そうとしているのかと疑うほどに激しいカーアクション。確かジャッキーチェンも走り回る車の上にへばりつくアクションをしていたと思うが、ファブルの狂気はその比ではない。
なにしろ、クラッシュしながら暴れまわる車の外側で、決して振り落とされずに運転席から後部座席まで縦横無尽に動き回るのだ。しかもクラッシュを回避する動きひとつひとつに知性と合理性が垣間見られる。まさに「プロ」。ファブルは都市伝説じゃなかったんだ…。
というのは、今回のアクションはすべて岡田准一が監修しているそうなのだ(ファイトコレオグラファーとして参加)。だから動きにストーリー性がある。ただヤバイだけ、ただかっこいいだけではない、映画に溶け込んだアクション。その仕事っぷりこそが狂気の源泉か。
そして外せないのは団地での三次元アクション。こちらのアクションはもう観てもらうしかない。工事中の団地というステージをふんだんに使い倒す、長時間の戦闘はすべてが見どころ。今、ヤバイアクション映画を観たいならばこれしかない。
できればパンフレットも買って読んでほしい。団地のアクションのヤバさをより一層理解できることだろう。そして、岡田准一が最もクレイジーであることもわかる。
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