劇場公開日 2020年12月25日

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「陽キャ生い立ち吉沢亮の、真逆の陰キャぶりを堪能する作品。」AWAKE ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5陽キャ生い立ち吉沢亮の、真逆の陰キャぶりを堪能する作品。

2025年5月5日
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鑑賞方法:VOD

知的

大学時代、同じサークルにHという親友がいた。
田舎出の私とは異なり、彼は東京の東にある中高一貫私立校からきた、
いわゆる都会人ではあったが、ルックスは都会人的な洗練は全くされておらず、
彼と一緒にいると田舎者特有のコンプレックスが顔を出さずに済むので、すぐに仲良くなれた。

彼はコミュ力やリーダーシップがあるわけでもなく、
仲間内の群れの中に、常になんとな〜く紛れ込んでいるようなタイプで、目立つ存在ではなかったのだが、
講義をサボり、部室で暇つぶしに将棋を打つ時だけは、
皆の注目を一身に集め、スターの輝きを見せていた。

彼は、将棋のアマチュア四段だったのだ。
当たり前だが、私は彼に将棋で一度も勝てた事がない。
金銀飛車角落ちでも全く歯が立たない。
なんなら、落とした金銀飛車角を、こちらが貰った状態からのハンデを付けてもらっても、
全く勝てる気がしない。
それぐらい、アマチュア四段というのは強いのだ。

そんな彼が「プロはもっと圧倒的に強い」とアッサリ言うのだから、
プロ棋士というのは、包丁片手に脅迫しながらでもないと、どうにもならないのだろう。

そんな厳しい将棋の世界で挫折した主人公が、将棋ソフト開発者として、
かつてのライバルにリベンジを目指すというお話。

主人公の吉沢亮は、学生時代にクラスの大半が自分のファンだったみたいな事を、
自らサラッと言ってしまう位のイケメン一軍陽キャ側の生い立ちらしいが、
今作で陰キャまで卒なくこなしてしまうのだから、もう天下無双過ぎる無敵俳優だ。

物語としては、弱い将棋指しでも先が読めるベタベタ展開で、
もう少し人間模様の深い部分を味わいたかった内容だったが、
吉沢亮も対戦相手の若葉竜也も、陰キャ感がそのまま好感となり、
最後まで楽しめた作品だった。

良かった演者
吉沢亮
若葉竜也
落合モトキ

ソビエト蓮舫