「そこに将棋盤があれば。」AWAKE はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
そこに将棋盤があれば。
「プロ棋士VSコンピューター将棋」
なんてワクワクするワード!実話に着想を得たストーリーで将棋が分からなくても楽しめました。
プロ棋士を目指して奨励会に集まる子供たち。地元ではもてはやされた天才たちもプロになれるのはほんの一握りの厳しい世界。上には上がいることを思い知らされる。
同世代の最強棋士浅川に敗れ自ら夢を断った清田。無気力に大学生活を送っていたがコンピューター将棋と出会いそのプログラマーとして再び将棋の世界へ歩を進めて行く。最強ソフト「AWAKE」でまさしく覚醒をとげた清田に吉沢亮。演技力は流石!ただあんなダサいトレーナーを着ててもやっぱりシュッと見えてしまう品の良さ(笑)
そしてプロとして更に先に進む為にAWAKEとの直接対決を受け入れる孤高の若手棋士浅川に若葉竜也。和装がめっちゃんこ似合ってて素敵でした。最近出演作も多いですね!大注目です。
将棋盤を挟んで向かい合い静かなる火花を散らすまさにタイマン勝負。息を呑む音さえ聞こえそうな空間に見ているこちらも窒息しそうになる。将棋の何が凄いって自らの口で敗北を宣言するところだと思う。言い訳もできない。その凛然たる潔さ。本当に美しいと思う。
決戦は後味のいいものではなかったけどプロという看板を背負って勝つことに徹した浅川の決意をひしひしと感じた。二人にしか分からない世界を目線を使って上手く表現していた。
清田と浅川は親友でなければ同志でもない。永遠のライバルでもない。もしかしたら清田は浅川の一番のファンなのかもしれない。将棋は本来は楽しいものだとある棋士が言う。そこに将棋盤があれば言葉はいらない。そんなラストシーンは思わず微笑んでしまうほど心地よかった。
個人的には磯野に「女性に興味があるのか」と詰め寄るところが清田の若さと側面を垣間見れたようでちょっと面白かった😄