「筋の通った再生の物語」AWAKE ユウコさんの映画レビュー(感想・評価)
筋の通った再生の物語
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脚本がいい。何を伝えたいのか、一本筋が通っている。登場人物もただ話を回すためだけの都合のいい人物はいない。いくらでもスピンオフが作れそうな。将棋の映画はホント、いいな。
勝負にこだわる清田。言うなれば器の小さい人物。一方勝ち負け以上に自分の将棋にこだわる天才肌の浅川。
ところがAIとの対戦になって事前の練習では負け続けたため、AIのバグをつく形で勝ちを取りにいくこの皮肉。
清田の方は棋士の間は友達もなく将棋のことしか考えてなかったのに、将棋をあきらめAIと出会ったことで学校や友達や外の世界と繋がるようになる。この世界観が逆転し、広がりを見せる感じが、とてもいい。二人を見守る指導棋士の眼差しが、優しい。
瑕疵があるとすれば、浅川、磯野、記者の三人、キャラかぶってません?もっと見分けのつく容貌にしてくれたら良かったのに。あと、磯野の妹は取って付けたようでした。好意的に見れば、とんがったオタクの磯野が意外に如才ないのは妹がいる兄だからということなんだろうけど、そういうエピソードはなかったしな。
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