ビューティフルドリーマーのレビュー・感想・評価
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押井守監督×本広克行監督により、あの伝説的なアニメーション映画がこんな形で生まれ変わるとは。
押井守監督といえば「攻殻機動隊」というイメージが強いのかもしれませんが、世の中に知られるようになったのは、本作の原案である「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」でしょう。
それが今回、制作費を抑えながらどこまで良い映画を作れるのか、という「Cinema Lab」といった枠組みの中で、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が実写映画として作ったのが本作です。
ただ、完全なる実写化とかではなく、あくまで本作のために押井守監督に「夢みる人」という原案を書き下ろしてもらっています。そして、その脚本(原案)をベースに(登場人物の)「大学の映画研究会の部員たち」が実写映画として作っていく、という物語です。
作風としては、本広克行監督の「サマータイムタイムマシン・ブルース」あたりに近いのかもしれません。
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」は名作と言われ続けていて私自身も見たはずなのですが、だいぶ前のようで内容はぼんやりとしています。
ただ、そもそも「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」は夢の中のような不思議な世界を描いている作品だったので、本作を見ながらいろいろと思い出しました。
また、私は本広克行監督の「サマータイムタイムマシン・ブルース」や「曲がれ!スプーン」のようなユルい作風が好きなので、本作の世界観は良かったです。
そういう背景があったので本作にはかなり入り込むことができました。
公開館数は少ないのですが、気になったら見てみてください。俳優も無駄に豪華だったりするので決して損はないかと思います。
強く印象に残る小川紗良の非凡さ
本広克行監督の学園3部作の3本目とでも言いましょうか。
随所に映画愛に溢れたシーンがちりばめられていることもクスリとさせられる。
「サマータイムタイムマシン・ブルース」、「幕が上がる」、そして「ビューティフルドリーマー」。
初々しい才能をグン!と引き上げるのが上手で、ベテラン陣をまた巧妙なほど適材適所に配してくる。升毅にあんなことをさせてしまうなんて(汗)。
とにもかくにも、女優であり監督でもある小川紗良の好奇心に満ちた眼差し、製作サイドの意図を理解しきった面持ちが強く印象に残る。現時点で、女優・小川紗良という観点でいえば代表作といえるのではないだろうか。
「監督絶対主義」をコンセプトにしたレーベルの第1弾として、幸先の良いスタートを切って欲しいと願わずにはいられない。
酷い
本作は名作と名高き押井守監督の「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」が元になっています。
しかしこの映画の一番最初に「大林宣彦監督に捧げる」と出てきます。
なぜ他人の名作を無関係の大林宣彦監督に捧げるのか。
これでは他人から貰ったプレゼントを別の他人に渡しているような感じです。
実際の内容も「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の内容が出ますが、その内容の扱いの雑さが極まっています。
この映画の冒頭で「大林宣彦監督に捧げる」と出てきたように押井守監督の「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」から押井守成分を抜いて大林成分を継ぎ足したような作品になっています。
これはどちらの監督にも非常に失礼です。
全体的に「うる星やつら2~」を見てない人にも理解できるようにうる星やつら成分を抜いたのでしょうが、映画中の劇中劇が完全に「うる星やつら2~」なのでそちらを見てない人にはストーリーが意味が分からないです。
「うる星やつら2~」を知らに人に向けて作ったはずなのに「うる星やつら2~」を知らないと意味が分からないという矛盾点。なぜこんなことが起きたかと言うと前述の通り押井守の映画を押井に捧げず、無関係の大林監督に捧げるように作ったからです。
結論は酷いです。
でも役者さんたちは凄く良かったのでそこは二重丸です。
役柄の裏に見える俳優の真摯さが美しい
没頭!俳優たちの演劇に対する真摯な姿勢が、役柄に美しく重なって、終わってからもしばし余韻に浸りました。
言い出しっぺの監督。
最後にみんなが監督を迎えるシーンが、爽やかで、青春で、モノづくりの醍醐味で、友情の美しさの全てを表現していました。
若手俳優一人ひとりも、随所に登場するベテラン俳優に押されることなく、粒立つ輝きを発していました。
うる星やつらを見ていないのですが、オマージュがわかるともっとおもしろいのでしょうね。撮られた劇中劇も見てみたい!
終始乗りきれず
うる星やつらも観てないし押井守や本広克行にも思い入れもない。単純にイノセント15の小川紗良の主演作だから観てしまった。誰にも勧めにくい作品でした。小川紗良はプロの映画監督を実際やってるだけあって、大学サークルの監督役は手慣れたもの。しかし終始乗りきれず、大林監督オマージュもこの作品にぶち込んでこないでくださいと言いたかった。
押井守?大林宣彦?
押井守のメタ構造の傑作原典をメタ構造で愛で直すに、大林宣彦で蓋する愚。
露悪と理屈の原典に情緒で蓋するか。
亡くなったから捧げただけか。
勝算あったか。
旬の美少女の出る古典を時かけからうる星2にとの意気は応援したいだけに悔しい。
映画研究部の大学生が映画作りに初挑戦する話
2020年映画館鑑賞122作品目
うる星やつらの方のビューティフルドリーマーは観たことない
秋元才加の古めかしいセリフには違和感を感じたが飯島の「暗いよー怖いよー」のセリフであれあれっと気づき始めメイの語尾の「ちゃ」で確信した
そういえば秋元才加のような先生がうる星やつらにいたっけ
大林監督に捧ぐっていうからタイムスリップする映画かと思ったが違った
リスペクトしているようだけど大林監督より本広監督の映画の方が面白いよ
大林監督がなぜこんなに高く評価されるのか全く理解できない
素人がプロの役者を迎え映画を作る話
美大の学園祭
ひょんなきっかけで初めて映画作りを始めることになった映画研究部の皆さん
映画好きで映画の知識は豊富なようだけどサラ以外は初め映画作りに乗り気じゃなかった
サラがみんなを説得し役割分担そして自分は監督に就任
意外なリーダーシップ
半分は役者のアドリブらしい
みんな頭いいんだな広義的な意味で
斎藤工や秋元才加や升毅が本人役で出演
っていうか出演者のほとんどが役名が芸名をカタカナにしただけ
全体的にゆるい
手は抜かずに気を抜いている
映画作りをする映画とか役者にお任せの即興劇はあまり好きじゃない
好きじゃないけど面白い
映画研究部のやりとりが特に面白い
モリタがヘマをして逆ギレするところとかシエリがハゲヅラの説明するところとか
リコがいなくなってから変な感じになってしまったけど戻ってきてなんとか丸く収まった
エンドクレジットのあと劇中劇の予告編
映画ってテーマとかメッセージとかそういうことより大事なことがたくさんあるんだなと改めて感じさせてくれた
これは分からないよ
他の方のレビュー見ると、元ネタというか前提知識ですね。
本広監督も好きだし、押井守も好きだし、(気が付かなかったけど)菅野祐悟も好きだけど。映画は分からなかった。
はじめの60分は、大学生のキャピキャピした日常風景。セリフや演出は感じない。
アドリブなのかよく分からないけど、「いったい何を見せられているのか、、」と、???だらけ。
ちょうど、「カメラをとめるな」の時と同じ感覚。
全員実名で出てくるのは面白い試み。いつも思うけど、役名全部覚えられないので、助かります。
また「小川紗良」の名前は覚えました。
可愛らしいところと、実際に監督もされるということで、才能があるんですね。次回が楽しみです。
最後の10分くらいは、急にいい話になったので後味は良いけど、結果「夢」の回。
映画好きの映画のための映画という感じでついていけなかった。
責任とってね
見る前から嫌な予感はした。
押井の実写作品というと、紅い眼鏡、トーキング・ ヘッド、アヴァロンなどが思い浮かぶ。それはそれで嫌いでは無いのだが、一貫して実写にすべきでない寒いネタが存在した。
本作は、その悪い部分をこれでもかと取り入れた。もうネタはいいから早く映画を始めてほしいと、缶コーヒーをすする。観終わって、コーヒーなんて飲まずに眠るべきだったと後悔した。そして本当のビューティフルドリーマーを観るべきであった。
映画作りは終わらない。
映画研究会の部員たちが過去に制作中止になった「夢見る人」の映画製作に取り掛かる話。
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映画をひたすら撮ってる様子を映してるだけなので、「夢見る人」メイキングみたいな感じ。それでもわりと楽しい。
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劇中の「夢見る人」は、押井守の『うる星やつら ビューティフルドリーマー』が元ネタらしく、うる星やつらは漫画でちょっと読んだことあるけど全くこれは見た事ないので、途中ラムちゃんっぽい話し方とウィッグが出てきて気づいた。
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学生が作った低予算映画だけど、この「夢見る人」を見てみたいと思えるからすごい。まぁ元ネタが割と伝説的な作品らしいから当然っちゃあ当然かもしれん。
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あとこの映画、今年亡くなった大林宣彦監督に捧げると出てくる。24時間テレビで大林監督の生前癌で侵されて寝たきりになっても「映画は終わらないぞ」みたいなことを話してる映像を見たんだけど、この映画も映画作りはこれからも続いていくみたいな感じで終わる。まさに大林監督の精神を受け継いでるんだなぁ。
微妙な大笑い海水浴場
映研の連中が撮る作品の内容が、事前に思っていた以上に『うる星やつら ビューティフルドリーマー』。
やりたい放題、大笑い海水浴場。
「だっちゃ」「責任とってね」のセリフに、やり過ぎ感を覚えつつ。
特に、秋元才加のサクラさんは、コスプレを超えてまんまでございました。
一番の問題は、コメディタッチに大学生の映研活動を描写するだけで、オチがなく「とりあえず終わっとくか」みたいな締まらない閉まり方をするところかな。
面白いかと問われたら、私自身は、「微妙」って返答かなぁ。
押井ファンの本広さんの二次創作を楽しめるか、みたいなスタンスを観客が持てるかどうか次第。
うる星の映画を観てないと、これ楽しいのかなぁという疑念が、観てる間ずっと頭の中から離れなかった。
アニメの再現だけではなく、部員たちの関係性がもっとほしい
劇場版アニメのビューティフル・ドリーマー(うる星やつら)は直前に鑑賞済。大学の映研が「夢みる人」という台本を見つけ、映画として撮影しようとする話。
で、彼らが撮影していくシーンがまんま「うる星やつら」だった。それらをパロディとして楽しむのが正しい鑑賞態度なのかも。劇中映画で演じた役者たちの再現性の高さには驚いてしまった。特に秋元才加!彼女の演じるサクラ先生(本編では違う役名だったが)は素晴らしかった。いい女優だなー。給湯室でしのぶ役を演じた子もよかった。そして何より小川紗良だ。いい雰囲気の女優になっていく予感がビンビンする。作る方に回ってしまいそうな感じもするけど。
さて、アニメのシーンの再現性だけで映画は評価しづらいのも事実。映研のメンバーたちの人間関係がもう少し深まっていたらもっと面白かったのにと思う。笑えるシーンがいくつかあっただけにもったいない。そして撮影していた映画。学園祭の直前に始めて完成できるわけがない。冒頭をアニメのオープニングに寄せたために、こうした設定の歪みが後半でしわ寄せにあった感じがしてしまう。
うーーん。本広克行監督だからこそハードルが上がってしまったか。
イノセント15の子か!
主演の女の子がなーんか引っ掛かるなぁ、なんて思ってたら「イノセント15」の主演の娘だったのね。そう考えると印象が全く違うので、先々楽しみな俳優さんだな、と思いました。
「うる星やつら」世代であり、押井守さんが大好物な自分にとっては、ほぼ間違いない作品。更には「サマータイムマシンブルース」の本広監督ですからねぇ。「うる星やつら:ビューティフルドリーマー」の軸を中心に据えつつの本広ワールド展開は、一見地味に映る低予算ムービーを、極上の体験へと押し上げてくれておりました。映画的な画面って予算の問題ではないのだなぁ…なんて変な感心をしつつも、少し不思議な学園青春ものにどっぷり浸れて幸せでございました。
まっさらな状態で観ると、滑稽だったり寒々しくもなりかねないですが、そんな危ういバランスも見事だったと自分は思いたいです(好きが過ぎて大甘ちゃん)。
ぜひ観よう
期待通り。映画が好きなんだあと伝わってきます。
ビューティフルドリーマーとは、永遠に映画を撮り続けることと理解しました。
うる星やつら2ビューティフルドリーマーは今観るにはどこで観られるのかな?
私はアニメ映画の傑作の一つだと思います。
未見の方はこちらもぜひ見て欲しいです。うる星を知らなくても、1を見なくても、それでも面白いと思います。
面白いかもしれない
冒頭で「大林宣彦監督に捧ぐ」って出てたから、オマージュ感満載なのかなと思ったら、そんな感じでもなく、部室の雰囲気が《サマータイムマシン・ブルース》っぽいぞとなって、なんか新味に欠ける作品なのかと、期待薄で観始めたのね。
オーディションあたりで面白くなって、劇中劇は面白いね。むしろ、これをそのままやって欲しかった(DVD化されたら特典で付きそうだけど)。
終盤に向けて「メタメタ展開に持ってくのかな」と思ったら、そこまででもなく、特に振り切ったことはないままエンディング。
押井守の原案の強さが残った感じで、観終わった感じは悪くなかったな。
映画研究会の話にしてるんだけど「映画を撮る人が、映画を撮る話を撮る」って、志が低くなっちゃうんだよね。その弱さは出てた。
本広監督のアソビはほぼ利いてなくて、スベってるんだけど「そこも含めてアソビ」ってことにしたいんだろうな、慣れたからどっちでも良かったよ。
やっぱり映画が好きだから
製作費を抑えたレーベル「Cinema Lab」の第一弾作品ということですが、やはりクラウド・ファンディングしなきゃ・・・て感じで、もっと伏線やパンチの効いたオチが見当たらない弱さ。それでも秋元才加をはじめとするノーギャラ俳優たちの演技がかなり良かったし、アドリブが多い中でも劇中劇の真剣度が違っていた。
「大林宜彦監督に捧ぐ」ってのは16ミリフィルムとピアノBGMだけなのか?などと思えたし、それほどの大林愛は感じられなかった。むしろ会話の中に登場する数々の映画タイトルが多くて、『ゼロ・グラビティ』や『ドリームキャッチャー』とか、『ブレードランナー』『メイズランナー』という笑えるやり取りも多い。「リドリー・スコットは猫が好き」などと言われると、再チェックしたくなります。
作品名は挙げればキリがないほどだし、360度パン、切り返し、カット割り、メタメタといった映画ファンが喜ぶ言葉も多数。映画愛に満ちているというより、映画を楽しんでるといった感じでしょうか。また、原案となる『うる星やつら』の会話もそのまま取り入れているようだったのに、そのデジャビュ感やファン向けのサービスが足りない。女の子の九州なまりと髪の色だけだったかもしれません。
ちょっと気になったのが、美大の文化祭準備が行われてるのに今から映画撮る!ってこと。もしやこれがSF的な展開をしているのかもしれない・・・などと妄想していたのに、そうはならず、俳優の演技力に対してストーリーが負けてしまってる気がした。
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