いとみちのレビュー・感想・評価
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瑞々しい駒井蓮
久し振りに素晴らしい映画に出会いました。
ベタといえばベタな方の映画ですが、その直球がまた良かったのではないでしょうか?
主演の駒井蓮は初見だったので、三味線の弾ける素人さんの中からオーディションで選ばれたのかな~と思っていましたが、4.5年のキャリアのある女優さんだそうで、びっくりしました。実年令は当時19.20歳ですね。どう見ても16才の高校生にしか見えませんでしたが、またまたびっくり。
その初々しさと演技演技したところのない演技にまた驚きました。
例えば中学の時の三味線の大会で優勝した際の額入り写真を気恥ずかしさ(大股開きのため)で急いで取り外そうとしたり
例えば、メイド喫茶で、永遠の22才と自称する先輩に髪を梳いてもらいながら、亡き母に同じことをしてもらった記憶がダブり感極まるシーン
そして家出する時の、怒気を含んだ眼差しで父を睨みつけるシーン
最後の、父と一緒に登った山頂で大声を出して叫びつづけるシーン
数え上げればきりがありませんが駒井蓮の瑞々しさ溢れる、明澄な表情は心に沁みました。
横浜聡子監督の前作『俳優 亀岡拓次』見ましたが、こちらは何かケレン味が見え隠れして、少し残念でした。
この作品のようなベタでド直球のようなオーソドックスな作り方のほうがいいのではないかな~と思いました。
とにもかくにも、このような瑞々しく情感豊かな作品を作って頂き感謝します。
【”けっぱれ!じょっぱり津軽三味線娘!” 引っ込み思案な少女の心の成長物語であり、懐かしき津軽弁全開の、画期的フュージョン映画でもある。】
ー いとみち:三味線を弾く時に、爪に出来る溝。
だが、このタイトルはダブルミーニングであると、私は思った。ー
◆感想
・高校生いと(駒井蓮)は、亡き母、祖母(西川洋子:故、高橋竹山の弟子:そりゃ、津軽弁バリバリだよなあ・・。)の影響で津軽三味線の名手となるも、津軽弁なまりが強くて、引っ込み思案。そんな彼女が、ふとしたきっかけと時給に惹かれ、”メイドカフェ”で働くことに・・。
ー 設定が絶妙であるし、祖母がいとのモゴモゴと籠った津軽弁を聴いて、
”アンタノ言葉は、クラシックみたいだ・・”
も笑いのツボに入る。クスクス・・。
後は、余計なお世話だが、
”津軽弁に触れた事がない方は、劇中の台詞、分かるのかなあ・・”
と言う想いである。ー
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◇東北地方の難解方言
1.秋田県の山間地の高齢の方々の言葉
ー 山から下りて来て、温泉に入りたいので、”温泉は何処ですか・・”とお聞きすると”〇×▽◇・・”と、ニコニコしながら教えて頂いたモノである(複数回経験・・。超難解である。)ー
2.津軽弁 劇中にある通り。
3.庄内弁 みっこい⇒可愛い。しょすい⇒恥ずかしい。
いさごぐ⇒標準語では、当てはまる言葉なし。
わ⇒私。 いさぐ?⇒家に来る? こ⇒来い。
劇中出てくる、津軽弁にやや似ている・・気がしないでもない・・。 etc.
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・娘のいとがメイドカフェに勤めていた事を”事件により”知った民俗学者と思われる父(豊川悦司)が、娘と対立し、何故か二人とも、家を出る羽目に。
そんな父が、娘が働くメイドカフェに登山スタイルで訪れるシーン。
”チョモランマに行って来たんですか?””ハイ・・”
そして、娘が必死に初めて珈琲豆を挽きフランネルで時間をかけて淹れた珈琲を飲む父の嬉しそうで、安堵した表情。(家では、父が淹れていた・・。豊川さんは、矢張り良い役者さんである。)
ー メイドカフェを否定的に捉えていた父が
”こんなにきちんとした珈琲と、美味しいアップルパイを出す店であれば、大丈夫だ・・。”
と感じたと思われるシーン。
空になったカップとお皿のクローズアップ。ー
・メイドカフェが経営に危機に瀕し、店長が店を畳む思いをするも、先輩の訳ありメイドさんたち
(”首、もぐど・・”の自称お姉さん・・(黒川芽衣:とっても良かった)。漫画家志望の屈折した優しき卵(横田真悠)) の未来と現状のギャップが分かった上での、店を愛する心。
それを支援する常連さん達(宇野祥平さんって、ホント名バイプレイヤーだなあ・・)の姿も良い。
・引込み思案のいとが、店のため、自分のためにメイドカフェで、三味線を弾く覚悟をし、先輩メイドさんから、髪を梳いて貰うシーン。
ー 亡き母に、髪を梳いて貰っていたシーンとのシンクロの巧さ。
”きれいな髪だね。”と言う言葉。
いとの頬を伝う、一筋の涙。(見ているこちらも、グッと来てしまったよ・・。)ー
<ラスト、親子で岩木山の頂上に登り、
”あそこに住んでいるんだ・・。小っちゃいなあ・・。”
“ああ、小っちゃい・・。”と言う会話。
そう、世界は大きいのだ。
いとは、自分が住んでいた”小っちゃい世界で起きた事”を体験し、もっと大きな心で世界と向き合う決意をしたのだ。
爽快な気分で、映画館を後にした作品である。>
<2021年8月15日 刈谷日劇にて鑑賞>
津軽訛りの引っ込み思案な女子高校生「いと」。自分で見つけた居場所(メイド喫茶)を守ろうと、祖母譲りの三味線を弾いて奮闘します。
キーワード 「津軽弁+三味線+女子高校生メイド」
予告の映像がかなり好印象でした。
青森が舞台の作品を観るのは初めてかな?
と思いながら、鑑賞です。
主人公 「いと」は、16才の女子高校生。
祖母や亡き母の影響で
三味線の腕はちょっとしたもの。 …なのですが
強い津軽訛りで引っ込み思案。
進学した高校でもなかなか友達が出来ない。
”変わりたい。 何かしなければ。”
そんないとの目についたスマホの求人広告。
…メイド珈琲 メイド喫茶?
…時給 高っ うー
悩む。 悩む。 … ぽち 「 ぽち ?」
「きゃー、かけちゃった~」
あれよあれよと 採用。
面接かと思って出向いたら その日から労働開始。
なのですが…
・あいさつ ⇒ 小声 かつ 訛りすぎ…
・接客 ⇒ お皿が上手く運べない
最後は裏方。イモの皮むきに… ですよね…
自分から一歩踏み出した世界
そこで出会う人たちに温かく見守られながら
頑張る いと。
と、事件ぽっ発。
お店のオーナーが警察沙汰を起こし
店への風当たりが強くなり、閉店の危機(!)
あきらめの雰囲気が漂う中
いとが自分の気持ちを口にする。
「自分がお店で三味線を弾く」
「それでお客さんを呼べるかも」
お店の執事さん(店長)
二人の先輩メイド
常連のお客さん
店のオーナー
みんなで力を合わせて頑張ることに。
そして…。
というお話。
登場する人たちの
純朴さ・優しさがとても心地よく感じられました。
何よりも
津軽というローカルさが
充分に生かされた良い作品と感じました。
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
津軽弁
ところどころ、字幕が欲しくなりました(…汗)
駒井蓮ちゃんの津軽弁、ネイティブ顔負けです
じーちゃんぱーちゃんに育てられると
お年寄り直伝の、
正統な方言後継者が出来上がります (たぶん)
けれど
駒井蓮ちゃんの場合
ばーちゃんよりも濃い訛りっぷり。。
どこで濃縮されたのやら ナゾです。
メイド喫茶
「ご主人様」
「マダム」
「マドモアゼル」
ちゃんと相手によって呼び方変えるんだ などと感心。 へぇ
※ 最初のほうの駒井蓮ちゃんの
「ごすズンさま」
笑いを堪えるのに必死。
大魔王が飛び出そうです (お呼びですかごすズンさま)
駒井蓮ちゃん
出演作を観るのがこれで3作目 (たぶん) なのですが
今作の演技が一番自然で良い感じに思えました。
過去の2作品は
「名前」 津田寛治演じる主人公の元に現れ「父さん」と呼び
「オレの娘なのか?」と、思わせぶりな行動を取る
ミステリアスな雰囲気漂う女子高校生役
「朝が来る」 主人公(蒔田彩珠ちゃん)の姉
優等生を演じましたが、位置づけは「ちょい役」だったかも
今作での三味線の演奏は
本人が頑張ったんですね すごいなぁ 拍手。
岩木山と津軽平野
最後のシーンで、いとが父親と登った山
山頂からの景色(津軽平野)がとても素敵でした。
今作の舞台の板柳町は初めて知りましたが
津軽といえば太宰治。
一度はじっくり訪れてみたい
そんな気持ちになりました。
(※駒井蓮ちゃん よく見たら青森出身ですね。 津軽なのかな?)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
自然と涙が流れてほっこり
ネイティブな津軽弁に日常が重なって映画だということを忘れてすっかり入り込んでしまいました。
いとがぎこちなくコーヒーを運んでいる時転んでカップを割ってしまった時、ハッとしました。
今まで見てきたドラマではお客様にお詫びをし仲間を叱りつけるようなシーン。
お客様を怒鳴りつけ、いとを守った。
仲間を信じる姿に思わず涙してしまいました。
いとを1人にして後で真相を確かめる。
いとが悪かったという言葉にみんなが傷つくと一喝。
愛情深くてまた涙。
おばあちゃん役は女優さんでなかったんですね。
すごく自然であたたかで寛大。
家出するいとにかーけと干し餅を。
とっちゃにはかーと一言(笑)
無理に引き止めず、頭冷やして来いってカッコいい!
いとがエルムの街で友達と待ち合わせして、町営住宅に。
狭い部屋にあふれる物。ぼろぼろのふすま。
よくある光景と母娘のやりとり。
あー重なるなーと共感。
自分の想いを口にして、相手を傷つけたとお互いにそういうつもりじゃないと謝る。
そして笑う。
友達っていいなー😊
とっちゃと一緒に山登り。
自分の住んでいるところは小さい。
あの山の上の風景のシーンは好き。
やっぱり映画館で見る自然は心洗われますね。
三味線を修復する職人さん。
あっ、子供達が小学校の頃の三味線の先生工藤まんじさんだ!
アルバイト代全部使うよねー。
困難を乗り越えて守りたいものがある。
ネタバレなしでは感想を書けません。
生きるってそういうことだよねー。
うん。私は幸せだなーとほっこり😊
いとおかし
越谷オサムの登場人物は、「金曜のバカ」でもおおむね屈折していてひと筋縄では行かない連中ばかりだが、この作品の人見知りな女の子もいきなりバイトでメイド喫茶に突入するあたりが振り切っている。とは言え、このお店、立地といいスタッフといい場末感が漂っていて、不祥事がなくても早晩火の車で“燃え燃えキュン”になりそうな気配だが。
三味線版「スウィングガールズ」みたいな話かと思っていたら、どちらかと言うとメイド喫茶寄りの物語だった(原作未読)。あまりしゃべらない主人公の引きの演技と、それをじっくり待つ演出の間合いが良い。泣いたことがないという彼女が、メイド喫茶の同僚に髪を梳かれながら涙をこぼすまでの長回しが白眉。
津軽弁は三分の一くらい聴き取り不能。沖縄を舞台にした映画にはよく字幕がついているが、東北の場合はこれまでどうだったんだろうか。「津軽じょんがら節」を再見したくなった。
会話が印象的な映画
しょっぱなの会話から始まり
理解できない会話がある
でも、なんとなくニュアンスで掴む
言葉の違いがここまで明確に表してくれる映画ってなかったかもね
普段いかに標準語で話してくれる事にあぐら描いているかがわかる
そう考えてふと
監督はコミュニケーションの有り様を問い詰めたかったのかな?
って思った
結局同じ言葉を話しても
意思疎通も会話で高度に出来てるように見え
実は肝心な本当の事が全然聞き出せなかったりする
三味線を弾く事を対話になぞらえてたけど
楽器弾くと話すより相手の事をわかる事はある
演奏する事でその人の意図がやりたいことがわかったりする
楽器は全く会話とは違うけど
コミュニケーションのツールでもあるよね
そうゆう意味では会話の苦手な主人公いとが
会話する方法、自己表現する方法を見出す物語とも言えるのかも
あと文化って今はどんどんミックスされてる時代で
別にメイドカフェで三味線弾いても全然悪くないよね
そうやって文化は溶け合っていく
混ざっていった文化が一体どこにたどり着くのか?
は考えた事ないですが
混ざるのを止めることは誰もできないよね
そうやって新しく文化が形成されるんだと思う
一つのテーマであろう
いとが辿っていく道=いとみち
としてメイドカフェで三味線を弾くことが提示されるわけだけど
そうやっていろいろな形で文化を受け入れ進んでいくのは
当然の流れで誰にも止められないもの
そして、誰もやってなくても試してみればいいじゃないか
と思わせる物語だった
そうやって試す事によって少しづつ路ができていくものだよね
徐々に大きくなりメインストリームになるかも知れないよね
それはやってみなければ誰にもわからない事だと思った
原作との違いに違和感
九州では7月に入ってからようやく公開となり、待たされた分、期待値も上がってしまったかな?
面白かったですよ。小説いとみち とは別の作品として楽しむことができました。
原作との違いに違和感がありました。
なんで祖母のハツヱと父親の耕一を義理の親子にしたんだろ?
いとの母親は、ハツヱの三味線に惚れ込んで、当事は弟子をとっていなかったハツヱに弟子入りを懇願した行動力のある人。
人見知りなのに、メイドカフェで働くと決めた、いとの行動力と通じるものがあったのに、耕一と義理の親子にしちゃうとね・・・
いとの母親が、カフェで働いてた過去があることにも触れて欲しかったなぁ
あと最後のシーン
いとが演奏終わったあとの、客の反応は?
カフェ再建に向けて、客と一緒に盛り上がるシーン欲しかったです。
いとが、少しずつ成長していくのが、「いとみち」の醍醐味なんですが、映画じゃ伝わりにくかったかな?
バランス
恋愛話にも流れず お店再建の感動話にもせず 本人にとっては とても大きい「小さな成長」を描く 主演のいとが物凄く良い 山の上から ちょっと前の自分と手を振り合う 成長って過去に別れを告げるワケじゃなく いつだってちょっとだけ前に進むコト そんな風に思わせるラストシーンが清々しいなぁ あと父親が マツモトクラブに見えて仕方なかった
パンフレットに完成台本が載ってるよ
原作は未読なんですけど、『陽だまりの彼女』の原作者なので、きっと優しい作品だろうなと思って観たの。
そして、思った通りの優しい映画でした。
高校生でバイトをしてないと、学校と家庭が世界の全てになってしまいがち。
そこに息苦しさを感じてしまう子も多いでしょう。
そんな時に違う世界を知る事が出来ると、知らなかった物を見れたり、今まで目を背けていた物を見つめ直す事が出来たりする。
それで、この映画のいとの場合、メイド喫茶で働く事で、同僚たちの生きざまや優しさ、あとは世間の厳しさも感じる事が出来た。
それがあって、目を背けていた三味線への思い、そして母の事に向き合う事も出来た。
この映画のクライマックスシーンは、当然津軽三味線のライブのシーンなんですけど、その前の幸子に髪を梳かして貰うシーンが、ある意味でクライマックスだと思うんです。
私は成長物語を観る時には、ハッピーエンドを期待するので、主人公の笑顔を見れると嬉しくなります。
でも、この映画の場合は、主人公のいとの涙が見れた瞬間が一番嬉かったかな。
あのシーン好き。
それから、この映画についてもう一点付け加えたいのが、パンフレット。
完成台本が載ってるんです。
気になる台詞が有ったら、パンフレットを購入してみたらいかがでしょう。
自然な雰囲気で入ってくる
駒井蓮さんが主演
内気な高校生を演じてる。
お父さんは、トヨエツだ。
お母さんは早くに亡くなってる。
祖母は、津軽三味線の方
イトちゃんも自然に覚えてがいまは、やってない。
そんなイトちゃんがはじめたメイド喫茶のバイトから
おりなす青春ドラマ。
店のオーナーは古坂大魔王だ!
津軽三味線の軽快なリズムと自然な感じが
すきだ!
みでけろ(笑)
青森が舞台だから、終始津軽弁
さすがに東北出身だから、7割ぐらいはニュアンスでも伝わるけど、
単語はさすがにわからないのがあるのと、声が小さくて聞き取れないとこあったけど😅
個人的には字幕があったり解説があるよりも、無い方が自然な会話だから、より入り込めたかなぁと。
後半のお客さんのセリフでおじいちゃんが『人生なんて不確かなものだべ』っていうのが、個人的にも今の心情と重なってしまって泣けてきた
祖母の三味線の演奏はもちろん、一番聞き取りやすい方言(笑)
すごく懐かしい感じになって、実家思い出す感じ
そういう面もあって、何気ないことでもいろいろ考えたら、割りと泣けてきた😭
ご当地映画な感じになりがちだけど、地方で暮らす、メイドのシングルマザー、漫画家の夢を持つ女の子、勉強は出来るけど貧しい女の子とか、
地方の抱えてる部分が出てて、
方言を話さない、父親が東京の目線を代弁するようなセリフ『メイドなんて、いつの時代の話だ。誰にも相手されない男が、クラブに行く金も無いから、カフェに来てるだけだろ』的な、痛いとこつくなぁと
死んだ母親の事は語られないけど、人にはそれぞれ踏み込まなくていいことあるよなぁとも思って
三味線もっとガンガン弾くのかなぁと思ってたけど、そこまでじゃなかった😅
東京出身の、黒川芽以のメイド姿で方言なのが、ものすごく好きな感じ
あと、あの汽車がより田舎感が出てて大好き(笑
弾いてるうちにだんだん心も足もひらいていきます
板柳町のリンゴ畑で迷子になったことがあるカールです。
面白くて、暖かみのあるいい映画でした。「おげえりなしぇませ、ごご、ごすじんさまぁ⤴️」が可笑しくてたまらんです。
いと(駒井蓮さん)の祖母ハツヱ役の西川洋子さんは三味線を弾く左手の指の動きが早くてひらひらして、まるでイソギンチャクみたいでした。昔の映画でお姫様役やった女優さんかなと思っていましたが、高橋竹山のお弟子さんだそうで、さすが一芸に秀でた人は何をやってもどっしりしていて凄いなぁと思いました。「か」 とか 「け」以外は難しくてわからなかったけど。あの手作りの高野豆腐の薄いやつみたいなお菓子はなんていうんでしょうか?
メイド喫茶の店長(執事)はいい男だったなぁ。こっちは江戸っ子だから、「しつじ」って言われると、えっ、羊?って一瞬思いました(ウソで~す)。
人間椅子をいつも聴いている変わった娘(ジョナゴールドさん)の部屋で、人間椅子のギターをすぐに耳コピして三味線で弾くシーンがありました。ピンと来なかったですが、西川洋子さんが大学生に津軽三味線は何回も聴いて、伝承で教わると話すシーンがありましたので、いとの天才的才能を分かりやすく表現した場面でもありました。バイトの初任給をお金がなくてギターが買えないっていう彼女にポンと渡すいと。いい娘だなぁ。
人間椅子はイカ天でよく見ました。まだ、活動しているようです。ピコ太郎も青森出身。3年B組金八先生の巡査役の鈴木正幸さんも弘前出身なので、出てほしかったなぁ。
トヨエツは嫌みのない演技に徹していて、安心してみられますので、トヨエツ苦手な人も大丈夫ですよ。
板柳中学校の校庭には、舞の海、高見盛、追風海のノボリバタが飾ってありました。
弘前の人がいうには、津軽弁よりもっとわからないのが青森弁だそうです。
私の後ろのおじさんが最初から嬉しそうに笑っておられました。ふるさとの訛り懐かし停車場ならぬ映写場でした。ふるさとの訛りで迎えてくれるメイド喫茶があったら、きっとこのおじさん行くわ~って思いました。
津軽弁ネイティブが観た
「わいは」(標準語で「びっくりした」)をこれほど聞いたことがない映画。わいは。平川市出身の駒井蓮ちゃん、ものすんごく可愛い。わいは。え、青森ってこんなにご当地アイドルいたの? わいは。劇中歌に人間椅子。つまり、どこからどう切り取っても青森。わいは。
会話の重要なところは標準語でしっかりと話されているので、映画の大切なところは理解できるはず。まぁ、津軽弁ならではのニュアンスがあるので、細かいところまで理解したいという方には厳しいかもなぁ。
この映画のユニークなところは、津軽弁にはグラデーションがある、濃淡があることをきっちり描いていること。小さい頃にお母さんを亡くしている(お父さんは標準語)主人公のいとちゃんは、お婆ちゃんの影響でかなり訛りがキツい。そのために、同級生から笑われる。だから、標準語化が進んでいる青森市在住の若い人が見ても、いとやお婆ちゃんの言葉は分からないかもしれない。
地元弘前で鑑賞しました🎶
青森県内先行公開中に鑑賞予定でしたが、やっと都合がついて観てきました。
今年4月から弘前に転勤してきたので、津軽弁が理解できるか若干不安でしたが、営業先で勉強できた甲斐あって楽しめました。
日頃眺めてる岩木山(もちろん登頂済み)やれんが倉庫もバッチリ!エンドロールにも知り合いの会社も出てるし、何よりT社さんの『りんごパイ』は絶品です。
もちろん主演の駒井蓮さんの笑顔は最高でした!
ちなみにイオンシネマには『黒川芽以』さん着用のメイド服展示されてますよ(期限不明ですが)
青森、弘前の良いところ盛りだくさん、コロナ収束したら、是非聖地巡礼にお越しください🎬
横浜聡子すごいな
序盤の入りが絶品なのね。「え? 何?」となるシーンをつないで導入してくの。画も綺麗だし「こりゃ、面白いわ」と期待して入ってくの。
敢えて分からないようにしてる津軽弁もいいね。分からないけど、なんとなく分かるし、言葉が分からなくても大体わかるということが分かる。「けっぱれ」の発音も使い方もおかしいって言うの、海外に行った人が子供に「お母さんの発音おかしい」って言われるみたいで面白かった。
主人公がめちゃ素直なのがいいね。あんまり話さないんだけど、訊かれると思っていることを素直に言うし。津軽三味線が凄腕なんだね。これがアイデンティティに関わる映画なんだなと思って観てくの。
自然な流れでメイドカフェでバイトを始めて、そこの人たちが主人公のことを想って色々とやってくれるんだよね。みんなで旅行にも行って、仲間の色んな事情を知って、そこで母親代わりと思える人に大事な一言をもらって「これで主人公が変わっていくんだ!」ってなるの。
ここでお約束の危機がやってきてね。「さあ、立ち上がれ!」と三味線の出番だよね。
ここまで主人公を丁寧に描いてきて、設定として楽曲演奏で盛り上がる音楽映画にもなってるから「こりゃクライマックスは来るぞ」と期待してみてたんだけど、そこは案外すんなり流したの。
友達の好きな曲に三味線で伴奏付けたりしてたから、伝統曲を演奏した後で、現代楽曲の弾き語りでいけば大盛りあがりだ!と思ったけど、それをしないストイックさ。
そして過去の自分に「さようなら」をして前に進む分かりやすいラスト。
細かな脚本の技も面白いんだよね。ばっちゃが「これ持ってけ」って手作りお菓子みたいのを渡そうとするんだけど「いらね」と断って、でも次のシーンでは手にして出てきたり。それがちょっとした笑いのシーンかなと思ってると、お父さんと喧嘩するシーンで「持ってけ!」ってもう一回ばっちゃがやって面白いところとか。
画も一つ一つ綺麗だね。演出も面白くて良い。これがあるから「このシーン、いらないんじゃ?」っていうシーンも面白く観られるの。
ラストシーンもね、ヌルい気はするんだよね。ストイックさを捨ててライブでガーッと盛り上げて「どうだ!」って終わらせた方がカタルシスはある気がすんの。
でも画がきれいだし、「ちっちぇな」っていう一言や、そこのやり取りの演出、画の綺麗さで「まあ、いいかな」って気になるの。
ラストのカタルシス不足はあるけど、映画の力を存分に活かした作品だと思ったよ。
横浜聡子すごそうだから、他のも観てみよ。
間違いなく〝いい映画〟のひとつです
じわじわ〜と心地良く沁みてくる映画でした。
思春期特有の、思いは溢れてくるのにうまく言葉にできないもどかしさとそんな自分への自己嫌悪とか卑下。
『聲の形』『心が叫びたがっているんだ』『桐島、部活やめるってよ』
パッと思いつくだけでもいく通りにも表現されてきた古くて新しい永遠のテーマですが、この作品は、メイドカフェという居場所と三味線というツールをすごく自然な形で取り入れたことでとても新鮮でした。そして、何よりも最強のツールは女優・駒井蓮です。
メイドカフェの先輩に髪を梳かしてもらううちに、封印してきた涙を取り戻すシーンはもらい泣き必至の忘れられないシーンでした。
いい映画、そう断言できる素晴らしい作品でした。
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