「【”けっぱれ!じょっぱり津軽三味線娘!” 引っ込み思案な少女の心の成長物語であり、懐かしき津軽弁全開の、画期的フュージョン映画でもある。】」いとみち NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”けっぱれ!じょっぱり津軽三味線娘!” 引っ込み思案な少女の心の成長物語であり、懐かしき津軽弁全開の、画期的フュージョン映画でもある。】
ー いとみち:三味線を弾く時に、爪に出来る溝。
だが、このタイトルはダブルミーニングであると、私は思った。ー
◆感想
・高校生いと(駒井蓮)は、亡き母、祖母(西川洋子:故、高橋竹山の弟子:そりゃ、津軽弁バリバリだよなあ・・。)の影響で津軽三味線の名手となるも、津軽弁なまりが強くて、引っ込み思案。そんな彼女が、ふとしたきっかけと時給に惹かれ、”メイドカフェ”で働くことに・・。
ー 設定が絶妙であるし、祖母がいとのモゴモゴと籠った津軽弁を聴いて、
”アンタノ言葉は、クラシックみたいだ・・”
も笑いのツボに入る。クスクス・・。
後は、余計なお世話だが、
”津軽弁に触れた事がない方は、劇中の台詞、分かるのかなあ・・”
と言う想いである。ー
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◇東北地方の難解方言
1.秋田県の山間地の高齢の方々の言葉
ー 山から下りて来て、温泉に入りたいので、”温泉は何処ですか・・”とお聞きすると”〇×▽◇・・”と、ニコニコしながら教えて頂いたモノである(複数回経験・・。超難解である。)ー
2.津軽弁 劇中にある通り。
3.庄内弁 みっこい⇒可愛い。しょすい⇒恥ずかしい。
いさごぐ⇒標準語では、当てはまる言葉なし。
わ⇒私。 いさぐ?⇒家に来る? こ⇒来い。
劇中出てくる、津軽弁にやや似ている・・気がしないでもない・・。 etc.
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・娘のいとがメイドカフェに勤めていた事を”事件により”知った民俗学者と思われる父(豊川悦司)が、娘と対立し、何故か二人とも、家を出る羽目に。
そんな父が、娘が働くメイドカフェに登山スタイルで訪れるシーン。
”チョモランマに行って来たんですか?””ハイ・・”
そして、娘が必死に初めて珈琲豆を挽きフランネルで時間をかけて淹れた珈琲を飲む父の嬉しそうで、安堵した表情。(家では、父が淹れていた・・。豊川さんは、矢張り良い役者さんである。)
ー メイドカフェを否定的に捉えていた父が
”こんなにきちんとした珈琲と、美味しいアップルパイを出す店であれば、大丈夫だ・・。”
と感じたと思われるシーン。
空になったカップとお皿のクローズアップ。ー
・メイドカフェが経営に危機に瀕し、店長が店を畳む思いをするも、先輩の訳ありメイドさんたち
(”首、もぐど・・”の自称お姉さん・・(黒川芽衣:とっても良かった)。漫画家志望の屈折した優しき卵(横田真悠)) の未来と現状のギャップが分かった上での、店を愛する心。
それを支援する常連さん達(宇野祥平さんって、ホント名バイプレイヤーだなあ・・)の姿も良い。
・引込み思案のいとが、店のため、自分のためにメイドカフェで、三味線を弾く覚悟をし、先輩メイドさんから、髪を梳いて貰うシーン。
ー 亡き母に、髪を梳いて貰っていたシーンとのシンクロの巧さ。
”きれいな髪だね。”と言う言葉。
いとの頬を伝う、一筋の涙。(見ているこちらも、グッと来てしまったよ・・。)ー
<ラスト、親子で岩木山の頂上に登り、
”あそこに住んでいるんだ・・。小っちゃいなあ・・。”
“ああ、小っちゃい・・。”と言う会話。
そう、世界は大きいのだ。
いとは、自分が住んでいた”小っちゃい世界で起きた事”を体験し、もっと大きな心で世界と向き合う決意をしたのだ。
爽快な気分で、映画館を後にした作品である。>
<2021年8月15日 刈谷日劇にて鑑賞>
NOBUさん、お邪魔します。
津軽弁で「自分」を指して 「わ」 と呼ぶのは
この作品で初めて知りました。
数年前に「アテルイ」というTVドラマがありまして
(主演=大沢たかお 西暦800年頃の東北が舞台のお話)
その中で主人公が、
自分の事を「わ」
相手の事を「な」
と呼んでいたことを思い出しました。
造語なのかな?と気になっていたのですが、
津軽や岩手などで実際に使われている(いた)言葉
なのかもしれない
と、分かったつもりになっています。
以下、余談。
(他人様のコメントにまで余談かぁ と怒られそう…)
東北地方の簡単方言会話(♪)
・1文字会話(作中でも出てきました …あれ? 気のせい?
「けぇ」 (お食べなさい)
「くぅ」 (食べますとも)
・2文字会話
「どさ?」 (どちらまでお出かけですか)
「ゆさ」 (お場(温泉)に入りに)
東北弁って、全体的に文字数が少ない印象がありますね。