「津軽訛りの引っ込み思案な女子高校生「いと」。自分で見つけた居場所(メイド喫茶)を守ろうと、祖母譲りの三味線を弾いて奮闘します。」いとみち もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
津軽訛りの引っ込み思案な女子高校生「いと」。自分で見つけた居場所(メイド喫茶)を守ろうと、祖母譲りの三味線を弾いて奮闘します。
キーワード 「津軽弁+三味線+女子高校生メイド」
予告の映像がかなり好印象でした。
青森が舞台の作品を観るのは初めてかな?
と思いながら、鑑賞です。
主人公 「いと」は、16才の女子高校生。
祖母や亡き母の影響で
三味線の腕はちょっとしたもの。 …なのですが
強い津軽訛りで引っ込み思案。
進学した高校でもなかなか友達が出来ない。
”変わりたい。 何かしなければ。”
そんないとの目についたスマホの求人広告。
…メイド珈琲 メイド喫茶?
…時給 高っ うー
悩む。 悩む。 … ぽち 「 ぽち ?」
「きゃー、かけちゃった~」
あれよあれよと 採用。
面接かと思って出向いたら その日から労働開始。
なのですが…
・あいさつ ⇒ 小声 かつ 訛りすぎ…
・接客 ⇒ お皿が上手く運べない
最後は裏方。イモの皮むきに… ですよね…
自分から一歩踏み出した世界
そこで出会う人たちに温かく見守られながら
頑張る いと。
と、事件ぽっ発。
お店のオーナーが警察沙汰を起こし
店への風当たりが強くなり、閉店の危機(!)
あきらめの雰囲気が漂う中
いとが自分の気持ちを口にする。
「自分がお店で三味線を弾く」
「それでお客さんを呼べるかも」
お店の執事さん(店長)
二人の先輩メイド
常連のお客さん
店のオーナー
みんなで力を合わせて頑張ることに。
そして…。
というお話。
登場する人たちの
純朴さ・優しさがとても心地よく感じられました。
何よりも
津軽というローカルさが
充分に生かされた良い作品と感じました。
観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
津軽弁
ところどころ、字幕が欲しくなりました(…汗)
駒井蓮ちゃんの津軽弁、ネイティブ顔負けです
じーちゃんぱーちゃんに育てられると
お年寄り直伝の、
正統な方言後継者が出来上がります (たぶん)
けれど
駒井蓮ちゃんの場合
ばーちゃんよりも濃い訛りっぷり。。
どこで濃縮されたのやら ナゾです。
メイド喫茶
「ご主人様」
「マダム」
「マドモアゼル」
ちゃんと相手によって呼び方変えるんだ などと感心。 へぇ
※ 最初のほうの駒井蓮ちゃんの
「ごすズンさま」
笑いを堪えるのに必死。
大魔王が飛び出そうです (お呼びですかごすズンさま)
駒井蓮ちゃん
出演作を観るのがこれで3作目 (たぶん) なのですが
今作の演技が一番自然で良い感じに思えました。
過去の2作品は
「名前」 津田寛治演じる主人公の元に現れ「父さん」と呼び
「オレの娘なのか?」と、思わせぶりな行動を取る
ミステリアスな雰囲気漂う女子高校生役
「朝が来る」 主人公(蒔田彩珠ちゃん)の姉
優等生を演じましたが、位置づけは「ちょい役」だったかも
今作での三味線の演奏は
本人が頑張ったんですね すごいなぁ 拍手。
岩木山と津軽平野
最後のシーンで、いとが父親と登った山
山頂からの景色(津軽平野)がとても素敵でした。
今作の舞台の板柳町は初めて知りましたが
津軽といえば太宰治。
一度はじっくり訪れてみたい
そんな気持ちになりました。
(※駒井蓮ちゃん よく見たら青森出身ですね。 津軽なのかな?)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
今晩は(この会話は、他の人はわざわざ見ないという前提で記します。)
私事ですが、私は東京神田で生まれ、埼玉で中学まで過ごし、父が会社の偉いさん(出向ですね)となり、山形の鶴岡と言う町で高校時代を過ごしました。
という訳で、高校入学時の担任の言葉が、真面目に何を言っているのか分からず、途方に暮れ、周囲の同級生に”オイ、コトバガワカンネエカラ、方言講座を開いてくれよ”とぞんざいな口調でお願いしたら、”都会モンハ、オッカネエノオ”(今でも、彼らとは遣り取りしていますが、感謝しかありません)と言いながら、親切に色々な方言を教えてくれました。只、私の高校は当時、彼の地では進学校であったため、庄内地方各地から生徒が来ており、土地ごとに言葉の微妙な違いがある事に、皆で驚いたモノでした。
宮本常一も、幾つかの著作で記載していますが、東北の冬は長く(10月から3月まで、太陽が出ない)そのため、人は必要最小限の言葉でコミュニケ―ションを取るという言葉が、腑に落ちましたね。長くなりました。では。