「アップルパイとチョモランマ」いとみち kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アップルパイとチョモランマ
横浜監督の映画を初めて観たのは『ジャーマン+雨』(2006)だった。当時から凄い才能だと言われていたけど、50万円という低予算のせいか音楽がまったくダメだったことを思い出します。しかし、今作では三味線もど素人だった駒井蓮が師匠(祖母役の西川洋子)にも恵まれ、猛特訓の末に「津軽あいや節」を披露してくれた。しかも音響が素晴らしい音楽映画♪
7.1ch
コロナ禍で映画製作も懸念される中、感染者数の少ない青森県での撮影敢行。ご当地映画という枠に捉われない、全国民が楽しめる作品だったと思います。強い津軽弁と人見知りの主人公いと。彼女の成長物語でもあるけど、父親(豊川)や祖母との強い絆もプラスされ、メイドカフェ仲間や常連客の成長物語でもあったのです。
同じく友達のいない早苗(ジョナゴールド)との意思疎通、さらにメイドカフェという偏見をなくす展開、戦時中の青森空襲の話題など、盛りだくさんのエピソード。さらに方言を中心とした笑えるところが多かった。
何といっても三味線の道を目指す物語は音楽好きにとっては大きな収穫。大股になるのが恥ずかしいと言ってたいとだったけど、ノッてきて演奏に陶酔すると開いちゃうんですよね。恥ずかしくなんかないよ!しびれるほどカッコいい!もう最高!特にばあちゃんとの競演は音がきれいでした♪
津軽弁についての知識もなく、鑑賞前に方言のサイトでチェックしていきました。「けっぱれ」という言葉にはもちろん感動するのですが、「わ」「な」「け」など、一文字で意味が通じる東北弁の特徴を活かした脚本になってました。特に祖母が乾し餅(?)を渡すときに言う「か、け」は印象的。「はいどうぞ、お食べなさい」という意味だ。
パンフ購入。最終台本が載っていて、これで津軽弁やわからなかった部分を復習できそうです。では、へばね。