劇場公開日 2021年6月25日

  • 予告編を見る

「ご当地映画の匂いをいい意味でかき消す良作」いとみち たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ご当地映画の匂いをいい意味でかき消す良作

2021年7月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

確かに噂通りのいい映画だった。どうせご当地映画の良くあるパターンでしょ、なんて公開前は思ってた。でもこの評判ぶりは只者じゃなかったので観てきた。確かに、別格のご当地映画だった。

ご当地映画みたいな匂いしてるのに、まるで違う。個々のピントの当て方がどこも上手くて優しい。そして何より、 皆がどことなく抱えている「人生がうまく行けばいいのに」という感情を乗せた雰囲気も心地よい。だから暑苦しくなく、寧ろホワッとした余韻をもたらしてくれる。
過去1聞き取りにくい主人公だったかも。笑 それはもちろん褒めている。津軽弁の強い訛を使いこなす駒井蓮さんにハマる人が多いのも分かる。あのヒロイン感で、メイドも可愛く、三味線も達者。朝ドラを観てるような安心感と暖かさ、そして、好きな時間がずっと流れていた。他にも黒川芽以さんとか横田真悠さん、中島歩さんとかのスパイスもきっちりかかっている。それぞれ抱えた境遇を自然に落とし込んでいるのも凄い。シスターフッドであり、青春であり、人間讃歌。その一方で、平たく落としこんだことを拾いきれなかったので、傑作とまでは写らなかった。でも、定期的に観たくなるような映画だと思う。
また、1番感心した、と言うと語弊があるが、ご当地映画としての機能が抜群の効用をしている。くすくす笑えるような会話も多かったし、戦争や景色といった、舞台にマッチした展開もグッとくる。

要素が詰まっているように見えて、整然としているから凄い。自分も思わず「けっぱれ」と思って見ていた。いとから良いところ見習わなきゃ…。笑

たいよーさん。