「車上生活者の未亡人ファーンがノマド達と出会い別れ、自分の過去の思い出を乗り越える」ノマドランド 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
車上生活者の未亡人ファーンがノマド達と出会い別れ、自分の過去の思い出を乗り越える
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Youtubeでキャンピングカーで旅行する人たちの動画をよく見る。自分自身小旅行をよくするし、そういう生き方をしてみたいとあこがれていたので前から見たかった。
エンディングを見終えた気分はハッピーでは無い。ファーンは悲しい思い出と共にその日暮らしの生活を続け、車上暮らしという水道代、電気代、ガス代のいらない必要最低限の生活費ながらも巨大企業での期間労働に依存しなければ生きていけない。それを見せつけられる。エンディングの後も彼女がノマドとして生きるならば、それは変わらない
ノマドになるには皆理由がある。その理由は悲哀のあるもの。ファーンはエンディングにて、悲哀を胸に懐きながら、自分がノマドとなった起点から次の新天地へ向かう。直線道路を走っていく車の後ろを見て自分は前向きな可能性を感じられなかった。視聴後に改めてその時の自分の心境を内省すると、それは今の自分に起因するのかもしれないと思った(改めて考えると、彼女はエンディングで今まで目を背けていた自分の過去の思い出を再度直視し、それを乗り越えて次へと向かったという風に取るほうが自然だと思う)。そんな自分の心境もあって、パッケージには『全世界絶賛の感動作』とあるが、感動はしなかった。エンディングの後、作中のファーンに対して思うのはノマドとして、もしくはそうでなくなったとしても幸せになる方法を模索して生きてほしい。
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