「自分の居場所、生き方…」ノマドランド ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の居場所、生き方…
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に尽きる映画。画面も曇り空が多く、寒く、笑うシーンはない。当初、夫に先立たれ、車上生活を余儀なくされた孤独な高齢女性の貧困問題を扱う映画だと思っていた。確かにノマド生活を送っている人々の多くはそうなのかも知れない。いや、確かなことは言えないし、そもそもノマドという言葉も、そういう人々がいることも知らなかった。しかし、フランシス・マクドーマンド演じるファーンは自らの意思で、流浪の旅をし続ける。働き先を変えながら、そこで出会った仲間とずっと一緒にいるわけではなく、互いに別れ、またどこかで出会いを繰り返す。姉に一緒に暮らすよう言われても、旅先で出会った男性から共に住むよう誘われても、自分の居場所は違うと断ってしまう。普通なら将来の不安から、定住、温かいベッド、食事、風呂、何より落ち着く家、家族がほしいのだが。。彼女にとっては亡くなった夫と、共に暮らした家のみが暮らせる場所だったのか。出演者の中には実際にノマドをしている人もいると言う。映画としてはこういう人々もいるんだなぁと思ったくらいであまり共感はできなかった。
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