「年老いたスナフキンたち」ノマドランド ライヘンバッハ・ヒーローさんの映画レビュー(感想・評価)
年老いたスナフキンたち
一般的に、ストーリーというのは起承転結があって成立するものですが、この作品はさしずめ「起承」だけのまま最後まで流れついてしまうような感じ
作品全体がノマド側の視点で描かれているため、その生活を美化しすぎないよう極力抑えめな演出・脚本に苦心したのかもしれません
それが結果として、車上生活者たちの厳しい現実やそこに至るまでの人生の苦悩や挫折等についてをオブラートで軽く包み込んだようになっています
おそらく"美しい自然の中を自由に暮らす放浪民"として淡々と描くのが狙いでしょうが……
それを見せられる大半の観客には、おそろしく退屈なものにしか映らないかもしれません
ま、アカデミー賞は昔から「観客に寄せていったら負け」みたいなところがあるので、そういう意味では受賞作に相応しいとは思いますけど
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