「見応えのある作品」ノマドランド wkchanさんの映画レビュー(感想・評価)
見応えのある作品
驚くべきは、キャストのノマドの人々が俳優ではなく、本物だったことだ。
確かに彼らの存在感はあまりにもリアルで、怖いぐらいに切実で、それと同時に、それぞれに一人ではあるが孤独ではなかったし、貧しくても誇り高い存在だった。
再三映し出される神秘的なマジックアワーの空の色がとても印象的で、アメリカのダイナミックさと圧倒的な自然美に加えて、正直何かしらの残酷さを感じずにはいられなかった。
妥協できないものを胸に秘め、覚悟の上で旅を続けるノマドたちは、美しくも厳しい自然の中で懸命に生き、そして土に還るように静かに死んでいくのだろう。
それが幸せでないとは限らないということを、私はこの映画で初めて知ることになった。
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