「ファーンは即答で、否定的回答なのがいい!」ノマドランド talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ファーンは即答で、否定的回答なのがいい!
キャンピングカーで動いている人達が高齢者(おそらく60代から70代)であることにびっくりしました。配偶者が亡くなった、死が近い、好きな風景を見たい、一人で居たい、好きに自分の時間を過ごしたい。子どもや孫がいても動く、性別関係なく。彼らのタフさと自立心に感動しました。
ファーンは郵便番号もろとも町が消え失せることがなければノマドにならなかったろう。でも、元々ファーンの中にはそういうものもあったと思う。強さ、前向き、好奇心、「普通」って何?と常に問いかける知性、コミュニティー嫌いだけれど必要性と学習と同じ立場の人間を知る為に受け入れる柔軟性がある。でも「禁煙?絶対しない!」。写真、指輪、お皿…と思い出を大切にしながら。
のっぴきならない状況が引き金であれ、ノマドを可能にしているのが広大なアメリカ合衆国。大きなキャンピングカーが沢山駐車できる場もどこまでも続く広い道路も砂漠も、日本にはない。日本は住所不定だと口座も車も持てず、バイトもできず、病院にも行けないだろう。一方、アメリカ合衆国はOKだからいいとかそういう話でなく。あと、この映画は反資本主義でもなければ資本主義の終焉を示唆している訳でもない。生活するためには貨幣が必要で、その為に働く場所はアマゾンだし、スマホもGPSも必須だし、化石燃料を使う車の使用が彼らノマドの大前提だから。
リアル・ノマドの人達とフィクションのファーンが混淆している映画。こういう作りは今までの映画の次元を超えたと思う。
タイヤとかオイルの交換、バッテリーのチェックその他できなければだめだ。できるようになろう!でも、車、不要だからうちにはもうないのであった。
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映画館に行けなくて暇だから、考えた。この映画のアメリカ西部の「雄大で美しい風景」は太陽や光の一瞬を待ち構えて撮影されたものだとよく書かれている。確かに、広い大地をバックにした夕日、光が反射してキラキラした池(湖?)などの映像があったのは覚えている。でも、自分にとっては大きな感動ポイントにならなかったし、あんまり記憶に残っていない。
なぜだろう?考えた。地平線がどこまでも続くような場所に行ったことがないからだ、多分。私が知っているのは、日本かヨーロッパで、都会、庭園、お城、神社仏閣、教会、遺構。そして自然といっても、人間のこまめな手が入っている森、山、川、湖、畑、草原、海岸。だから、西部劇的荒れ地や景色は本当に見たことがない。ブロンテ姉妹が住んでいたイングランドのハワースの荒野でさえアメリカの荒野に比べたら優しい。あまりに未知のものを前にするとびっくりするのが精一杯で、少なくともすぐには感動するように人間はできていないのかも知れない。
歌舞伎も文楽も能も、何も知らず約束事も知らなければ面白くないだろうし退屈だと思う。でも、生まれて初めて「ハレルヤ」を聞いた時は、全身が鳥肌状態で全身全霊で感動した。なぜ?自然・風景と、人間が作るものは違う?ものによっては同じ?訳わからなくなりました。駄文すみません。(2021.5.8.)
コメントありがとうございます。
こうしてレビューすることでようやく少しだけ印象に残ります。
しかし中には思い出すのに苦労する作品もあります。
覚えているものとは、個人的にそのジャンルでかなりトップに位置する作品なのでしょう。
まるでラーメンの食べ歩きのようですね。
Talismanさん、コメントありがとうございます。ファーンを演じたマクドーマンは素晴らしかったです。けれど、シナリオや構成は若い中国人の監督が決めることだからねぇ。楽しいシーンは皆無だし、なんか上から?みたいなことを思ってしまうとなおさら楽しめない映画でした。Amazonの看板あんなに頻繁に大きく出すのもやな感じでした。Amazonはアメリカに法人税払ってないらしいですね。壮年期の人と老年期の入り口にさしかかった人では受け止め方に大きな差が出るちょっと残酷な映画。
せめて、フライフィッシングで魚釣りして、みんなで焼いて食べるシーンとかあってくれたら、少しは気持ちが緩んだかもしれません。それにしても、共感数すごいですね。60越え!
コメントありがとうございました。
デイブ甘いですねー。
「君は周りとうまくやっていけるし」とか言う時点でダメっす。
自然災害が頻繁に起きて、今の社会システムが崩壊すれば、ガソリンもプラッチックも使えなくなるかもしれませんね。
生き残れないかも…
共感&コメントありがとうございます😊
そうなんですよ!「こんまり」
作品のイメージとあまりにもかけ離れていたから驚きましたがクロエ監督があの
お片付け番組を観ているのも又、びっくり‼️
コメントありがとうございました。資本主義を否定しているわけではないという視点は、考えてなかったです。生き方に色々な選択肢を持つっていうことなんでしょうね。
おはようございます。
今作は、一般的にはエンタメ要素の少ない地味な映画の範疇に入るのでしょうが、私にとっては、現代に蔓延る様々な問題をサラリと投げかけてくる滋味溢れる映画でしたね。
talismanさん、良かった❗️
最初はレビューなくタイトルだけだったので、なんかホッとしました。
この映画と内容的にはあまり関係ないのですが、私の中では、昔観たショーン・ペンの『イントゥー・ザ•ワイルド』と雰囲気が重なって(寒そうなシーンでは、レヴェナントもちょっと思い出してました)、その比較で物足りなさを感じたようにも思ってます。