劇場公開日 2021年9月17日

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アイダよ、何処へ?のレビュー・感想・評価

3.949
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採点

全49件中、1~20件目を表示

5.0主演の力強い目

2021年10月30日
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鑑賞方法:映画館

『サラエボの花』という素晴らしい映画を撮ったヤスミラ・ジュバニッチ監督の新作は、紛争で引き裂かれる家族を守ろうとする1人の女性の痛切な叫びを描いている。ボスニア紛争で2万人の難民が出てしまう。国連の用意した避難所には一部の難民しか入れない。セルビア軍が市民を無差別に殺しているという情報もある中、国連通訳のアイダは、家族を守るためにあらゆる策を講じる。
しかし、国連とセルビア軍との「合意」が事態を複雑化させ、虐殺のきっかけとなってしまう。後半、緊迫の脱出劇は生きた心地がしないほどのリアリティを観客に与える。どこにセルビア軍が待ち構えているかわからない中、抜け出す道を必死に家族とともに探す。
主人公アイダを演じたヤスナ・ジュリチッチの目力が素晴らしい。絶望に打ちひしがれても、意志の強さが失われないようなその目の力に大変な感銘を受けた。

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杉本穂高

4.0通訳=“橋渡しをする人”という主人公の設定の巧みさ

2021年9月17日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

日本が阪神大震災とオウム地下鉄サリン事件で揺れた1995年、欧州ボスニア・ヘルツェゴビナの町スレブレニツァでは、紛争のさなかに8000人もの罪なき住民が虐殺される事件が起きた。本作はこの“スレブレニツァの虐殺”を題材にしているが、国連平和維持軍の通訳として働くようになった現地の女性、アイダという架空の人物を主人公に据えることで、事件のいきさつを的確に示しつつ観客に当事者のような感覚をもたらすことに成功している。

夫と2人の息子がいるアイダは、紛争の前はこの町で教師をしていた。映画冒頭、事件の前段階の状況が駆け足で語られるが、予備知識がないと若干わかりにくいかもしれない。

紛争ではセルビア人、クロアチア人、そしてムスリムのボシュニャク人の3勢力が争っており、スレブレニツァはボシュニャク人勢力の拠点だった。この町で1992年にムスリム武装勢力がセルビア人約1200人を殺害する事件が起き、セルビア側はスレブレニツァを包囲。1993年に国連がスレブレニツァを「安全地帯」に指定して攻撃を禁じ、平和維持軍の基地も設ける。しかしセルビア勢力が国連側の通告を無視して町に侵攻したことで、住民2万5000人が保護を求めて国連基地に押し寄せる…と、ここまでが前段階。

アイダは国連軍のリーダーらに付き添い、両勢力の交渉の場や、軍が住民らに状況を説明する場でボスニア語と英語を通訳する。物資に限りのある基地には数百人ほどの住民しか保護されないが、アイダは夫をセルビア側との交渉役にすることで、息子2人もどうにか基地の中に入れることができた。観客はアイダの視点を通じてことの推移を見守ることになり、国連側の弱腰な姿勢や、セルビア側の威圧的な言動、そして無力な家族や住民たちの不安を目の当たりにする。アイダは異なる立場の人々の橋渡しとして献身的に働きながら、大切な家族を守ろうとするのだが…。

昨日まで隣人同士だった人々が、民族や宗教やイデオロギーを理由に互いを攻撃し殺しあう内戦や紛争の不条理さは、主に2つの場面で印象的に描かれている。最初は、ゲート近くにいたアイダが、外の若いセルビア兵から「先生」と呼びかけられる場面。昔の教え子がにこやかに、さりげなく家族の居所を尋ねてくるのが地味に怖い。もうひとつは、終戦後何年もたってからアイダが教師に復職し、生徒たちの学芸会の舞台を見ているラスト。客席では、敵部隊の隊長だった男も父親の顔でほほえむ。このラストをどう受け止めるかは、観客ひとりひとりに委ねられている。そこにはきっと、いつまでも終わらない民族や宗教の対立から生まれる悲劇について、自分がその立場ならどう感じるか、どう行動するかを考えてほしいという作り手の願いが込められているのだろう。

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高森 郁哉

4.5受け止め、語り継ぐべき渾身の一作

2021年9月16日
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ボスニア紛争のさなかで起こったジェノサイドを描いた物語である。恥ずかしながら私はこの事実を知らずに生きてきた。25年前にこれほどの殺戮が行われたなんて、筆舌尽くしがたいとはまさにこのこと。ただし、本作は人が殺し、殺されゆく場面そのものを直接的に見せる作品ではない(それゆえ何が起こっているのかわからない恐ろしさがあるのだが)。むしろ国連軍の女性通訳者アイダの目線を借りて、その”経緯”を紡いでいく。セルビア人勢力によって制圧された街。助けを求めて国連施設へなだれ込む市民。そこへやってくるセルビア兵士。この状況に何ら手を打てない国連軍兵士達・・・。施設内を奔走するアイダの鬼気迫る表情と、キッと鋭い目線が胸に突き刺さる。演じるジュリチッチも相当な覚悟で事実と向き合い、役に身を投じたに違いない。「この悲劇を世界へ伝えたい」という魂の叫びをしっかり受け止めるべき一作。語り継がれるべき渾身の一作である。

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牛津厚信

4.5A Movie to Destroy Your Happiness

2021年8月17日
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鑑賞方法:試写会

In looking at dreadful moments in European history, it's interesting that the Balkans' 90's conflicts are overlooked by cinema. Quo Vadis, Aida? (good luck remembering that title if you haven't studied Latin) might be the first drama I have seen about the Bosnian War. It's the cousin to Hotel Rwanda, portraying the UN's shortcomings in solving humanitarian crises at the time. A must-watch for all.

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Dan Knighton

4.0恐ろしい

2022年9月24日
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 1995年7月に実際に起きたスレブレニツァの大虐殺をもとに、国連の通訳をしていた女性アイダを主人公にした物語。アイダ等登場人物はフィクションのようだが、通訳の仕事をしながらなんとか避難してきた夫と息子達を守ろうと悪戦苦闘するアイダ。満員で入りきれない避難民たちの中から家族を探し、なんとか中に入れようと必死になる。知人たちに「この子も助けて」と頼まれても聞き入れる余裕すら無い。実際にあの立場なら、まず自分の夫と2人の息子を、なんとか守りたい、てことだけで目一杯でしょう。
 出演者の表情がこの映画の見どころでしょうか。主役のアイダの目力の強さは凄まじく、日々の激務で疲れた感に加えての置かれた現状に対する悲壮感、表情が凄まじい。特に目力が凄まじい。アイダ以外の家族が見つめあったり、避難民たちの表情もおおくを語らせずとも表情で観ているこちら側も辛くなってしまう。
 戦争といってもまだほんの最近の話。他民族、他宗教と難しい問題が多く、我々日本人が知識として頭に入れたとしても到底理解など出来ないだろう複雑な問題。ロシアとウクライナの現在にしても、なんとか解決できないモノだろうか。罪もない人々が大量虐殺で殺されるなんて絶対にあってはならないし、もう起こらないでほしい。
 とても観るのは辛い映画だが、せめてこうした事実を知るためにも観るべきジャンルです。

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アンディぴっと

5.01995年のボスニア・ヘルツェゴビナ

2022年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1995年に起きたボスニア・ヘルツェゴビナでの8千人を超す大虐殺事件を扱っている。
武装したセルビア人勢力が、国連保護下の地域に侵入、弱気の国連軍、主にオランダ軍を後目に男性を連れ去り虐殺する。
主人公アイダは国連職員で通訳をしているが、夫や子どもたちを助けようと必死に奔走する。
とても息苦しい作品で、今のウクライナを思うと尚更。

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いやよセブン

4.0いつだって、どこだって、とことん無力な、国連平和維持軍!

琥珀糖さん
2022年8月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

2020年(ボスニア・ヘルツェゴビナ・オーストリア・ルーマニア・オランダ・ドイツ・ポーランド・フランス・ノルウェー・トルコ合作)
監督:「サラエボの花」のヤスミラ・シュバニッチ監督。

ボスニア・ヘルツェゴビナの町、スレブレニツァで起こったジェノサイドの事実を描いた映画です。
(ジェノサイドとはジェノス(種族)サイド(殺戮)を組み合わせた言葉です)
1995年7月。
セルビア人勢力に占拠されたスレブレニツァの住人は、保護を求めて2万5千人が、
国連基地に集まった。
国連を仲介として、話し合いが持たれる。
そこで、セルビア人勢力は、住民をバスに乗せて別の安全な町へ移送する・・・
と、約束するのだった。

この映画の主人公は国連平和維持軍の通訳のアイダ(40代の中年女性)です。
逃げて来た住人の中には夫と息子2人が居るのです。

大体に平和に暮らしていたスレブレニツァの人々が何故住み慣れた町を捨てて、
出て行かねばならないのか?
まったく腑に落ちません。
国連平和維持軍の大佐は、セルビア人の言葉を易々と信じるのです。
この辺りをみていると、国連平和維持軍に本当の責任者がいるのか?
寄せ集めのアマチュア兵士の集まりに見えて来ます。
でなければ、セルビア人に舐められたものです。
虐殺の途中にでも何故、止めに入れなかったのか?

通訳のアイダは、誰よりもセルビア人の約束を信じていません。
勘が働いたのでしょうね。
国連にも信頼を置いてなかった。
アイダは夫を2人の息子を必死で隠して守ろうとするのですが・・・

☆ボスニア紛争は3つの民族が民族浄化の名の下に殺し合いを続けました。
特に虐殺に合ったスレブレニツァのボシュニャク人はムスリム=イスラム教徒だったのです。

監督は紛争時、学生でしたが、スレベニツァに住んでいました。
この映画は9カ国もの合作映画です。
エキストラの数も非常に多く、資金を集めるのに長い月日が必要だったと思われます。

今現在、ロシアのウクライナ侵攻が、世界の平和を揺るがしています。
ジェノサイドの歴史を読むと、なんとソビエト(現在のロシア)は、
今から90年前の1932年から1933年にかけて、ヨーロッパ1の小麦の生産国だった
ウクライナの小麦を搾取して、ウクライナ人750万人(!?!)を人口飢餓で殺しているのです。

歴史は繰り返す。
恐ろしい事です。
ロシアのウクライナ侵攻を、世界中の知恵でSTOPさせなくてはなりません。

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琥珀糖

5.0現代に生きる人には必見の映画

ぼぶさん
2022年6月9日
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とにかく圧倒的な映画で引き込まれようが半端ない❗️それにここまで怒りがこみあげてきた映画も少ない。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のことは当時ですら生半可な知識しかなかった。宗教や民族が違うだけでそれまでお隣さんだった知人を殺戮する。ルワンダでのジェノサイドや今のウクライナ侵攻を連想させる構図。監督さんの強い執念には終始唸られっぱなしだし、驚異的な完成度だ。それにしても戦争ってのは恐ろしい。厄介で、議論なんかは関係なく不条理で人間個人の力は到底及ばない。絶望しかない。でもそんな渦中においても家族のために闘い、社会と共生しようとするのがこの主人公。おれにはそんなパワーはないからただ感嘆しかない。ラストシーンにも大いに考えさせられた。子どもたちの笑顔とアイダの厳しい表情。ウクライナ侵攻でも報道されない悲劇がたくさんあるのだろうと本作を観て確信した。紛争・戦争を一般人の目線からとてもリアルに表現しており、現代人には必見の映画だ。

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ぼぶ

4.0紛争(戦争)の解決の糸口

eimeiさん
2022年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画を見終わって、真っ先に目に浮かんだのは、現在、ウクライナ東部で行われている紛争(戦争)です。この映画と似たようなことが、現在起こっていると思われます。
過去をさかのぼれば、チンギスハーン、ナポレオン、ヒットラーなどにより、もっと大規模なジェノサイドがいくらでも起こっています。そのたびごとに、同じような悲劇が繰り返されています。
第二次世界大戦後、このような紛争(戦争)を話し合いで解決しようと、国連が発足しましたが、仲裁できないどころか、難民等の敗戦処理機関になっています。
紛争(戦争)が起こると、男性からは「軍備増強」、「核武装」などの強硬な意見ばかりが出てきます。
一方、紛争(戦争)の際、「女・子供」と言われ、女性は悲劇のヒロインにされていますが、それでよいのだろうか?世界の人口の半分以上は女性です。
この映画の監督は女性ですが、紛争(戦争)の解決の糸口は、全女性の団結にあるように思えてなりません。

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eimei

5.0圧倒的な事実の重みに打たれる。アイダがオロオロと基地をさまよい歩い...

えみりさん
2022年5月12日
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鑑賞方法:DVD/BD

圧倒的な事実の重みに打たれる。アイダがオロオロと基地をさまよい歩いて助けを求める姿が印象的。こんなことが当時行われていたなんて。セルビアの兵士が高校の先生と呼びかけるシーンも印象的。

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えみり

4.52本立て1本目。すごい映画だった。 ボスニア紛争、名前しか知りませ...

2022年4月24日
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鑑賞方法:映画館

2本立て1本目。すごい映画だった。
ボスニア紛争、名前しか知りませんでした。ましてや21世紀も間近という時代にこんな虐殺があったなんて…ショックでした。今、ウクライナでこんなことが起きていないことを祈るばかりです。
戦争というものの愚かさ、悲惨さが分かります。まさに今だからこそ見るべき作品。ずっと緊張感を強いられる疲れる作品ではありますが(笑)
愚かな独裁者が出てくれば…日本が巻き込まれない保証なんてどこにもありませんよね。

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はむひろみ

3.0題材にするだけでも大変だろうが‼️❓真実がわからないもどかしさよ❓‼️

2022年3月21日
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この映画を観ても、どうして虐殺が起きるのかはわからない。
何故なら、市民の視点しかわからないから。
今のウクライナの現状の報道も真実はわからない、わかるのは先に攻撃したのはゼレンスキー、報道の内容は欧米に統制されていること。
虐殺は、今も、アフリカ、中東、中国、で現在進行形
自由の国アメリカですら、最近まで虐殺していた、イラクに原因とした兵器も無いのに。
ただ、こんな映画でも、関心を示す意義は多大です、風化させないために。
そして国連の無力さを思い知るためにも、是非。

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アサシン5

4.0恐ろしい

津次郎さん
2022年3月4日
PCから投稿

U-NEXTの新規入荷にあったので見ました。
スレブレニツァの虐殺を描いた映画。
知らなかったので調べました。

『1995年7月11日ごろから、セルビア人勢力はスレブレニツァに侵入をはじめ、ついに制圧した。ジェノサイドに先立って、国際連合はスレブレニツァを国連が保護する「安全地帯」に指定し、200人の武装したオランダ軍の国際連合平和維持活動隊がいたが、物資の不足したわずか400人の国連軍は全く無力であり、セルビア人勢力による即決処刑や強○、破壊が繰り返された。
その後に残された市民は男性と女性に分けられ、女性はボスニア政府側に引き渡された。男性は数箇所に分けられて拘留され、そのほとんどが、セルビア人勢力によって、7月13日から7月22日ごろにかけて、組織的、計画的に、順次殺害されていった。殺害されたものの大半は成人あるいは十代の男性であったが、それに満たない子どもや女性、老人もまた殺害されている。
ボスニア・ヘルツェゴビナの連邦行方不明者委員会による、スレブレニツァで殺害されるか行方の分からない人々の一覧には、8,373人の名前が掲載されている。』
(ウィキペディア、スレブレニツァの虐殺より)

安保理が定めた安全地帯に2万を超える避難民が集まってきます。そこはただの倉庫で食糧も水もトイレもありません。オランダ軍のPKOは武装しているものの本体からの支援が得られず傍観者も同然になっています。したがって避難民の運命は将軍をふくめ全員が暴徒化したセルビア人の雑兵に委ねられます。

『ある生存者によると、平和維持活動中でありながらこの状況に対して何もすることができずにいるオランダ人国連軍兵士のすぐそばで、子どもの断首、女性の強○が行われていたと述べている。この人物によると、あるセルビア人兵士が子供の母親に対して、子供を泣き止ませるよう命じた。子供がその後も泣き続けると、セルビア人兵士は子供を取り上げて咽喉を切り、笑ったという。強○や殺人の話は群集の間に広まり、彼らの恐怖を一層激化させた。難民の中には、恐怖のあまりに首をつって自殺を図る者もいた。』
(ウィキペディア、スレブレニツァの虐殺より)

主役/視点は国連軍が通訳として現地調達した教師のアイダです。原題はQuo vadis, Aida?。そんなタイトルのローマ史劇がありましたが「クォ・ヴァディス」とは「主よ、何処へ行かれるのか?」という意味だそうです。

リアルで打たれますが食欲をなくす種類のむごい話です。ご覧になるのをお薦めしません。じぶんも「見なきゃいけない」というある種の義務感にかられて見た──に過ぎません。

見なきゃいけないという気持ちになっていたのは、いうまでもなく今、ロシアのウクライナ侵攻(2022/02/24~)が行われているからです。

侵攻の初端でゼレンスキ―大統領が「みんなも戦ってくれ」とか「火炎瓶をつくってやっつけろ」とか、呼びかけていたのに、じぶんは驚きました。現代戦に対して、また圧倒的な兵力差に対して、無邪気な気がしたからです。

もし日本だったらこのような呼びかけをしないと思います。「命を守る行動を取って下さい」とか、言うと思います。

戦中なら「竹槍をつくって敵を撃退しよう」と呼びかけたかもしれませんが、今のように長く平和を享受してきた社会/国民に対して、いっしょに戦おう──なんて言うはずがない、と思うのです。

ただし、露・ウの状況を注視してきて、その間に、民間人が亡くなったり、住宅や非軍用の施設が爆撃を受けたり、地下で少女が泣いている画がでたりした後では、ゼレンスキー大統領の初端の呼びかけ「いっしょに戦うんだ」も総動員令も理解できました。

いや、むしろ戦わないでどうする?国の興廃はこの一戦にある──。ゼレンスキー大統領は端から、既にその決意を持っていたはずです。

だけど戦争の恐ろしい部分は(わたしは(もちろん)戦争について一切知りませんが)──戦争の恐ろしい部分は、どちらかが武装解除された後の蹂躙だと思います。
戦争の恐ろしい部分は「わかりました。でも約束は守って下さいよ」と言って武器を捨てたあとに、相手の腹に渦巻く闇──だと思います。
この映画はそれを描いている。と感じました。

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津次郎

4.5すごかった

2022年2月24日
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鑑賞方法:映画館
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吉泉知彦

4.0知らないけど知ってる

mikyoさん
2022年2月18日
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鑑賞方法:映画館

大体結末が予想できてしまうので、その瞬間をじっと待つのを耐える映画。

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mikyo

4.5銃声

2022年2月15日
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鑑賞方法:映画館

この映画の舞台である1995年は日本では阪神淡路大震災、オウムの地下鉄サリン事件が続き、当時テレビや週刊誌は当然これら一色であり、自分にとってボスニア・ヘルツェゴビナの紛争は対岸の火事であまり関心がなかった

観終わっての感想は、やってることがホロコーストとかわらない!

ニュース映像や記事では充分に理解できないことも、映画であれば当事者目線で理解しやすい(観たあとであれば本や記事でも補足できる)

この世界、まだまだ自分には理解できないことが一杯だ

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うんこたれぞう

5.0男たちの、国連軍の、からっきし弱腰の後ろ向きな人物像に対し、アイダの、そして女たちのなんと強くて前向きなことか!

2022年1月11日
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鑑賞方法:映画館

空威張りして権力を振りかざしながら組織に従う歯車であることに慣れ切った象徴と、今生きるために全力で駆け回り命を産み落としそれを守る姿は、対象に臨機応変に力を出し切るのを惜しまない母性からであろう。火事場のバカ力、そして愛する者をただ守りたいという思い。

緊張を持続し続けるストーリーと生き生きとしたカメラワークと、シワが刻まれた首筋や凛とした姿勢、鋭いまなざしといったアイダのキャラクター造形に引き込まれる。

ボスニア紛争の裏側がこんなことだったとは、知らなかった・・・。

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jollyjoker

4.5どこへ?

Pocarisさん
2021年12月23日
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鑑賞方法:映画館

彼女はどこへもいけないでしょうね。

最後のシーンがいちばんの戦慄でした。

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Pocaris

4.0【”紛争勃発前は隣人だったのに・・”ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期に行われたジェノサイドを尋常でない緊迫感の中で描いた作品。宗教、民族の違いは何故に争いを産むのであろうか。】

NOBUさん
2021年11月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

ー 1992年に勃発した紛争が泥沼化する中、イスラム教を信仰するボシュニャク人達が住んでいた、東部ボスニアの町スレブレニツァは、国連から安全地帯に指定され、オランダ軍による国連防衛軍に護られていた。
  だが、1995年7月、ムラディッチ将軍に率いられたセルビア人勢力が町を制圧。国連軍の施設には2万人のボシュニャク人達が押し寄せた。が、施設規模から2万人は収容できず、大多数の人は、施設の外で助けを待つことに・・。
  今作は、僅か25年前のナチスの如きセルビア人によるジェノサイドを、国連の通訳を務めていたアイダ(ヤスナ・ジュリチッチ)の視点で描いた戦慄の作品である。ー

◆感想<Caution 内容に触れています。>

 ・元教師だったアイダに対し、元教え子のセルビア人青年たちが、見下したように掛ける言葉の数々。
 ー 紛争勃発前は隣人だったのに・・。故郷の町を追われるボシュニャク人達の姿。ガランとした町にやって来たムラディッチ将軍が行った事。
   それは、ボシュニャク人達の文化(旗、地名)を否定して行く行為である。ー

 ・全く機能しない国連。オランダ人カレマンス大佐が、セルビア人側が、最後通牒を破ったとして空爆を求めるも答えはない。圧倒的兵力の差により、易々とムラディッチ将軍達に、基地に入り込まれ、人々は男女に分けられて、男は“死のトラック”に乗せられて、どこかに運ばれていく。
 泣き叫ぶ女達。
 ー これは、本当に25年前に行われたことなのか?民族浄化を行ったナチスと同じではないか。更に言えば、国際社会が少数民族を見捨てたかのような、無関心な態度。
 日本でもボスニア・ヘルツェゴビナ紛争は、報道で報じられていたが、ここまで悲惨極まりない行為が行われていたとは・・。ー

 ・アイダは、せめて自分の夫と息子二人だけでも救おうと、基地内を必死の表情で走り回るが、オランダ軍人たちも、”規則”を建前にして、相手にしない・・。
 ー 職務を放棄して、部屋に籠る大佐。外国による平和維持活動の限界を問題提起しているシーンである。ー

 ・学校の講堂らしき建物に連れ込まれた男達。セルビア人将校は、”今から映画を見せる”と言い。扉を閉める。建物上部から男達に向けられた銃口。
 ー 銃声が響き渡る中、セルビア人の子供たちは、サッカーに興じている。物凄くシニカルで、恐ろしいシーンである。ー

 ・紛争終了後、虐殺された男性達が土の中から、掘り起こされ、白い建物の中に骨と遺留品が並べられている。女性達が、夫、息子を探す姿。
 アイダは、セルビア人たちの冷たい視線を浴びながら、且つて家族で住んでいた家を訪れる。出て来た若きセルビア人の女性。

<ラスト、アイダは幼き子供たちを教える立場に立っている。微かな希望を感じさせるシーンであるが、ジェノサイドを引き起こしたムラディッチ将軍が数年後に言い渡された量刑は、終身刑である。
暗澹とした気持ちになる。
 更に言えば、2021年の現代でも、アメリカ軍が引き上げたアフガニスタンでは、アイダ達と同様のアルカイダの脅威に晒されている人たちがいるという事実である。
 宗教、民族の違いは、何故に憎しみを生み出すのか・・。
 世界はいつになったら、多様性を受け入れられる文化に熟成するのであろうか・・。
 観る側に重いテーマをに突きつける作品である。>

<2021年11月6日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

4.5アイダの表情は人生の全ての局面を表してた

talismanさん
2021年10月15日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

アイダが通訳として働いている役なのでこの映画を見ようと思った。ただ背景も経緯もまるで分かっていなかったので怯んでました。ても見て良かったです。あらかじめ少しだけ調べておいて良かった。

宗教的にはまさに「賢者ナータン」の地域が死の商人(国)に煽られた紛争なんだろうと思った。ベルリンの壁は崩壊し冷戦終わってしまったから自分に火の粉はかからないよう、どこかに紛争の種を蒔くか見つけて一儲けしないと!国連が頼りにならないのもある意味そうだろうなと思いつつ愕然とした。ヨーロッパの中心から近い場所なのに、マスコミは御用マスコミなのか、関心ないのか、しきられていたのか?

国連があんなだから国連で通訳しているアイダが自分の家族のためにどうにかしようと動くのは私は当然で全くもってあり得ると思った。それが自然で普通ではないかと思う。国連のオランダ軍トップも自分は責任者でないと言っていた。まして通訳は!ある時は重宝がられるが、ある時は通訳だけしてりゃいいんだ、お前の意見も考えも関係ない、言うな!の世界だから。

日本人は命がけで家族を守るどころか常日頃から家族関係が希薄なように思う。限られた数でしかない私の外国の友達の話に過ぎないが、アジアであれヨーロッパであれ彼らは何歳になってもパートナー、親やきょうだい、自分の子どもや孫を大事にしてそれを言葉や行動で伝えている。離れていてもマメに連絡している、電話でWhatAppでスカイプでZoomでメールで。だからアイダのとった行動はよくわかる。

ジェノサイドへの道はナチスと同様の移動でかなりショックを受けた。

破水していきなり出産の女性を励まし新生児の声を聞くアイダの嬉しい顔、教師の仕事が一番好きと言ったアイダの笑顔、息子自慢の幸福な表情、優しい夫への愛、セルビア側の青年が「先生!」って声かけてくれる元教え子、家族写真をいとおしく眺める顔、息子の靴を見て泣くアイダ。彼らになんの罪も咎もない。紛争を金儲けにする人達こそどうにかしてほしい。

こういう映画を制作した監督、出演した俳優達、全てが素晴らしいと思いました。この映画制作にドイツ、フランス、ポーランド、オランダが協力したことをエンディングロールで見てそれだけでも嬉しいと思った。

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talisman
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